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測定計測

振動エネルギーの流れに注目し、センサ技術とデジタル通信技術を融合した、次世代の自動車開発に対応した新しい振動計測システムを研究開発する

神奈川県

ネットワークアディションズ株式会社

2026年2月5日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 次世代自動車開発における安全性・快適性を確保する振動測定システムの開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 自動車、ロボット、産業機械、建築物・構造物、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、環境配慮
キーワード 振動の流れ、ベクトル表示
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

次世代自動車開発における安全性・快適性を確保する振動測定システムの開発を行った。従来の振動の大きさ測定とは異なり、振動エネルギーの流れを測定することで振動の伝搬経路や振動源を可視化する技術である。測定点近傍の4点の振動を測定し、振動の大きさと位相差から振動エネルギーの流れをベクトル量として求める。この流れの可視化により、どこから振動が発生し、どう伝わっていくかが分かるため、水の流れを堰き止めるように、どの箇所で伝わりを遮断すればよいかの対策立案が容易となる。「ピタッ」とセンサを設置すれば伝搬経路が分かり、そこから「パッ」と対策立案ができるリアルタイム性の高い測定技術を目指した研究である。

開発した技術のポイント

・振動エネルギー流れ可視化技術
-神奈川大学の独自技術で特許取得済み、車載ボンネット・ドアパネル・フロアーの曲面に対応

・高精度時刻同期通信技術
-IEEE1588規格準拠のPTP(Precision Time Protocol)をネットワークアディションズが製品化、振動エネルギー計測器に導入

・電波ノイズ計測および対策技術
-神奈川県立産業技術総合研究所の電波計測設備・技術を振動エネルギー計測器に導入

・センサ応用技術
-よこはまティーエルオーのセンサ応用技術を多点計測用センサの感度調整に導入

・分散型計測システム
-SGrCで16個センサを4.0kHz(256μ秒周期)で制御、4個センサを1インタフェースで時分割・高速(3.0Mbps)制御

・最大512個センサのリアルタイム同時測定対応の大容量化機能拡張

具体的な成果

・最大構成(SGrC32台、センサ512個)での高精度同期システム構築完了
-PTP実装により±2.5μ秒以下の精度でセンサ計測同時性確保
-階層型配線システムで最大構成の機能検証完了

・振動源特定精度と振動低減対策箇所特定精度の最終目標達成
-振動源特定精度: 10cm×10cm以内
-対策箇所特定精度: 20cm×20cm以内

・実車実験による実用性検証
-ボンネット、ドアパネル、フロアパネルでのロバスト性確保
-ドアパネル実験で振動源特定と振動低減効果確認

・製品試作機完成
-SGM(時刻同期源装置)とSGrC(16センサ制御装置)のハードウェア製品化
-振動エネルギー流れ可視化プログラムの大容量対応とリアルタイム解析機能実装
-センサ管理部開発によりオペレーション統一と計測精度向上

知財出願や広報活動等の状況

ネットワークアディションズはセンサ配線関連で特許申請を行い、同期型デジタル通信技術を計測機器に使用する場合の参入障壁とする予定である。また、本配線方式で計測機器メーカへ本研究で得た特許を拡販材料として活用する。神奈川大学は本研究で開発した主要な計測や対策方式について特許申請を行う。これにより、自動車OEM以外の各メーカに対する特許網を構築する。本研究開発の成果の1つである高精度時刻同期機能を有する階層型配線システムを、ソフトウェア製品として事業化することも検討している。音振動学会や業界雑誌での技術発表による認知度向上も予定している。

研究開発成果の利用シーン

・自動車分野での振動騒音対策
-エンジン、モータ、インバータ、エアコンなどの振動源特定
-ボンネット、ドアパネル、フロアパネルでの伝搬経路可視化による対策箇所特定
-軽量化と矛盾しない振動遮断設計

