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精密加工

研削加工後の表面処理と加工面の光学測定を工作機内部で行い再処理を含めた生産時間を大幅に短縮する

静岡県

株式会社小出製作所

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 金型等の加工における非接触機上測定技術を応用した自動補正加工システムの開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、産業機械、工作機械、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)
キーワード 再加工、自動測定
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

以下の3点の開発と最終的な統合により初期加工後の精度測定から補正加工までの一貫処理を自動化可能とした。
 ・光切断測定が可能な加工後の表面処理(ホワイト面の創成)、測定データのノイズ処理法の開発。
 ・加工機内に挿入可能な光切断測定装置による繰り返し測定精度20umの達成。
 ・加工機内での測定データを用いた追加補正加工経路の生成プログラムの開発。
上記3点を統合し連続処理化することで一貫処理の自動化を達成。
今後、商品化に向けて測定系の小型化を継続開発する。

作業簡略化の概念図
時間短縮の目標
開発した技術のポイント

・ホワイト散乱面創製
 -ウェットブラスト処理により多種の工具の加工面で安定した散乱光を得る条件を確立したが、強固な泡発生による課題が判明した。
・泡対策と表面処理
 -電解アルカリ水を用いたスラリーではウェットブラスト時の泡発生の問題は完全な解決は出来なかった。
 -代替技術として白色塗料塗布など、多様な策を検討実施。
 -同時に測定ソフトウェアの改善も進め、エアブロー程度の処理で測定可能な表面となることを確認。
・非接触測定技術
 -光切断法を応用し、±13.9μmの精度と5分以内計測を達成。
 -小型化が間に合わなかったため、機外からの挿入方式で安定性を確保した。小型化開発を継続中。
・再加工効率化
 -誤差部抽出と工具経路生成プログラムを開発し、短時間で20μm以内の再加工を実現した。
・システム統合
 -実機組み込みにより、取り外し不要で13分以内に50μm精度の修正加工を可能とした。

システム構成図
実験機の構成
具体的な成果

・表面処理法、およびノイズ処理法の開発
 -当初予定のウェットブラストを不要とし、エアブロー程度の処理で対応可能とした。
 -光学測定の開発の中でノイズ除去の最適手法を開発→安定した測定の達成。
・光切断法による高精度測定の開発
 -理論計算から測定精度の予測を実施
 -加工機内に挿入できる光学測定系の設計/制作→加工機内で測定データの安定取得。
・補正加工経路の生成プログラムの開発
 -加工誤差部の抽出プログラムの開発
 -補正加工経路の生成プログラムの開発
・上記3件の開発結果を統合し、自動化処理を達成。
 -事業化のためには測定系の更なる小型化が必要で継続開発を調整中。

再加工プログラム説明
知財出願や広報活動等の状況

特願2023-104589「切削加工システム及び切削加工方法」
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2025-004718/11/ja

特許代表図
研究開発成果の利用シーン

・加工現場での利用
 -本研究で開発した光切断法を応用した加工機の機上での非接触測定技術は、工作機械上で直接活用できるものである。被加工物を取り外すことなく表面状態を安定して計測できるため、加工現場での品質管理や工程短縮に寄与する。
・再加工工程での利用
 -点群データから誤差部のみを抽出し、部分的な再加工を行うプログラムを開発したことで、不要な加工を省き、短時間で高精度な修正を可能にした。これにより、再加工工程の効率化と高精度化が実現され、金型など精密加工品の補正作業に有効である。
・システムとしての利用
 -研究成果を統合したシステムは、加工・測定・修正を自動で連携させ、13分程度で50μm以内の精度修正を達成した。これにより、生産現場において省力化と高精度を両立した工程管理が可能となり、実用的な加工プロセスの高度化に資する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本研究開発は計画通りに進展し、加工から測定、再加工までを一貫して実現できる成果を得た。目標精度や処理時間は達成されたものの、事業化に向けては動作の安定性や改良の必要性が指摘されている。特に測定器の小型化が最大の課題とされ、今後2年間は小型化と精度維持を両立させる研究を継続する方針である。そのうえで令和10年度の事業化を目指す。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理

製品・サービスのPRポイント

・オンマシン非接触測定による工程短縮
 -工作機械上でホワイト散乱面を創製し、光切断法を用いて被加工物を取り外さずに計測できるため、段取り時間を削減し工程を迅速化できる装置である。
・高速・高精度の計測性能
 -300mm立方体に対して±13.9μmの精度を達成し、計測時間270秒を実現した。これにより、高精度要求の現場で即時の品質判断が可能である。
・安定測定のための表面処理
 -最終的に測定データ処理のソフトウェアでのノイズ除去法の改善で、エアブロー程度の処理で特段の表面処理を不要とした。
・部分修正で無駄削減
 -点群比較で誤差部のみを抽出し、工具経路を自動生成して20μm以内の再加工を実現することで、不要加工を抑えコストと時間を削減できる。
・一貫自動化による生産性向上
 -計測・データ再生成・再加工を連携し、約13分で50μm以内の修正を完了できるため、生産現場の省力化と品質向上に資する。

今後の実用化・事業化の見通し

・事業化に向けた課題
-研究は計画通り進展し成果を得たが、実運用には改良の余地がある。特に測定器の小型化が最重要課題であり、動作の安定化やユニット間の連携動作の改良も求められる。測定器はオートツールチェンジャー(ATC)に装備できるサイズを目標としている。
・今後の計画
-今後2年間は小型化と精度維持の両立に向けた研究を継続する方針である。これにより、令和10年度の事業化を目標として段階的に実用化を進める見通しである。

実用化・事業化にあたっての課題

・測定器の小型化
 -実用化に向けて最大の課題は測定器の小型化である。現状の装置横から挿入する形式では工場の面積を無駄に使うことになるので、小型化を進め加工機内への装着を可能にする。今後2年間で小型化と精度維持を両立させる研究を継続する必要がある。
・動作安定化と連携改良
 -事業化にあたり、装置の動作安定化と、個々のユニット間の連携動作の改良が求められる。ユニット間の通信不具合がある様でソフトウェアの改善を実施中。
・工場内設置に伴う振動やノイズの懸念
 -現時点の構成での、機内への挿入形式では片持ち梁による振動が懸念されたため、加工機の主軸で測定アームを支える構成とした。小型化後は別の問題の懸念が起きる可能性があるので、ノイズ/振動影響の管理が引き続き重要である。

事業化に向けた提携や連携の希望

小型化後のセンサー制作と解析ソフトウェアの制作を委託可能な会社を調査中

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社小出製作所 代表取締役 社長執行役員 小出良悟
マコー株式会社 長崎事業所 所長 中村津良志
事業管理機関 公益財団法人長崎県産業振興財団 研究開発支援室
研究等実施機関 国立大学法人長崎大学 総合生産科学研究科(工学系), 教授 矢澤 孝哲
アドバイザー UEL株式会社
株式会社牧野フライス製作所
公立大学法人富山県立大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社小出製作所(法人番号:7080401016119)
事業内容 製造業
社員数 88 名
生産拠点 本社工場(静岡県)小江工場(長崎県)
本社所在地 〒438-0825 静岡県磐田市森本1045
ホームページ https://www.koide-net.co.jp
連絡先窓口 株式会社小出製作所 代表取締役 小出良悟
メールアドレス koide-r@koide-net.co.jp
電話番号 0538-37-1147