機械制御
サケ類の自動骨抜き装置
高知県
土佐電子工業株式会社
2026年2月3日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | バイオイメージングとAIを利活用したサケ類の小骨(ピンボーン)自動除去装置の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 機械制御 |
| 対象となる産業分野 | ロボット、産業機械、食品 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加) |
| キーワード | サーモン、骨抜き、自動化、省人化、水産加工 |
| 事業化状況 | 実用化間近 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ピンボーンの特徴を考慮し、フィーレのピンボーンの状態を把握したバイオイメージング技術とその情報から学習を行ったAIを利活用して、ロボットが自動で除去作業を行う装置を開発し、人の1フィーレ当たり平均処理時間が約90秒のところ、約50秒に短縮した。
開発した技術のポイント
・可視化・検出技術の統合
-バイオイメージングでピンボーン先端を可視化し、AI画像認識と位置計測で骨位置を高精度に特定、ステレオカメラで高さ情報を取得して三次元化した統合システムである。
・人手作業の正攻法ロボット化
-双腕ロボットがチャックで骨をつかみ抜去する人手工程を模倣し、身質を傷めず除去できる技術である。ローラー削り方式に比べ刺身用途に適する。
・要素技術の実機搭載とライン化
-可視化・AI・ステレオ計測・ロボットの4要素を実機に搭載し、搬入・取出ストッカーを備えた全自動ラインとして完成させた。
・モデル進化と更新性
-AIはU-NetからDeepLabV3へ高度化しており、量産機ではソフトの継続的アップデートで性能向上が見込める。
・コスト・速度最適化
-高さ検出はレーザー方式に対しステレオ法でコストダウンとスピード化を実現した。
具体的な成果
・ピンボーン除去装置の開発
-骨抜きチャック(爪)・サーモンフィーレ押さえを手指に持ち、骨を1本ずつ除去する双腕多軸ロボットを活用した装置を開発。
・ピンボーンバイオイメージングの開発
-バイオイメージングを転用し、見にくい骨を強調する撮像技術を確立。
・AIによるピンボーン検出のアルゴリズムの確立
-AI画像処理は、検出精度を向上させることにより、未検出及び過剰検出を抑制。
・Z軸座標取得方法の確立
-ステレオカメラによる、一本一本の骨の高さ情報の取得方法を確立。
知財出願や広報活動等の状況
・知財の出願・取得状況
-2年目に、骨抜きチャックとフィーレ押さえを用い骨を1本ずつ除去する双腕多軸ロボット技術について「魚フィーレ骨抜き取り方法」の特許を取得済みである。
・広報・露出と反響
-本件はローカル放送やインターネットで紹介され、水産関連団体・企業から装置への問い合わせが寄せられている。さらに海外大手企業から共同開発の具体的提案があり、自動化装置への市場期待が高まっている。
研究開発成果の利用シーン
・サーモンフィーレの骨抜き自動化
-バイオイメージングでピンボーン先端を可視化し、AI画像認識・位置計測とステレオカメラの高さ計測、ロボット抜去を統合した装置で、サーモンフィーレの骨抜きを自動化する用途である。従来の削り取り方式と異なり、身を傷めにくく刺身用途に資する技術である。
・加工ラインへの組み込み運用
-本体装置に搬入・取出ストッカーを接続し、生産ラインとして全自動運転で稼働させる用途である。
・後工程による品質確保
-100%検出・除去でない場合でも、残骨検査と人手の骨抜きを後工程に設けて導入価値を確保する運用である。
・多魚種への応用展開
-人手作業を素直に再現した方式であり、サーモン以外の魚種へも応用が期待される利用である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本装置はバイオイメージング・AI・ステレオ計測・ロボットを統合した実機を完成し、搬入・取出ストッカーを含む全自動生産ラインとして動作確認済みである。ローカル放送やネット紹介を契機に水産団体・企業から問い合わせがあり、海外大手から共同開発提案もある。販売計画は当初より1年後ろ倒しし、R8年度に本体販売開始、R9年度に前後装置を加えて拡販、R10~R12で国内展開を進め5年間で計29台販売を計画している。R7~R8でバージョンアップとコストダウンを実施し収益性を高める方針である。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・身を傷めない高品位な骨除去
-ローラー削り方式と異なり、バイオイメージングでピンボーン先端を可視化し、ロボットが“つかんで抜く”ため、サーモンの身を傷めず刺身品質に貢献する技術である。
・要素技術を統合した全自動システム
-AI画像認識と位置計測、ステレオカメラの高さ計測、双腕ロボットを実機で統合し、搬入・取出ストッカーを含む全自動運転を確認済みである。
・拡張性と将来性能向上
-AIセグメンテーションは進化が速く、量産機でもソフト更新で性能向上が期待できる設計である。サーモン以外の魚種への応用展開も見込める。
・実績・社会的関心
-ローカル放送やインターネット紹介を機に水産団体・企業から問い合わせがあり、海外大手から共同開発提案もある。市場期待の高い装置である。
今後の実用化・事業化の見通し
・量産・販売スケジュール
-令和9年度から量産機の生産・販売を実行する見通しである。販売計画は1年後ろ倒しつつ継続し、令和8年度は本体装置のみ、令和9年度から前後装置を加えて売上拡大、令和10年度は全国展開で計4台(2+2台)、令和11年度8台、令和12年度15台、5年間合計29台の計画である。
・市場機運と連携
-ローカル放送・ネット紹介を契機に国内外から問い合わせや海外大手による共同開発提案があり、市場期待は高い。
・性能向上と収益性
-ソフトは導入後も更新可能で性能向上が見込める。令和7~8年度にバージョンアップとコストダウンを実施し、完成度と利益率を高める方針である。
実用化・事業化にあたっての課題
・AI検出率の向上
-魚種差・成長差で骨の位置や状態が多様であり、各地サンプルの画像収集と学習が必要である。AI学習には人手介在の負荷が大きく、一般ユーザーでも対応・バージョンアップ可能な仕組みへの簡素化が課題である。サーモン以外の魚種対応も求められる。
・除去率とタクトの両立
-処理時間90秒目標に対し現在50秒であるが、時間延長は生産量低下を招く。動作高速化は骨のちぎれを誘発するため、骨抜きチャックとごみ箱の一体化による処理短縮・時間再配分が課題である。
・計測精度の改善
-ステレオカメラ2台1列配置では大型フィーレの尾部が撮像不十分となる。カメラ台数・配置の見直し(3台構想)が必要である。
・メカ不具合の低減
-機構・制御・精度・チャッキングミス等の不具合を減少させることが課題である。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 土佐電子工業株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人えひめ産業振興財団 |
| 研究等実施機関 | 株式会社宇和島プロジェクト 国立大学法人愛媛大学 愛媛県産業技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 土佐電子工業株式会社(法人番号:9490001004926) |
|---|---|
| 事業内容 | 製造業 |
| 社員数 | 92 名 |
| 生産拠点 | 愛媛県東温市下林1861-3 |
| 本社所在地 | 〒787-0010 高知県四万十市古津賀1079-1 |
| ホームページ | https://tosa-ei.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 土佐電子工業株式会社 新規開発事業部 岡村 斉 |
| メールアドレス | h-okamura@tosa-ei.co.jp |
| 電話番号 | 089-955-0777 |
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