・自動車部品メーカでの開発効率化
-軸受け等可動部品の振動対策
-内装部品の振動伝搬経路把握
-従来1週間要していたデータ処理・解析をリアルタイムで実現

・生産設備での振動対策
-大型移動体メーカや小型装置メーカでの振動問題解決
-生産設備装置の機能検証や保守作業効率化

・インフラ事業
-音振動測定による建設会社、建築設備保守会社での機能検証・保守作業効率化
-TSN構築による生産設備メーカの競争力向上と生産性向上

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

2024年度に販売開始予定で、2025年3セット、2026年10セット、2027年30セット、2028年40セット、2029年60セットの販売計画である。ネットワークアディションズがSGMおよびSGrCハードウェアを外部製造会社に委託製造し、制御プログラム実装後に総代理店の伊藤電機経由でリオン株式会社へ納入する。リオンは神奈川大学へライセンス料支払いでソフトウェア開発し、ハードウェアと合体させて製品化する。2028年度までに年間30セット販売、年間5億円売上を目指す。アドバイザーである三菱自動車工業、デンソー、日本精工での実証検証から各部署への横展開を進め、音振動学会等で技術普及を図る戦略である。自動車分野確立後、生産設備等他分野へ展開予定である。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

・リアルタイム振動対策立案
-従来1週間要していた測定・分析を現場でリアルタイム実現
-「ピタッ」とセンサ設置で伝搬経路可視化、「パッ」と対策立案可能

・新しい振動対策手法
-振動の大きさではなく流れを測定する革新的アプローチ
-振動源と伝搬経路の直感的把握により的確な対策設計

・高精度同時測定システム
-最大512個センサの±2.5μ秒以下精度での同期測定
-配線簡素化と高密度センサ設置を両立

・CASE対応技術
-自動化・電動化で複雑化した振動問題に対応
-軽量化と振動対策の両立を実現する新手法

・現場作業効率化
-測定現場での即座の原因特定と対策検討
-設計領域拡大により多性能との両立検討に有効

今後の実用化・事業化の見通し

2025年から事業化開始予定で、自動車分野を皮切りに年間10~20セットの販売を目指している。ボトムアップ戦略として、アドバイザー企業での実証検証から設計部署・生産部署への横展開を進め、トップダウン戦略として音振動学会や業界雑誌での技術発表による認知度向上を図る。リオンとの協力でIoT化次世代計測器への展開も予定している。2029年以降は自動車分野と同等の年間10~20セット販売を他分野でも目指す。製品の基本構成は振動センサ64個で、オプションにより最大512個まで拡張可能である。試作機の貸出による市場開拓を積極的に行い、ユーザからの視点で製品機能をブラッシュアップしていく計画である。

実用化・事業化にあたっての課題

・実車計測での課題
-凹凸構造の多いフロアパネルでのプローブ設置に困難が伴い、さらなる工夫が必要
-細かな凹凸が少ない箇所での測定は可能だが、複雑形状への対応が課題

・最大構成での技術的課題
-SGrCを経由するごとに時刻の中心位相ずれが発生
-段数増加によりジッターが累積する問題
-使用CPUチップに起因する課題で、製品化段階での部品変更による対策検討が必要

・市場開拓の課題
-自動車会社は保守的で新技術採用に時間がかかることが予想される
-新しい振動対策手法のため、その効果と魅力を体感してもらうまでのサポートが重要
-リオンのIoT技術を持った営業・サポート体制構築が必要

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 ネットワークアディションズ株式会社
事業管理機関 よこはまティーエルオー株式会社
研究等実施機関 ネットワークアディションズ株式会社
よこはまティーエルオー株式会社
学校法人神奈川大学
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所
アドバイザー リオン株式会社
三菱自動車工業株式会社
株式会社デンソー
日本精工株式会社
伊藤電機株式会社
中栄信用金庫

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 ネットワークアディションズ株式会社(法人番号:9021001055106)
事業内容 ネットワークシステムに関するソフトウェア・ハードウェアの開発・設計、製造及び販売
社員数 5 名
本社所在地 〒257-0042 神奈川県秦野市寿町4-12
連絡先窓口 ネットワークアディションズ株式会社 森重隆春
メールアドレス morishige@network-additions.com
電話番号 0463-71-6007