複合・新機能材料
新しい炭素繊維複合材リング製造方法 および その強度評価シミュレーション精度
福井県
株式会社ニットク
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | モーター用軽量高強度リングを目的とした、高精度トウプリプレグと炭素繊維複合材リングの製造方法の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
| 対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、工作機械 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化 |
| キーワード | 薄層CFRP、連続繊維プリプレグ、新規なフィラメントワインディング、軽量高強度、高精度 |
| 事業化状況 | 実用化間近 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究では、幅・厚み精度の高いトウプリプレグ(TPP)を開発し、これを5軸で複数本同時に巻く新しい製造方法を確立することで、均一で欠陥の少ない高強度・薄肉のCFRPリングを実現する。また、CFRPリングの強度評価シミュレーションの精度向上により、試作回数の削減と開発効率の向上を目指す。
開発した技術のポイント
本研究では、CFRPリングの高精度かつ高強度な製造技術を確立するため、以下の成果を得た。まず、高精度トウプリプレグ(TPP)の開発により、繊維幅のばらつき発生回数を低減し、安定した量産を実現した。次に、巻き位置精度を高めたフィラメントワイディング(FW)装置と新しいリング製造方法を開発し、薄肉で研磨を必要としない高精度CFRPリングの成形に成功した。さらに、CFRPリングの評価測定においては、強度評価シミュレーションの予測精度を80%以上に高めるとともに、曲げ試験において円周方向引張強度2,000MPa以上を確認した。
具体的な成果
トウプリプレグでは±1.0mm外れ1.7%の精度を達成し、1,000m以上の長尺加工が可能となった。新たに開発した5軸装置では、張力制御・幅制御機構を備え、複数本同時給糸による精密な巻き付けが可能となった。その結果、リング厚み0.8mm以下の成形が可能となり、厚み精度0.01mmを達成した。さらに、強度評価シミュレーションにより破壊荷重予測精度80%以上を実現し、適切な積層構成(±45°)の有効性を示した。CFRPリングの曲げ試験においては円周方向引張強度2,000MPa以上を確認し、内部観察ではボイド率が1~4%程度に抑制され、層間密着性の改善が確認された。
知財出願や広報活動等の状況
2023.11.「福井県新技術・新工法展示商談会inTOYOTA」 にて技術紹介。
2024. 8.「福井県新技術・新工法展示商談会in島津製作所」 にて技術紹介。
2025. 4.「福井オープンイノベーション推進機構設立10周年記念技術展」にて技術紹介。
特願2024-54670 「フィラメントワインディング装置、及びフィラメントワインディング方法」 にて 出願。
ふくい産業支援センターへの展示サンプル提供(広報イベント等での掲示)
など、
研究開発成果の利用シーン
開発したCFRPリング成形技術は、自動車産業におけるハイブリッド車や電気自動車のモーター部品に応用可能である。従来の金属リングでは重量や熱膨張の課題があったが、CFRPの軽量・高強度・低熱膨張特性を活かすことで、モーターの高速回転に耐えつつ小型化と効率化に寄与できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究終了後も継続して装置改良を行う計画であり、CFRPリングの市場導入に向けて取り組みが継続されている。モーターリングの普及には、アッセンブル方法に課題があるため、今後はモーターメーカーとの連携や直接巻き対応機構の開発が事業化の鍵となる。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
開発したCFRPリング製造技術は、従来に比べてボイド率を大幅に低減(1~4%)し、曲げ強度を向上させた点が大きな特徴である。これにより、従来の製造方法で課題となっていた強度不足や加工コストの増加を軽減できる。さらに、表面凹凸の低減により追加研磨を最小限に抑えられることから、効率的で高品質な部品製造が可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
研究終了後も、開発した装置の稼働プログラム改良を継続して行い、安定した量産体制の確立を目指す。加えて、トウプリプレグはスリットテープに比べて高張力巻きに適していることから、今後さらに用途拡大が見込まれる。市場展開に向け、継続的な研究開発と改良を行うことで、産業応用や商業化の実現を目指す。
実用化・事業化にあたっての課題
装置導入の遅れにより稼働装置プログラムの改良が研究期間内に完了せず、安定稼働に向けた改良作業が今後も必要である。また、CFRP製モーターリングの普及が遅れている要因として、モーターへのアッセンブル方法が確立されていない点が挙げられる。この課題はCFRPメーカー単独では解決が難しく、モーターメーカーとの連携が不可欠である。さらに、直接巻きや高張力巻きに対応した新機構の開発が求められており、実用化・事業化に向けて技術的な補完研究と共同開発が必要である。
事業化に向けた提携や連携の希望
モーターリングとしての要望、スリットテープに比べて高張力巻きに適しているトウプリプレグとしての要望に対応検討いたします。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社ニットク |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
| 研究等実施機関 | 国立大学法人福井大学 福井県工業技術センター |
| アドバイザー | ミズノテクニクス(株)斎藤 毅 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社ニットク(法人番号:3210001009990) |
|---|---|
| 事業内容 | 製造業/産業資材用織物の製造 |
| 社員数 | 245 名 |
| 生産拠点 | 本社工場(福井県勝山市)、荒土工場(福井県勝山市)、海外拠点(中国上海市) |
| 本社所在地 | 〒911-0811 福井県勝山市片瀬10-1 |
| ホームページ | https://www.nt-jp.com/ |
| 連絡先窓口 | 株式会社ニットク 産業資材本部 江守恒彦 |
| メールアドレス | t-emori@nt-jp.com |
| 電話番号 | 0779-87-3500 |
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