文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. ワイヤーロープと繊維ロープの課題をともに解決する牽引用の「低摩耗型複合スーパー繊維ロープ」を開発

複合・新機能材料

ワイヤーロープと繊維ロープの課題をともに解決する牽引用の「低摩耗型複合スーパー繊維ロープ」を開発

香川県

高木綱業株式会社

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 海底・地中電力ケーブル牽引用の低摩耗型複合スーパー繊維ロープの開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 環境・エネルギー、産業機械、複合化
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 高機能ロープ、牽引ロープ、複合化ロープ、高強度ロープ、高耐疲労ロープ
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

海底・地中の電力ケーブル工事においてケーブル牽引用として使われてきた重く施工性が悪い鉄製のワイヤーロープの代替として、同等の強度があり軽く施工性に優れ、かつ耐磨耗性を向上させた「低摩耗型複合スーパー繊維ロープ」を開発した。

開発した技術のポイント

・摩耗低減技術
高耐摩耗繊維の選定、摩耗低減構造の開発、樹脂コーティング技術を組み合わせ、従来のスーパー繊維ロープに比べ本体摩耗を最大50%低減した。さらに、ワイヤーロープに対して接触物の摩耗を1/5に抑えることに成功した。
・摩擦制御技術
ウィンチ巻取り時に問題となるスティックスリップ振動について、発生条件を解明し、防止対策を確立した。これにより、巻取り時の安全性と施工性が向上した。
・取扱基準の設定
開発ロープはワイヤーロープと同等の安全率(SF)を実現し、シーブ径比率D/dはワイヤーロープの3/4で使用可能であることを確認した。性能比較や試験に基づき、動索用ワイヤーロープの代替が可能であることを総合的に評価した。

具体的な成果

耐摩耗性に優れたスーパー繊維ロープを選定し、樹脂や編組と複合化し、ロープ自体の耐摩耗性、耐疲労性を高め、摩擦対象物が摩耗し難いロープを開発した。また、ワイヤーロープと比較した性能試験を行い、開発ロープの取扱い基準を設定した。
これらにより、以下の設定目標を達成した。
・摩耗低減技術の開発:従来のロープに対してロープ本体の摩耗50%低減かつ、ワイヤーロープに対して接触物の摩耗1/5
・摩擦制御技術の開発:ウィンチ巻取り時のスティックスリップ振動なし
・取扱基準の設定:安全率SF = ワイヤーロープと同等、シーブ径比率D/d = ワイヤーロープの3/4
今後、開発ロープの現場での施工性や使用後の点検結果等をもとに改良を進めるとともに、点検基準等を確立することにより、ワイヤーロープ代替の市場拡大を図る。

装置1
装置2
装置3
知財出願や広報活動等の状況

・知的財産の取り組み
-開発した「二層タイプ(複合編組)」ロープは、樹脂製ケーブル管路の摩耗を抑制できることが確認され、市場動向を踏まえて特許出願の要否を検討している。これにより、製品の優位性を保護しつつ事業展開に向けた戦略を強化している。
・サンプル出荷と評価
-地中ケーブル張替現場での使用許可が得られ次第、アドバイザーである三友電工にサンプルを提供し、施工性や残存強度、損傷状況などの実地評価を行う予定である。また、洋上風力発電ケーブル敷設現場では関海事工業所へサンプルを出荷済みであり、使用後点検を通じて改良点を抽出し、技術の高度化を進める計画である。
・広報・販路開拓活動
-展示会への積極的な出展を通じて製品のPRを推進しているほか、施工会社に破断試験へ立ち会ってもらうことで性能の優位性を直接理解してもらい、導入促進を図っている。今後は、地中ケーブルや洋上風力ケーブルの牽引分野において、ワイヤーロープから繊維ロープへの置き換えを進め、市場シェア拡大を目指す。

