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バイオ

「自立支援AI」と「AI健康管理システム」を組み合わせた自立支援・重度化防止AIシステムによる健康寿命延伸の実現

福岡県

芙蓉開発株式会社

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 健康寿命延伸を実現する、個人最適化した自立支援・重度化防止の成果を出す施設向けAIの開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護、建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)
キーワード 自立支援、重度化防止、業務改善、AI、生産性向上
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

 本事業では、介護施設が直面する自立支援・重度化防止の課題に対し、利用者ごとの状態を分析して最適な支援内容を提示できる「自立支援AI」を開発し、実装まで完了した。既存のAI健康管理の仕組みと統合することで、生活機能の維持・改善を促す支援と、健康状態の変化を早期に察知する機能を一体として提供できるようになった。
 開発したAIは、LIFE提出データや日々の記録をもとに個別のADL目標を自動的に設定し、改善のために注目すべきポイントや必要なアプローチを具体的に示す。これにより、多職種が共通の基準を持って支援を行える環境が整い、属人化しがちだった判断を客観化することが可能となった。
 また、モニター施設での実証を重ねながらアルゴリズムの精度を高め、運用画面やマニュアルも現場の声を反映して改良した。その結果、ADL改善に向けた連携が強化され、業務効率化と介護報酬の適正獲得につながる実用的な成果を確認し、本事業を完了した。

従来技術と新技術「自立支援AI」の比較
開発した技術のポイント

【ケアプランチェック機能】
 利用者の特性を考慮し、人が作成したケアプランとの相違をアドバイスする
【リハビリプラン提案機能】
 利用者の特性を考慮し、効果的なリハビリ計画をLIFE画面で提案する
【ADLシミュレート機能】
 「状態変化」を入力すると半年後のADLを予測する

自立支援・重度化防止AIシステム
具体的な成果

【1:新技術の確立】
 本事業では、ADL改善計画提案AIと半年後のADL予測AIを開発し、人が立てた計画の妥当性を自動チェックする機能も実装した。計画精度は正 解率70%以上・再現率80%以上と目標を上回り、300件超のデータ分析を通じて実用レベルまで精度を高めた。
【2:新製品「自立支援・重度化防止AI」の確立】
 LIFE申請から記録・分析までを一気通貫で支援するシステムを構築し、3施設でのタイムスタディでは業務時間が35%削減された。AIアラートも全施設で「効果あり」と評価され、ADL維持・改善に有効に機能することが確認された。
【3:顧客満足の確立】
 現場ヒアリングをもとに利便性を高める新機能を追加し、省力化は100%が「有効」と回答した。さらに利用群は非利用群に比べBI改善が統計的に有意に大きく(p=0.02)、利用者の自立度向上に寄与することが示された。

開発画面
知財出願や広報活動等の状況

【特許】
  発明の名称:ソフトウェア、データ処理装置、及びデータ処理方法
  出願人:芙蓉開発株式会社
  出願番号:特願2023-554383
【広報活動等】
 ・学会・フォーラムでの実績発表-厚労省老健局の効果検証成果をはじめ、厚労省主催の介護フォーラム等で研究成果を発表し、現場での運用実績を広くアピールしている。また、肺炎重度化防止の実績や医療=介護連携の遠隔カンファレンス効果をエビデンスとして提示し、再現性を強調している。
 ・全国的な普及活動-全国の「生産性向上総合相談センター」と連携し、全都道府県での普及を推進している。福岡県や北九州市などでは実機展示を行い、業務削減の成功事例を紹介しながら導入を支援している。
 ・研究会・セミナーでの周知-「全国LIFE研究会」においてAI・ICT活用事例を紹介し、厚労省担当者や介護事業者によるセミナーを開催している。優良事例を共有し、成果を上げるポイントを客観的に伝えることで販売促進につなげている。
 ・展示会・メディア露出-国際介護福祉機器展など全国規模の展示会へ出展し、専門誌「日経ヘルスケア」にも掲載されている。また、九州・関西・関東の有力施設をモニター施設として位置づけ、視察対応を通じた普及を図っている。

令和6年佐世保市労働福祉センターでの発表時の写真
研究開発成果の利用シーン

【科学的介護の推進現場】
  本システムは、従来の「お世話介護」から自立支援・重度化防止を評価する「科学的介護」へ移行する流れの中で活用される。現場運用によりPDCAが自然に回り、ADL維持・改善や業務省力化を実現する介護DXとして機能する。
【公的機関での評価と普及】
 厚労省老健局が導入施設を視察し高評価を得ており、介護ロボット等による生産性向上事業や厚労省主催フォーラム、大阪・関西万博展示機器に選出されている。これにより、行政主導の普及や標準化の場で広く活用される。
【介護事業所での実装】
 特養・老健を中心に、義務化される生産性向上委員会や科学的介護・LIFEの取り組みにおいて導入され、属人的対応が困難な施設でもアウトカムを出す仕組みとして利用される。AIによるエビデンス提示とAPI連携により、既存介護ソフトと統合して普及が期待される。

