測定計測
マルチインプット型AIアルゴリズム検査システム
福岡県
KNE株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | スマートフォン用のバッテリー検査工程における品質と生産性を向上させ高度な判定を実現するマルチインプット型AIアルゴリズム検査システムの開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 半導体 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | AI、マルチインプット |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
スマートフォンのバッテリー外観検査工程では、目視検査が今もなされており、他の工程の自動化が進む中で唯一のボトルネックとなっている。そこで本提案では、「マルチインプット型」「AIアルゴリズム」という革新的な概念を新たに導入した検査システムを開発し、この課題を解決する。これにより、独自機構とAIによる生産性向上と検査品質の保証を両立させる革新的なスマートフォンバッテリー検査装置を上市する。
開発した技術のポイント
・AIアルゴリズムの設計
‐マルチインプット対応のAIアルゴリズムの計算を行うために、対象物の欠陥の種類を表す確信度、場所と囲む最小矩形領域を表す座標値、境界座標リストを表す輪郭座標値の3つのパラメータを設定し、これを導くために、5つのニューラルネットワークを設計した。
・マルチインプット画像取得方法の開発
‐基本構成ユニットの開発、制御ユニットの開発、部品供給/排出ステージの開発を行った。
・検査システムの開発
‐検査装置としての全体システムの開発を行った。
具体的な成果
・基本設備構成ユニットの開発
‐4つの基幹ユニットの設計、製作と評価を完了し、全目標値を達成した。
(4つの基幹ユニット:移載ユニット、X軸ユニット、供給・排出軸、制御ユニット)
移載ユニットの基幹部品であるバレルにおいて複雑で高精度な加工を実現出来た。
・基本ハンドラーシステムの開発
‐全体構成とソフトウェアシステムの設計、製作、評価を完了した。
高精度位置決め、複数軸の同期制御などの全目標値を達成することが出来た。
移載品質向上のための部品センター吸着機能とノズル高さコントロール機能を実現出来た。
また金メッキ部品の移載テストを実施し、部品表面の傷が無いことを確認出来た。
生産性:18,000個/時間、移載精度:±50μm(Cpk1.33)を実現することが出来た。
・顧客要求に沿ったアプリケーションユニットの開発
‐6つの周辺ユニットと各ユニットの動作をコントロールするソフトウェアの設計製作評価を完了し、全目標値を達成することが出来た。
研究開発成果の利用シーン
本研究にて開発したマルチインプット型AIアルゴリズム検査システムを適用することで、スマートフォンに搭載されるバッテリーの外観検査工程の自動化が可能となる。
また、OK/NGの判定が判断者により異なることがなくなり、検査品質の安定化が可能となる。
検査時間の短縮も可能となり、実効生産性の向上が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
顧客要望に対する、追加評価を実施中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
本提案にて開発する検査方法は、あらゆる目視検査に応用が可能である。
例えば、バッテリーはもちろんのこと、小型ディスプレイの外観検査から、品質を重視する電子部品の外観検査、また医療用機器の外観検査、食品分野の包装後外観検査など、従来、人でなければできなかった検査を自動化できる有効な手段である。
人が行っていた外観検査工程が自動化されることにより、製造工程の全自動化が加速する可能性を秘めている。
本AIアルゴリズムとマルチインプット型画像取得方法を搭載した外観検査装置は、今後あらゆる外観検査市場において、幅広い活用が期待できる。
今後の実用化・事業化の見通し
当初の数年は、顧客と連携しモニターテストの形で実施していく。 販売は数社程度に絞られると予測しており、トレンドリーダー的な顧客を選定し、数社での装置としての評価を得る活動に集中する。
販売開始後3年度以降については、数社での実績を踏まえ、拡販をめざす。キー顧客工場での購入実績と設備承認を取り、顧客の各工場への展開を図る。合わせて他顧客への提案営業を強化し、販売拡大を狙う。 販売先地域は、まず国内顧客を重点にすすめ、次に中国顧客への営業活動を開始する。
販売開始後4年度以降は、日本、中国を中心に販売を加速し、スマートフォン製造を行っている途上国へも販売活動を開始する。また、バッテリー検査からディスプレイを含めた検査工程への導入を開始する。これらにより、対象市場の大幅な拡大を図り、本装置販売の促進を狙っていく。
実用化・事業化にあたっての課題
検査生産性の検証が必要である。
ユーザー毎の部品の設備換算のシフト時間8時間における検査生産性1200個以上の検証を行う必要がある。
試作機を用いたユーザーによる検証が不十分であることから、今後、“売れる商品”に仕上げるためには、試作機によるバッテリー部品の検査テストを通じて、設備の信頼性を確立し、販売に向けての活動を推進していく必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | KNE株式会社 株式会社TTDesign |
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事業管理機関 | 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 |
研究等実施機関 | 株式会社昭和電気研究所 |
アドバイザー | 鈴木コンサル事務所 福岡県工業技術センター 高松特許事務所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | KNE株式会社(法人番号:2290001052547) |
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事業内容 | 半導体製造装置 製造・販売 |
社員数 | 21 名 |
本社所在地 | 〒812-0025 福岡県福岡市博多区店屋町6-17 ランダムスクウェアⅡ 5階 |
ホームページ | https://www.kne-hakata.com/ |
連絡先窓口 | KNE株式会社 代表取締役 永尾和英 |
メールアドレス | k.nagao@kne-hakata.com |
電話番号 | 092-409-1109 |
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