バイオ
自家骨髄間葉系幹細胞製品の実用化に向けて、製造コスト削減と高品質の両立を目指す
北海道
株式会社RAINBOW
2025年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 脳梗塞に対する再生医療等製品の実用化に向けた自動細胞培養による新規製法の確立及び周辺技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 自動培養、非凍結輸送、細胞濃縮、自家幹細胞 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本プロジェクトでは、脳梗塞に対する再生医療等製品として、自家幹細胞を使用した再生治療を開発している。特に、自動細胞培養装置を用いた新規製法の確立を目指し、低コストで大量生産可能な製品の実現を目指している。この幹細胞製品「HUNS001」は、患者自身の幹細胞を使用しており、従来の治療法よりも高い安全性と有効性が期待される。また、製造過程での自動化によるコスト削減により、治療の普及を促進し、脳梗塞患者に対する治療の選択肢を広げることが目標である。
開発した技術のポイント
・自動細胞培養装置の選定: テルモBCT社のQuantum細胞増殖システムを採用し、最適な装置を選定。
・細胞外マトリックスの最適化: 細胞接着を促進する材料の最適濃度を確立。
・幹細胞液投与法: 非開放系で幹細胞を効率的に投与する方法を確立。
・剥離酵素の最適化: 低コストかつ効率的に幹細胞を剥離する方法を確立
・非凍結での細胞輸送法: 振動や温度変化に強い輸送方法を開発。
具体的な成果
このプロジェクトの最終目標は、「幹細胞薬を用いて治療法のない患者に新たな治療法を提供すること」です。そのためには「臨床研究」を行う必要があり、その準備として「幹細胞製造の低コスト化」と「PMDA相談」を実施しました。多くのサブプロジェクトは100%の達成率を達成し、特に細胞培養制御方法においては予定外の重要な発見があり、知的財産の出願も可能となりました。一方で、他社との協業が必要なソフトウェア開発、PMDA相談もデータ収集に時間がかかりましたが、2024年度中に臨床研究を開始できる見通しが立ちました(2024年12月1日開始予定)。
知財出願や広報活動等の状況
本プロジェクトでは、次の3件の知財出願を行った。
・幹細胞培養制御方法 特願2023-11235 →査定中
・血小板製造法 特願2020-130744 →特許成立(7137883)
・幹細胞輸送剤 特願2021-126706 →特許成立(7333121)
研究開発成果の利用シーン
脳梗塞後遺症に対する世界で初めての治療法として、HUNS001は病院での臨床研究や治療に利用される事が期待される。また、幹細胞の低コスト製造技術は、他の再生医療分野でも応用可能であり、脳梗塞以外の神経疾患や脊髄損傷などの治療にも期待が持てる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現時点で、脳梗塞に対する幹細胞治療製品「HUNS001」の実用化に向けた第2相治験が2024年度中に治験開始が予定されている。また、関連する知財出願が進行しており、製品の上市に向けた準備が着実に進められている。今後は、多施設共同での臨床試験を実施し、2030年度までに薬事承認を取得する計画である。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
「HUNS001」は、脳梗塞患者に対する再生医療製品であり、患者自身の幹細胞を用いるため、長期的な治療効果が期待できる。また、自動細胞培養技術の導入により、低コストかつ高品質な製品の提供が可能となった。脳内への直接投与を行うため、他の治療法と比較して高い有効性が見込まれ、幹細胞治療の新しい選択肢として注目されている。
今後の実用化・事業化の見通し
今後、2024年度に開始予定の第2相治験を経て、2030年度には「HUNS001」の薬事承認を取得する見込みである。また、他の神経疾患(脳出血、脊髄損傷など)にも適用できる可能性があり、今後の事業展開が期待される。治療のニーズが高い分野であるため、市場規模も大きく、今後の拡大が見込まれる。
実用化・事業化にあたっての課題
幹細胞製品の事業化における課題として、製造コストの削減と薬事承認プロセスの進行が挙げられる。また、幹細胞の長期保存や輸送技術のさらなる改善が必要である。さらに、臨床試験における症例数の確保や、患者データの収集・分析も重要な課題として取り組む必要がある。
事業化に向けた提携や連携の希望
薬事承認後の国内での販売パートナー、海外での研究開発パートナー及び製造・販売の提携先を模索中。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社RAINBOW |
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事業管理機関 | 国立大学法人北海道大学 医学研究院 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 脳神経外科 研究室 |
アドバイザー | テルモBCT株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社RAINBOW(法人番号:1430001079675) |
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事業内容 | 製薬事業(再生医療等製品) |
社員数 | 2 名 |
本社所在地 | 〒001-0021 北海道札幌市北区北21条西11丁目北海道大学フード&メディカルイノベーション国際拠点1階HX内 |
ホームページ | https://rainbowinc.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社RAINBOW ⾼橋悠⼀ |
メールアドレス | t-yuichi@rainbowinc.co.jp |
電話番号 | 050-3629-1875 |
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