安診ネット導入前後の運用の変化

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

 本システムは、従来の「お世話介護」から自立支援・重度化防止を重視する「科学的介護」への移行を背景に事業化が進んでいる。厚労省老健局による高評価を受け、効果測定事業への採択や生産性向上フォーラムでの展示、大阪・関西万博での展示機器選出に至り、公的認知を得ている。
 ADL維持・改善アルゴリズムは特許化され、利用施設データを継続収集し精度向上を図る。今後は生産性向上ガイドラインに基づく委員会や科学的介護の標準化の場で普及を進め、API化により介護ソフトとの連携を拡大し、全国的な市場展開を目指すものである。

EXPO2025大阪・関西万博
提携可能な製品・サービス内容

介護施設向けAI・クラウド業務支援サービス

製品・サービスのPRポイント

【科学的にADLが改善する介護DX】
介護施設では科学的介護の推進によりLIFEデータが整備されたものの、その情報がケアプランやリハビリ計画に十分活用されていなかった。開発した「ADL改善AI」は、LIFEデータから利用者特性を分析し、記録画面に最適なアドバイスを表示することで、誰でも質の高い計画を作成できるようにした。これにより施設間・職員間のばらつきを超え、科学的根拠に基づくADL維持・改善が可能となった。また研究から、ADL低下の主因が「状態悪化によるリハビリ中断」や「入院後の寝たきり」であると判明したため、バイタルの変化を検知する「バイタルスコアリングAI」と組み合わせ、より高精度な自立支援・重度化防止を実現した。安診ネットはこれらの成果により、介護ICTとして唯一、2025年大阪・関西万博の厚労省ブースに採択されている。
【知財による独自性確保】
ADL維持・改善のAIアルゴリズムは特許化され(特許第7418072号)、継続的なデータ収集により精度向上とノウハウ蓄積を進めており、独自性と信頼性を確保している。
【標準化と普及促進】
生産性向上ガイドラインや科学的介護の枠組みに沿って普及を推進し、セミナーや教育動画を通じて成果の出る運用ノウハウを提供している。さらにAPI連携により既存の介護ソフトと統合し、全国的な導入拡大が期待される。

検証施設での別検証の重度化防止の実績
今後の実用化・事業化の見通し

 「安診ネット」は厚労省老健局から高い評価を受け、効果測定事業や介護フォーラム展示、2025年大阪・関西万博への出展に採択されるなど、公的に認知されている。ADL維持・改善アルゴリズムは特許化され、利用施設からのデータ収集を通じて精度向上が図られている。
 今後は、生産性向上ガイドラインや科学的介護の標準化の場で普及を進め、教育動画やセミナーを通じて運用ノウハウを提供する。また、API化による介護ソフトとの連携により、全国的な導入拡大と市場浸透が期待される。

実用化・事業化にあたっての課題

【成功事例の不足とノウハウ共有の課題】
 全国的にADL維持・改善やICTを活用した生産性向上の成功例は少なく、医療やリハビリのノウハウ不足が大きな課題である。システム運用に関する知見共有も乏しく、再現性確保が難しい状況にある。
【情報発信と検証体制の不足】
 医療分野と比較して、学会や情報誌といった発信の場が少なく、科学的な検証・分析も不足している。そのため、実際に成果を出す仕組みが十分に示されず、多くの事業所が取り組みに消極的となっている。
【LIFEデータ活用の課題】
 介護事業所の多くはLIFEデータの提出に留まり、データに欠損も多く、アウトカムにつながる運用が進んでいない。さらに「入力方法が分からない」から「PDCAの回し方が分からない」という課題に移行しており、運用方法の理解と実践が不十分である。

事業化に向けた提携や連携の希望

 重度化防止のエビデンスを持つ「AI健康管理システム」は高く評価され、既に介護ソフト最大手にAPI(Application Program Interface)提供している。同様に本「自立支援AI」もAPI化することで、『科学的介護・LIFE』への変革を機に、介護業界に広く普及させたいと考えている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 芙蓉開発株式会社 安診ネット事業部
事業管理機関 公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 産業技術イノベーション部 研究開発支援グループ
研究等実施機関 国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 教授 青栁 潔
アドバイザー 医療法人芙蓉会
全国LIFE研究会

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 芙蓉開発株式会社(法人番号:4290001019783)
事業内容 ICT健康管理システム開発販売、不動産賃貸業
社員数 11 名
本社所在地 〒812-0015 福岡県福岡市博多区山王1-10-29
ホームページ https://www.fuyo-group.com/
連絡先窓口 経理総務部 田代
メールアドレス keiri@fuyo-group.com
電話番号 092-471-8585