研究開発成果の利用シーン

・地中ケーブル工事での利用
-開発ロープは施工性の向上が期待されており、地中ケーブル張替工事においてワイヤーロープの代替として活用できる。施工後の残存強度や損傷状況を評価することで、安全かつ効率的な工事への適用が可能である。
・洋上風力発電での利用
-洋上風力発電用ケーブル敷設現場においてサンプル出荷が進められており、長距離や曲がった管路への適用を想定している。耐久性向上により工事中断リスクを低減でき、コスト削減にもつながる。
・海洋開発分野での展開
-深海開発を含む海洋工事分野にも利用拡大が見込まれている。従来のワイヤーロープで課題となる切断リスクを軽減し、信頼性の高い牽引作業を実現する。
・市場浸透への取り組み
-展示会出展や破断試験への立会いを通じて、施工会社に性能優位性を理解させ、導入促進を図っている。これにより、ワイヤーロープ市場から繊維ロープへの置換を進めることを目指している。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本研究開発では、摩耗低減、摩擦制御、取扱基準設定の各目標を達成し、ワイヤーロープ代替となるスーパー繊維ロープの実用化に向けた成果を得た。事業化においては、二層タイプ複合編組ロープについて樹脂管路摩耗抑制の効果が確認され、市場動向を見極めて特許出願を検討している。サンプル出荷も進展しており、地中ケーブル張替工事では三友電工への提供を予定し、洋上風力発電ケーブル敷設現場では関海事工業所に出荷済みである。さらに展示会出展や破断試験の公開を通じてPR活動を展開し、施工会社の理解促進と導入拡大を進めている。今後はワイヤーロープから繊維ロープへの市場置換を目指し、営業活動を強化している。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・高耐久性による長寿命化
-開発ロープは従来のスーパー繊維ロープに比べ摩耗を50%低減し、さらに接触物の摩耗もワイヤーロープ比で1/5に抑制した。これにより、施工現場での耐久性が大幅に向上し、交換頻度を減らすことでコスト削減に貢献する。
・安全性と施工性の向上
-ウィンチ巻取り時に発生するスティックスリップ振動を解消し、安全性を確保した。さらに、ワイヤーロープと同等の安全率を実現し、安定した作業環境を提供する。これにより、施工時のトラブルリスクを低減し、現場の作業効率を向上させる。
・幅広い適用可能性
-開発ロープは地中ケーブル工事や洋上風力発電用ケーブル敷設など、多様な現場での使用に対応可能である。実際にサンプル出荷を通じて施工性や耐久性の評価が進められており、深海開発など新たな分野への展開も期待される。
・信頼性を裏付ける評価とPR活動
-展示会出展や破断試験の公開を通じて優位性を実証し、施工会社からの理解を得ている。これにより、繊維ロープ市場の拡大を加速させ、ワイヤーロープからの置換を現実のものとする取り組みが進んでいる。

今後の実用化・事業化の見通し

本研究開発により、摩耗低減、摩擦制御、取扱基準設定の全ての目標を達成し、ワイヤーロープ代替としての技術基盤が確立された。今後は、二層タイプ複合編組ロープについて、市場動向を踏まえ特許出願を検討するとともに、地中ケーブル張替現場や洋上風力発電ケーブル敷設現場へのサンプル出荷を通じて施工性や耐久性の実証を進める。使用後の点検結果を反映して改良を重ねることで信頼性を高め、展示会出展や破断試験公開を通じたPR活動により施工会社の理解促進と導入拡大を図る。繊維ロープ市場は導入初期段階にあり、今後は営業活動を強化し、ワイヤーロープからのシェア置換を推進することで事業化の加速を目指す。

実用化・事業化にあたっての課題

研究開発により摩耗低減や摩擦制御、安全率の確保といった目標は達成されたが、実用化・事業化に向けては課題が残されている。まず、現場で安全に使用するためには、安全率やシーブ径比率の基準だけでなく、点検方法、廃棄基準、保管方法といった運用面の詳細な規定を整備する必要がある。また、現場での使用実績や評価を踏まえて基準を早期に改訂し、推奨できる形に仕上げることが求められる。さらに、サンプル出荷による実証や施工会社との共同検証を通じて信頼性を高め、使用者にとって明確な指針を提供することが不可欠である。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 高木綱業株式会社
事業管理機関 公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部
研究等実施機関 香川県産業技術センター 材料技術課
アドバイザー 国立研究開発法人産業技術総合研究所
株式会社関海事工業所
株式会社三友電工

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 高木綱業株式会社(法人番号:8470001002643)
事業内容 繊維ロープ・電子機器の製造・販売他
社員数 79 名
生産拠点 香川県さぬき市昭和字白羽乙121-78
本社所在地 〒761-0301 香川県高松市林町278-1
ホームページ http://www.t2701.com
連絡先窓口 高木綱業株式会社 営業部 新プロダクト推進PJチーム  田中 優次
メールアドレス y.tanaka@t2701.com
電話番号 087-867-2701