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機械制御

次世代エアモビリティ実現に向けたチルトウイング機の姿勢制御技術を開発する

兵庫県

スカイリンクテクノロジーズ株式会社

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高速チルトウイング機の高安全性姿勢制御技術開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 航空・宇宙
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 航空、ドローン、空飛ぶクルマ
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本事業は、高速チルトウイング機(チルトウイング両側のメインロータ2発、水平尾翼中央のテールロータ1発により、ヘリコプターモード(T90)で垂直離着陸、飛行機モード(T0)で高速長距離の水平飛行が可能)の安全性及び安定性を有する姿勢制御技術を開発するものである。今年度については、姿勢制御技術開発として遷移試験(T90→T0→T90)の実証、製品機体設計として市場ニーズ(利用者及び川下運航業者)の分析並びに市場ニーズ及び姿勢制御技術と適合する製品機体設計の準備を実施し、制御方式を向上するための飛行試験データの取得、市場ニーズ(高速長距離の水平飛行)の確認を達成した。

開発した技術のポイント

・「ゲインスケジューリング方式」によるシステム同定及び制御パラメータ設定技術
-T90からT0まで全チルト角でのシステム同定を完了
-低いチルト角では飛行機の制御を取り入れ、SAS(Stability Augmentation System)、CAS(Control Augmentation System)形式を導入

・遷移飛行制御技術
-パイロット操作無しでピッチ角の変化は5度以下に抑制
-飛行機モードに移行する際のロール角度制御をパイロットが十分制御・操作可能

・高精度な姿勢制御システム
-姿勢を検出するセンサー(IMU)の振動対策により、振動による誤作動(VRE)を解決

具体的な成果

・屋外飛行試験による姿勢制御能力の実証
-遷移飛行試験(T90→T0→T90)を実施
-システム同定、制御パラメータ設定(T90からT0まで全チルト角)を完了

・市場調査成果
-米国のビジネス航空利用実態分析により、1日約8,000フライトの需要を確認
-都市間航空交通手段選択において、3都市間ともVTOLの選択率が最も高いことを実証
-米国の都市間移動における高速VTOLの市場性を調査し、バーティポートを空港よりも近い都市内に整備することにより、
 ビジネス航空利⽤層の選択確率は約6%増加し、⾼速VTOLの選択確率は50%弱になることを確認
-日本の離島間移動調査で、沖縄本島⇔石垣島30,079人/月、沖縄本島⇔宮古島23,096人/月の移動を確認

・製品機体設計
-プロペラの直径、テーパ比、ソリディティ等のプロペラ構造を決定
-選定エンジンで巡航速度650km、航続距離1,400km、エンジン1基故障時のホバリング性能を確認

知財出願や広報活動等の状況

・知的財産権出願
-「機体をピッチ方向及ぶヨー方向にコントロールできるチルトロータ又はチルトウィングの機構を備えた飛行機」を出願中

・広報活動
-国際フロンティア産業メッセ2024(9月5日~6日)に出展
-フライングカーテクノロジー展(10月9日~11日)に出展
-防衛産業参入促進展(3月13日~14日)に出展
-国際フロンティア産業メッセ2025(9月4日~5日)に出展 兵庫県ブース内にて出展
-インダストリーデー2025(9月24日~25日)に出展

研究開発成果の利用シーン

・離島間交通手段
-沖縄県の離島間移動において、VTOLを導入した場合、価格差10万円で1,466人/月~2,023人/月、価格差2万円で2,229人/月~3,249人/月の利用が見込まれる
-既存交通での移動が不便な箇所にVTOLを導入することで交通利便性の向上が可能

・産業用ドローンとしての活用
-構想1: 250cc-20kw、最大離陸重量95kg、ペイロード25kg、最大速度230km/h、最大航続距離600km
-構想2: 800cc-40kw、最大離陸重量150kg、ペイロード50kg、最大速度260km/h、最大航続距離720km
-構想3: 1500cc-150kw、最大離陸重量650kg、ペイロード250kg、最大速度330km/h、最大航続距離1,015km
展示会を通じて、構想2において市場ニーズがあることが判明した。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・産業用ドローンの開発
-展示会を通じて、構想2において市場ニーズがあることが判明したため、本機体の製品化開発を実施する。
-現在、ニーズが確認されている分野は「広域インフラ点検」用途および「安全保障」用途である。

・事業化見通し
-顧客候補とのヒアリングの結果、新たな開発要素が含まれるため、以下のスケジュールにて事業化を改革中
   ~2028年     構想2のプロトタイプ機の製作
   2028~2030年 実証実験
   2030年~     量産開始

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・高性能チルトウイング技術
-ヘリコプターモード(T90)で垂直離着陸、飛行機モード(T0)で高速長距離の水平飛行が可能な独自のチルトウイング機構

・高安全性姿勢制御技術
-「ゲインスケジューリング方式」による全チルト角での安定した姿勢制御を実現
-遷移飛行時のピッチ角変化を5度以下に抑制する高精度制御

・市場競争力
-構想中の機体は内閣府の「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」に関する研究開発構想に記されている性能要件に迫る仕様を実現
-滑走路不要で都市のあらゆる地点での垂直離着陸が可能

今後の実用化・事業化の見通し

・第1段階:産業用ドローン
-エンジン式機体を持つ会社との共同開発により、2025年度中の商品化を目指す
-内閣府の長距離物資輸送用無人航空機技術の性能要件に迫る高市場性の機体実現

・第2段階:空飛ぶクルマ
-本事業により得られた知見を発展させ、2025年度より人が乗れるサイズの試験機(POC機)の開発を進める
-高速長距離の性能を有する空飛ぶクルマの製品製造・販売を目指す

実用化・事業化にあたっての課題

・技術的課題
-マニュアル飛行でのチルトウイングと自律飛行でのチルトウイングには大きな違いがあるため、早々に自律飛行でのチルトウイング用PFCS(Primary Flight Control System)のハードウエアを設計開発する必要がある

・市場認知度の課題
-VTOLの社会的認知が利用ニーズに影響を及ぼすため、万博を契機とした普及啓発の機会を捉えた推進が必要

・法規制対応
-JobyやAW609の型式証明取得に向けた追い風を受けながら、法規制のハードルを乗り越えていくパイオニア事業としての取り組みが求められる

・事業基盤強化
-経営基盤の強化が必要であるため、目下の市場拡大が期待されるドローンベースの事業展開が重要

事業化に向けた提携や連携の希望

特になし
(NEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」を活用する予定であり、連携先を設定済)

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 スカイリンクテクノロジーズ株式会社
事業管理機関 公益財団法人新産業創造研究機構 研究開発部門航空・宇宙部
研究等実施機関 スカイリンクテクノロジーズ株式会社 森本高広
学校法人日本大学 理工学部交通システム工学科・轟朝幸
アドバイザー 国立大学法人千葉大学
川崎重工業株式会社
マゼランシステムズジャパン株式会社
神戸エアロネットワーク
兵庫県
神戸市

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 スカイリンクテクノロジーズ株式会社(法人番号:7140001113813)
事業内容 製造業
社員数 3 名
本社所在地 〒651-2266 兵庫県神戸市西区平野町印路995-1
ホームページ https://www.skylink-tech.co.jp/
連絡先窓口 スカイリンクテクノロジーズ株式会社 代表取締役 森本高広
メールアドレス morimoto@skylink-tech.co.jp
電話番号 090-9113-1322