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バイオ

脂肪酸ライブラリー構築と量産化の確立による、腸内細菌脂質代謝物の研究開発加速へ。

京都府

Noster株式会社

2023年2月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 腸内細菌脂質代謝物のライブラリー化及び量産化開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、食品、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、低コスト化
キーワード 腸内細菌脂質代謝物、メタボローム、水酸化脂肪酸、オキソ脂肪酸、ポストバイオティクス
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

「腸内細菌脂質代謝物」が創薬シーズとして着目されており、臨床試験を見据えたサンプルの需要が高まっている。京都大学は本脂質代謝物を合成できる唯一の機関であるが、従来技術では製造量が少なく、サンプル供給が困難となっている。本研究では、サンプル供給を目的とした脂肪酸ライブラリーを構築し、産学連携により医薬品仕様で量産化可能な製法を確立する。本研究達成により、世界初の腸内細菌脂質代謝物の創薬開発が加速する。

事業概要
開発した技術のポイント

・リノール酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術
・α-リノレン酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術
・γ-リノレン酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術
・基質のリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸を植物油に代替する技術
・脂肪酸変換反応における補酵素を低減する技術
・HYAを大量生産する技術
・HYA、KetoA、αKetoA、KetoCの精製技術

具体的な成果

1.製造技術の移行
・リノール酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術の移行を完了した。
・α-リノレン酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術の移行を完了した。
・γ-リノレン酸を基質とする脂肪酸代謝物(10種)の製造技術の移行を完了した。
2.医薬品仕様への製法変更
・基質のリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸を植物油へ代替する方法を確立した。
・補酵素の使用量を低減する変換系を確立し、最適化後、量産化条件で効果を確認した。
3.量産化への対応
・HYAを量産化に向けた技術を確立した。
・HYA、KetoA、αKetoA、KetoCの精製条件を最適化した。
・スケール up した製造条件のバリデーションを完了した。
月産供給可能量:数100mg~数100g

HYA(10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid)
知財出願や広報活動等の状況

・オキソ脂肪酸及び希少脂肪酸の製造法(特許第6755488号、特許第7100324号)
・希少脂肪酸を含む代謝改善剤(特許第6340523号)
・水酸化脂肪酸を含む腸管保護剤(特許第6241681号)
・希少脂肪酸を含む抗炎症剤(特許第6940854号)

研究開発成果の利用シーン

本補助事業の成果物である腸内細菌脂質代謝物ライブラリーを高純度の試薬・標品として供給することができる。
試薬・標品として頒布することにより、リピドミクスに基づく研究が進むことにより、腸内細菌および脂質に関連する新たな創薬シーズや疾病のバイオマーカーの発見が可能となる。また、ヒトや動物での介入研究を進めることも可能であり、新たな医薬品の創出や機能性食品の付加価値創出につなげることが可能となる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本格的な販売開始を 2023年度以降に予定しているが、引続き、引合いのあるアカデミアを中心に共同研究等によるサンプル提供を継続し、試薬としての評価フィードバックを受ける予定である。販売開始にむけて、プレスリリース、HP、記事広告、国内外での学会活動およびビジネスマッチングを通じた情報発信により腸内細菌脂質代謝物に関する認知を高めていく予定である。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・本ライブラリー化合物は腸内細菌により産生される内因性物質であり安全性の高い創薬シーズであることからライブラリーとしての性能優位性がある。また、化学合成や生体酵素反応ではつくれない、微生物由来酵素反応によりつくられる特殊な化合物であり、市場にない付加価値の高い研究用試薬となる。更にはこれら化合物に関する製造・物質特許の出願・対応をグローバルに進めていることから独占的供給が可能である。

今後の実用化・事業化の見通し

・2022年5月より慶應義塾大学薬学部との共同研究成果を活用し、腸内細菌の脂質代謝物に特化した企業・アカデミア向けメタボローム解析サービスを開始した。これにより、生体や食品中の各脂質代謝物の定量データ取得が可能となり、ライブラリーを用いた研究、産業利用意向が高まると考えられる。
・腸内細菌や脂質研究に関連するアカデミアや医薬・食品業界から引き合いがありサンプル提供を予定している。
・事業開始の準備が整い次第、販路拡大に向けて腸内細菌・脂質・バイオを中心とした学会・展示会には積極的に出展する予定。

実用化・事業化にあたっての課題

国内・海外での販路開拓が課題。

事業化に向けた提携や連携の希望

国内・海外での試薬販売をしている企業との連携を模索中。
脂肪酸ライブラリーを用いた未開拓の生理活性評価が可能な大学等との研究希望。
海外での事業提携先、連携について模索中。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 Noster株式会社
事業管理機関 Noster株式会社
国立大学法人京都大学
研究等実施機関 国立大学法人京都大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 Noster株式会社(法人番号:3130001030344)
事業内容 バイオ医薬品・機能性食品の研究開発および販売
社員数 27 名
本社所在地 〒617-0006 京都府向日市上植野町南開35-3
ホームページ https://www.noster.inc/jp/
連絡先窓口 Noster株式会社 R&D 本部 米島靖記
メールアドレス y.yonejima@noster.inc
電話番号 075-921-5303