複合・新機能材料
バイオプラスチックにバイオ由来のナノフィラーを高度に分散させて強化したカーボンニュートラル対応軽量素材
東京都
株式会社 サトーラシ
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | カーボンニュートラル自動車用樹脂部品のバイオ・ナノコンポジットによる実用化開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
| 対象となる産業分野 | 自動車、産業機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
| キーワード | カーボンニュートラル、ナノマテリアル、軽量化、バイオプラスチック、複合材料 |
| 事業化状況 | 実用化間近 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
カーボンニュートラル化率(CN化率)80%以上を目標とし、カーボンニュートラル・カーボンナノチューブ(CN-CNT)やセルロースナノファイバー(CNF)を用いたバイオプラスチックの高性能化技術を開発した。ポリ乳酸(PLA)とバイオ高密度ポリエチレン(HDPE)をマトリックスとし、ナノファイバーとの複合化により強度向上を図る。株式会社サトーラシは主たる研究開発実施者として、信州大学との共同により、自動車用締結部材から大型部品まで、従来の石油由来プラスチックに代わる環境負荷の小さいカーボンニュートラル対応部品の実用化開発を実施した。
開発した技術のポイント
・高純度カーボンニュートラル・カーボンナノチューブ(CN-CNT)の開発: 純度99%、直径11-16nm、長さ3.5μmを実現
・表面酸化処理CN-CNTによる界面強化技術の確立
・2種類のマスターバッチ法の開発: HDPE-MB法とTPE-MB法
・スチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)ブレンドによる靭性化技術
・パルス法核磁気共鳴(NMR)を用いた界面相互作用の検証法
・8インチ大型ロールおよび二軸押出機によるスケールアップ技術
・射出成形による部品製造技術の確立
具体的な成果
・CN-CNT充填量最大20phrで伸び600%を確保した高純度CN-CNT/バイオHDPEナノコンポジットの開発
・1,000倍のスケールアップを達成し、8インチ大型ロールで1kg/バッチまでの混練を実現
・二軸押出機による最大50kg/バッチまでのスケールアップ混練
・ねじ部品3件、事務用品6件、自動車用外装部品1件の射出成形試作を完了
・CN-CNT 5phr/バイオHDPE品における引張強さ約21%増大を確認
・自動車用外装部品の試作品について実車部品への組み付け評価を実施
・樹脂めっき技術によるテープ試験をクリアする密着性を確認
知財出願や広報活動等の状況
信州大学と(株)サトーラシが共同で、特許を1件出願することができた。
・出願特許
発明の名称: カーボンニュートラル自動車用樹脂部品のバイオ・ナノコンポジットによる実用化開発
出願番号: 特願2024-207881
研究開発成果の利用シーン
・自動車用締結部材(ねじ部品): 従来の金属ねじに代わる軽量で環境配慮された樹脂ねじとしての活用
・自動車内外装飾品: 軽量かつ強靭な材料特性を活かした大型部品への適用
・事務用品: クリップやうちわフレームなどの一般品への展開
・電気絶縁性に優れ、着色可能であるという優位性を活かした多様な用途での活用
・自動車部品に採用されることによる様々な用途への横展開
・従来の製造技術(射出成形)での部品生産が可能なため、既存設備での量産化が実現
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・多様なニーズに対応するため、新たに登場したバイオプラスチックやCNT/CNFの追加研究開発を継続して進めている。
・特に自動車用途で需要が高いPPについて、バイオPPとCNT/CNFの複合材開発を進める。
・CNF/バイオPE複合材のスケールアップ混練、製品成形試作を行い積極的に製品サンプルを試作して、川下製造事業者にPRしている。顧客の社内展示会へ出展している。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・環境負荷の小さいカーボンニュートラル対応部品でバイオ化率100%を目指す
・軽量かつ強靭な材料特性により従来の金属部品に代替可能
・従来の製造技術(射出成形での部品生産が可能で既存設備での量産化を実現)
・材料の色の自由度が増し、多彩な部分への適用が可能(セルロースナノファイバーの場合)
・ガラス繊維強化樹脂と比較してリサイクル性が高い
・電気絶縁性に優れ着色可能な優位性
・自動車部品に採用されることによる大きな横展開の可能性
・十分な強度を持ちながら軽量化を実現する次世代複合材料
今後の実用化・事業化の見通し
バイオ・ナノコンポジットによるバイオプラスチックねじについては、既存の販路である企業への営業を強力に進め、サンプル提供を行っていく。信州大学にナノコンポジット材料に興味を持った企業が複数来ており、そのラインを通じて技術紹介から営業へとつなげていく。新規の販路として他の自動車会社への営業も展開予定である。プラスチックねじの適用が見込める部品を顧客から情報収集中である。
バイオ・ナノコンポジットによる樹脂コンパウンドについては、自動車産業の特徴として立ち上がりに時間がかかるため、バイオ・ナノコンポジット材料の自動車用以外のプラスチック製品への展開も並行して進める。品質管理、長期の供給体制など本格的な生産開始に向けた準備を継続している。川下製造事業者の社内展示会に開発品を用いた成形品サンプルを出展した。
実用化・事業化にあたっての課題
・大量生産時の品質安定化のための管理手法の確立
・自動車産業特有の品質管理および長期供給体制の構築
・本格的な生産開始までの時間短縮
・材料コストの最適化による競争力のある価格設定
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社サトーラシ |
|---|---|
| 事業管理機関 | 株式会社信州TLO |
| 研究等実施機関 | 株式会社 サトーラシ 国立大学法人信州大学 |
| アドバイザー | Astemo株式会社 ALBAファインテック株式会社 上田プラスチック株式会社 戸田工業株式会社 王子ホールディングス株式会社 松井産業株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社 サトーラシ(法人番号:5010801004697) |
|---|---|
| 事業内容 | 輸送用機械精密機能部品の開発、製造および販売 |
| 社員数 | 256 名 |
| 本社所在地 | 〒144-0045 東京都大田区南六郷1-18-10 |
| ホームページ | http://www.srasi.co.jp/index.html |
| 連絡先窓口 | 株式会社サトーラシ 本部・技術部 部長 新井 優一 |
| メールアドレス | yuu-arai@srasi.co.jp |
| 電話番号 | 0495-72-6523 |
研究開発された技術を探す



