測定計測
薄膜基板(上部電極 無し)の非破壊・圧電検査装置
奈良県
リードテクノ株式会社
2026年1月30日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | シリコン基板上に形成された圧電薄膜の非破壊検査技術の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | 測定計測 |
| 対象となる産業分野 | ロボット、産業機械、スマート家電、半導体、エレクトロニクス、光学機器 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、低コスト化 |
| キーワード | 圧電MEMS、圧電薄膜、圧電d定数、圧電デバイス、非破壊検査 |
| 事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究は、リードテクノ株式会社が保有する圧電応答計測技術を基盤に、バルク体向けから薄膜対応へと高機能化を図り、完全非破壊で圧電薄膜を評価できる技術の開発を進めるものである。
開発した技術のポイント
本研究では、圧電特性の高精度計測と非破壊検査技術を開発した。圧電定数d33について、プローブ材質や先端径の最適化、ロックインアンプやアクティブプローブ法の導入により、高分解能かつ高S/N比で0.01pC/Nの安定計測を実現した。
また、上部電極を持たない圧電体に対し、プローブ材質や先端形状による影響を実測値にフィッティング可能とするシミュレーション環境を構築し、測定への影響を可視化した。さらに、ウエハ用非破壊検査装置を設計・開発し、切り出し試験片のd31値と高い相関を確認することで測定妥当性を検証した。
本装置はd33測定に加え、静電容量CpやP-Eヒステリシス計測を備えた総合システムであり、PZT薄膜のみならずAlN薄膜や高分子フィルムの定性的評価にも対応する。
具体的な成果
・圧電特性の検出感度向上による高精度電荷計測
ーリレー回路導入により、未分極薄膜基板で最適分極条件および抗電界Ecの測定を実現
ー6インチ薄膜ウエハ(厚み1~3µm)において、印加荷重1N・100Hzで測定バラツキ0.5%以下を達成
・圧電体シミュレーション環境の構築
ー上部電極を持たない圧電体において、プローブ材質・先端形状の影響を実測にフィッティング可能なシミュレーションを構築
ー逆圧電効果によるd31と、本技術で得たd33の相関を確認し妥当性を実証
・ウエハ用非破壊検査装置の設計と開発
ー分極処理機能に加え、静電容量CpやP-Eヒステリシス測定を可能とする多元的計測システムを開発
ー6インチ薄膜基板やSOI基板で従来法との高い相関を確認し、上部電極を引き出さず半定量評価が可能であることを実証
ー薄膜のみならず高分子・厚膜材料にも適用可能
知財出願や広報活動等の状況
本提案の圧電変位量を電荷量に置き換えて計測する手法は、他社に存在しない当社独自のオンリーワン技術である。既に関連特許4件を権利化済みであり、検査装置の高精度・高再現性化に関しては昨年度に1件を出願、本年度には国際出願を完了している。
研究開発成果の利用シーン
開発した非破壊圧電薄膜検査技術は、MEMSデバイス製造において量産ライン上でのインライン検査を可能とし、歩留まり改善や品質保証に寄与する。従来必要であった試料加工を不要とし、破壊を伴わないため、工程短縮とコスト削減が可能となる。
また、振動発電デバイス、医療用内視鏡のアクチュエータ、水浸型探触子やディスプレイ用スピーカなど、圧電厚膜や圧電樹脂膜を用いたデバイスにも応用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本検査装置は、成膜メーカーからのニーズを取り入れた仕様に基づき半自動実機を試作し、量産ウエハにおけるd33値の再現性と測定精度を確認済みである。
また、川下企業から複数の問い合わせが寄せられており、圧電MEMSデバイス生産企業の要求に対応できる水準を達成している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
開発した検査装置は、世界初の非破壊評価技術を用い、従来必要とされた上部電極形成やシリコン基板の鏡面研磨を不要とする点が大きな特徴である。これにより測定工程の簡略化とコスト削減を実現した。さらに、P-Eヒステリシス測定を併用することで、d33に代わる圧電特性評価が可能であり、多様な材料やデバイスに対応できる拡張性を備えている。
従来の競合製品では困難であった再現性の確保や測定バラツキの低減を達成し、短時間での多点評価が可能となった。装置価格も従来製品に比べてリーズナブルに設定されており、導入ハードルが低い。これにより、製造工程の効率化、製品品質の向上、開発サイクルの短縮に貢献し、圧電MEMS市場における新しい標準技術として強くアピールできる。
今後の実用化・事業化の見通し
今後は、既存の成膜メーカーからのニーズを踏まえ、ウエハ直接評価技術のさらなる精度向上と高速化を進めるとともに、次世代要求であるAlN薄膜の高周波フィルタ評価にも対応していく。
国内外のMEMSメーカー、半導体メーカー、大学研究機関への展開を想定し、国際展示会やセミコンジャパンでの発表を通じ販路拡大を進める予定である。
実用化・事業化にあたっての課題
まず、AlN薄膜や高分子フィルムなど、新材料における測定精度と再現性の確保が課題である。特に高分子系では荷重や周波数条件によって特性が大きく変動するため、適切な測定条件の標準化が必要となる。
事業化に向けた提携や連携の希望
今後大きく伸びる圧電MEMSデバイス分野(インクジェットプリンタ、高周波フィルタ、携帯電話等)のファウンドリ、関連の部品メーカへのコンタクトを加速させる。国内の当分野での該当メーカ、海外に向けては中国の携帯電話及び家電メーカとの連携を希望。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | リードテクノ株式会社 |
|---|---|
| 事業管理機関 | 公益財団法人滋賀県産業支援プラザ 連携推進部 プロジェクト管理室 |
| 研究等実施機関 | 公立大学法人大阪市立大学 工学研究科 電子物理系専攻 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | リードテクノ株式会社(法人番号:8150001008078) |
|---|---|
| 事業内容 | 圧電材料及ぼそのデバイスの試作・開発 各種圧電材料の評価装置の製造・販売 |
| 社員数 | 18 名 |
| 本社所在地 | 〒631-0011 奈良県奈良市押熊町1587-60 |
| ホームページ | https://leadtechno.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | リードテクノ株式会社 代表取締役 早野 修二 |
| メールアドレス | hayano-shujii@leadtechno.co.jp |
| 電話番号 | 077-543-7819 |
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