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材料製造プロセス

マテリアルズ・インフォマティクス解析を用いたCNF成形体作成手法の刷新と、低コスト・高品質なCNF中間素材作成の最適化

徳島県

株式会社山本鉄工所

2026年2月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 マテリアルズ・インフォマティクス解析によるセルロースナノファイバー中間素材作成の最適化
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮
キーワード CNF100%、脱炭素、サステナブル、ガスバリア性、水蒸気透過性
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

CNF成形体の物性(密度、含水率、引張強度、曲げ強度など)に影響を与えるCNF原料の性状、脱水条件、乾燥条件という諸条件に対して、MI解析によるCNF成形体作成の最適化予測を行い、低コストでのCNF成形体作成の標準化(CNF物性に合わせたCNF原料調整とCNF成形体の開発)を実現する。

1.MI解析によるCNF成形体作成の最適化
[1-1] 最適CNF原料の性状・脱水条件・乾燥条件・CNF成形体の物性探索
[1-2] CNF成形体作成の最適化のためのMI解析
2. CNF成形体作成の標準化
[2-1] 大判化を含めたCNF成形体の作成
[2-2] 多様な厚さに対応したCNF成形体の作成 を実施した。

開発した技術のポイント

1.MI解析によるCNF成形体作成の最適化
[1-1] 最適CNF原料の性状・脱水条件・乾燥条件・CNF成形体の物性探索
・CNF成形体の物性(各種物理的な特性)を全47パターンの測定、データ化を行い、MI解析に供せるまで集積した。
・製造工程(脱水・成形・乾燥)の時間を30分程度に短縮することができた。
[1-2] CNF成形体作成の最適化のためのMI解析
・CNF成形体の強度や柔軟性などのニーズに適した密度のCNF成形体の作成条件を得ることができ、自由設計による作成が可能となった。
2. CNF成形体作成の標準化
[2-1] 大判化を含めたCNF成形体の作成
・高いCNF配合率(100%)と大判サイズ(川下製造業者との協議により、50cm×50cm)の作成に成功した。
[2-2] 多様な厚さに対応したCNF成形体の作成 
・真空ポンプを導入するなどの新工程(工法)で積層した場合で厚さ1mm以上、エポキシ樹脂による多層化した場合で10mm以上の厚さの成形体の作成ができた。

具体的な成果

本研究開発では、CNF成形体の普及を阻害していた時間・コスト・物性の課題を解決する革新的技術を確立した。
第一に、CNF原料投入から中間素材成形までを30分程度で完了できる装置・手法を開発し、従来10時間以上かかっていた工程を1/20に短縮し、コスト削減を可能にした。第二に、MI解析を活用した物性予測・最適化システムを構築し、川下企業のニーズに応じて最適条件を提示し、従来不可能だった自由設計によるCNF成形体開発を実現した。第三に、CNF100%でありながら高靭性、優れた酸素・水素バリア性、水蒸気透過性を併せ持つ大判成形体(50cm×50cm)を創出し、割れや衝撃脆弱性といった従来の課題を克服した。さらに、多層化による板材化・構造体化技術を確立し、人工衛星筐体試作など実用化の可能性を示した。これらにより、CNFの用途拡大と新市場創出に大きく貢献することが期待される。

知財出願や広報活動等の状況

特許出願1件(セルロース成形体及びその製造方法;WO2025/083791 A1)を実施している。
国際ナノテクノロジー展、サステナブルマテリアル展、国際航空宇宙展などに出展し、技術訴求を実施した。これらの出展活動により、展示会後、多様な産業分野の企業と秘密保持契約(NDA)を締結し、共同での商品化検討を進行中である。対象分野はスポーツギア、建材、スピーカー振動板、宇宙・モビリティ・自動車部品、電子基板やガスバリア素材など多岐にわたる。

研究開発成果の利用シーン

本研究開発の成果は多様な産業分野で活用可能である。さらに、MI解析による最適化システムは顧客の求める物性に応じた成形条件を提示し、建材、自動車部品、電子基板など用途特化型の素材開発を可能にする。
強靭で酸素・水素バリア性や水蒸気透過性に優れるCNF100%成形体は、従来困難であった軽量かつ安全性の高い部材として、スピーカー振動板やスポーツギア、モビリティ材料など多方面での利用が期待される。
多層化による板材化や構造体化技術は、軽量・高強度が求められる先端分野においても注目を集めており、宇宙・航空関連用途などへの展開が見込まれる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

CNF中間素材製造装置により成形時間を従来比1/20(30分程度)に短縮した。また、MI解析による最適化システムで顧客要件に合わせた物性設計が可能となり、応用分野拡大の基盤が整いつつある。展示会出展を通じ複数社とNDAの下で商品化検討を進展中である。数年以内の事業化を見込む。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

従来10時間以上を要したCNF成形体の製造を30分程度で可能にするCNF中間素材製造装置・手法を開発した。成形時間を1/20に短縮することでコスト削減を実現し、普及の大きな障壁を解消する技術である。
MI解析を活用し、原料特性から成形条件までを予測する最適化システムを開発した。これにより、顧客が求める物性に近づけた中間素材を効率的に提供でき、幅広い応用分野への展開が可能となる。
CNF100%でありながら曲げられるほどの靭性を持ち、酸素・水素バリア性や水蒸気透過性にも優れる成形体を実現した。従来の脆弱さを克服し、これまで困難であった分野への応用が期待される。
多層化による板材化や構造体化が可能であり、人工衛星筐体の試作展示で高い評価を得た。軽量かつ強靭でガスバリア性や電波透過性を備えた自然素材として注目を集めている。

今後の実用化・事業化の見通し

CNF中間素材製造装置・手法は成形時間を1/20(30分程度)に短縮し、コスト障壁を低減できるため、実用化が見込まれる。MI解析に基づく最適化システムにより、川下ニーズに合わせた物性設計が可能となり、応用分野拡大に資する。
CNF100%成形体は石油系樹脂を凌駕する物性を示し、他の混錬素材と差別化が可能である。複数企業との商品化検討が進展しており、数年以内の事業化を見込む。

実用化・事業化にあたっての課題

事業化に向けてはさらなるコスト低減が、課題である。
展示会出展により多様な分野から関心を集め、共同での商品化検討を進行中であるが、川下企業ごとに異なるニーズに応じた特性設計や実用化検証を進める必要がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社山本鉄工所 本社
事業管理機関 一般財団法人四国産業・技術振興センター 産業振興部
研究等実施機関 カミ商事株式会社 開発企画部 部長代理 柏田祥策
徳島県立工業技術センター 生活科学担当 課長 住友将洋
アドバイザー 四国CNFプラットフォーム

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社山本鉄工所(法人番号:2480001003530)
事業内容 各種油圧プレス機、自動省力化機器、廃棄物処理プラントの設計・製造・販売
社員数 150 名
生産拠点 本社工場(徳島県小松島市)、阿南工場(徳島県阿南市)
本社所在地 〒773-0007 徳島県小松島市金磯町8-90
ホームページ https://www.yama-eng.jp/
連絡先窓口 株式会社 山本鉄工所 専務取締役 宮本 宣孝
メールアドレス miyamoto@yg.byf.co.jp
電話番号 0885-32-1766