文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 専用機でしか加工できなかった大型スパイラルべベルギヤを汎用機を用いて国内生産可能に

機械制御

専用機でしか加工できなかった大型スパイラルべベルギヤを汎用機を用いて国内生産可能に

東京都

株式会社イワサテック

2020年3月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 汎用の多軸制御工作機械による大型スパイラルベベルギヤの製作方法の研究開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 産業機械
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

汎用の多軸制御の工作機械で加工可能な大型スパイラルベベルギヤの歯形を開発する。専用加工機によるベベルギヤの歯形とは異なるため、動力伝達などの特性の解析を行うとともに、効率よく高精度に加工する条件、誤差修正の手順等を研究開発する。この技術により、今後需要が見込まれる大型スパイラルベベルギヤを、高額な欧米の専用加工機に依存することなく、導入しやすい汎用の多軸制御工作機械によって加工できるようになる

開発した技術のポイント

・汎用の多軸制御加工機を用い、専用機と同等以上の歯当りを目指す
-歯面形状:±0.050mm以内、ピッチ精度:JIS2級以下。:クリンゲルンベルグ社製専用歯切り盤の実績と同等以上の加工精度・噛合い性能
・仕上げ歯面へのショットピーニング加工(表面処理技法);歯面模様の改善、歯面強度の向上
(新技術)
汎用加工機での加工
・汎用機を活用することにより納期短縮・低コストでの供給が可能に

具体的な成果

・理論解析・歯当り解析により、NCプログラムを作成
-クリンゲルンベルグ社のサイクロパロイド方式(工具歯車である仮想冠歯車の歯筋がトロコイド曲線で、この仮想冠歯車でスパイラルベベルギヤが創成歯切りされる)のスパイラルべベルギヤの噛合い理論を理解することにより、歯当り解析プログラムを開発
-本プログラムにより良好な歯当りが得られるピニオンとギヤの両歯面の三次元座標と法線ベクトルを算出可能に
-上記に基づき、加工用のNCプログラムと歯面形状測定用の理論値を算出
・目標を大きく上回る加工精度・歯車形状を実現
-上記に基づき、同時5軸制御機により加工試験を実施
-加工精度は、目標であったJIS2級に対し、ギヤはJIS0級、ピニオンはJIS1級のピッチ精度
-歯面形状は、目標値±0.050mmに対し、±0.015mmと目標を大幅に超える精度
-ピニオンとギヤの歯当りも、形状(長さと幅)、位置ともに歯当り解析結果と一致
・技術的、経済的に事業化可能なレベルまで研究開発が進展
-浸炭焼入れしたギヤの歯面にショットピーニングを施工することにより、1.歯面強度(特に疲労強度)の向上と2.歯面の模様の改善を図った
-技術的にも、経済的にも事業化が可能なレベルにまで研究開発が進展

研究開発成果の利用シーン

火力発電プラントや大型産業機械(石炭ミルやセメントミル等)やタグボートの推進装置に使われる大型スパイラルベベルギヤを、国内生産により、短納期かつ高精度、高強度に製造

実用化・事業化の状況

今後の実用化・事業化の見通し

・大型スパイラルベベルギヤの販売を開始、他の歯車製造への応用研究も進める
-平成22年12月現在、製品を製造納品して利益が上がっている
-今後は、本技術の応用開発を行い、他の歯車の製造においても、汎用工作機械等で製造できるよう研究開発を進める

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社イワサテック
事業管理機関 テクノロジーシードインキュベーション株式会社
研究等実施機関 有限会社ツジテクノサービス
京都ダイヤモンド工業株式会社
国立大学法人新潟大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社イワサテック
事業内容 歯車製造(風力発電用の大型内歯歯車等)
本社所在地 〒136-0082 東京都江東区新木場4-12-40
ホームページ http://www.iwasa-tech.com
連絡先窓口 取締役社長 辻勇
メールアドレス tsuji-tech136@dream.jp
電話番号 03-3521-0103