文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. リサイクルプラスチックの衝撃強度を簡便かつ安価に大幅に向上させる。

材料製造プロセス

リサイクルプラスチックの衝撃強度を簡便かつ安価に大幅に向上させる。

群馬県

株式会社明輪

2026年2月9日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 竹由来セルロースナノファイバーを用いる物性向上マトリョーシカ・プラスチックリサイクルシステムの構築
基盤技術分野 材料製造プロセス
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車、ロボット、農業、スマート家電、建築物・構造物、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(耐衝撃性強化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(消費エネルギー削減)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード リサイクルプラスチック、耐衝撃性強化、エネルギー削減、二酸化炭素排出抑制、成形性向上
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本事業では、竹由来セルロースナノファイバーを用いてリサイクルプラスチックの物性向上(特に耐衝撃性)を図った。種々の形態や成分を有するリサイクルプラスチックを原料とし、極めて少ない量の両親媒性セルロースナノファイバーをリサイクルプラスチックに被覆吸着することが肝要であった。この原料からなる製品の衝撃強度は、大幅に向上し、最大で150%の耐衝撃性を達成した。この技術は、既存の装置に簡便に組み込むことが可能である。また、使用するセルロースナノファイバーは極微少量であるため、低コストで実現できる。これは、リサイクルを繰り返すごとにさらなる衝撃強度向上が期待される革新的なリサイクルシステムである。

開発した技術のポイント

・リサイクルプラスチックのミキサー処理による微細化およびCNF吸着処理の同時複合法
‐リサイクルプラスチック破砕品をCNF分散水に入れ、ミキサー処理により比表面積を増加させつつCNFを吸着
‐CNFは重量比で0.02wt%導入され、最大50%の耐衝撃性向上を実現

・リサイクルプラスチックへのスプレー処理によるCNF吸着法
‐0.01wt%のCNF分散水を噴霧し、水滴内のCNFを吸着させる省スペース手法
‐ペレット形態やフレーク形態の種々の形態のリサイクルプラスチックへ適用可能で、既存ペレタイザー装置への設置が容易
‐生産速度1トン/1時間に対応し、耐衝撃性を約10%以上向上

・どちらの手法も普遍的にリサイクルプラスチックに適用可能

具体的な成果

・耐衝撃性向上: どのようなリサイクルプラスチックでも10%以上向上し、最大50%の向上を達成
・メルトフローレート向上: CNF被覆により約90%向上し、射出成型効率が大幅に改善
・成形温度低減: 170℃という低温での成形が可能となり、大幅なエネルギー削減を実現
・実機テスト成形: 皿立て、転写板、植木鉢、パレット(20kg)の4種類の製品をテスト成形し、いずれも成形不具合なし
・複数回リサイクル効果: リサイクルを繰り返すごとに約5%の耐衝撃性向上を確認、複数回リサイクルしたリサイクルプラスチックにも適応可能
・大型装置開発: 大量調製システムを構築し、事業化レベルの生産体制を確立

知財出願や広報活動等の状況

CNF被覆技術に関する特許を2件申請した。ミキサー法(特許申請番号:2024-218334)とスプレー法(特許申請番号:2024-218335)について、それぞれの装置開発成果を踏まえて権利化を図った。また、CNFによるリサイクルプラスチックの耐衝撃性、引張弾性率、最大点応力の向上並びにメルトフローレートの増加は、産業界のみならず学術研究においてもインパクトの大きい成果として位置づけられる。今後は装置開発に係る追加の権利化を検討し、技術の向上メカニズムについて網羅的に検討を進め、学術成果としても世界に発信していく予定である。

研究開発成果の利用シーン

・容器包装リサイクルプラスチック: 家庭から回収される容器包装プラスチックの高付加価値化
・産業廃棄物プラスチック: 製造業から発生する廃プラスチックのアップサイクル
・パレット製造業: 物流業界で大量使用されるプラスチックパレットの高強度化とリサイクル
・日用品製造業: 皿立て等の日常製品における耐久性向上
・自動車部品: 軽量かつ高強度が求められる部品への応用
・建材分野: 屋外使用される建材の耐候性・耐衝撃性向上
・包装材産業: 輸送時の破損防止が重要な包装材の強化
・農業資材: プランター等の屋外使用農業資材の長寿命化

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

令和6年度に事業化を見据えた実証テストを実施している。CNF被覆リサイクルプラスチック生産装置の試作機を製作し、大量調製システムを構築した。アドバイザーである有明興業マテリアルズの協力の下、実機大型射出成形によりJISパレット(約20kg)の成形に成功し、成形性や充填率において全て問題なく成形できた。このパレットは従来品と比較して約1.5倍の耐衝撃性を有する。現在アニーリング期間を置いた後の実証テストを準備中であり、レンタルパレット市場への参入を目指している。パレット標準化推進により2030年までにレンタルパレット数を5,000万枚以上に増加させる政府目標にも対応可能である。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・画期的なアップサイクル技術: リサイクルを繰り返すごとに強度が向上するマトリョーシカ・リサイクルシステム
・少量添加で大幅性能向上: CNF添加量は数十ppm量レベルでありながら最大50%の耐衝撃性向上を実現
・大幅な省エネ効果: 成形温度を従来の200℃程度から170℃に低減し、エネルギー削減と二酸化炭素排出量削減に貢献
・汎用性の高さ: どのようなリサイクルプラスチックでも10%以上の耐衝撃性向上を保証
・既存設備への導入容易: 既存のペレタイザー装置やミキサーへの追加設置が可能で初期投資を抑制
・高い成形性: メルトフローレート向上により射出成型効率が大幅に改善

今後の実用化・事業化の見通し

令和7年度以降、実証テスト結果を踏まえて本格的な事業展開を開始する。まず物流業界におけるプラスチックパレットのリサイクル・製造事業から着手し、2030年までのレンタルパレット5,000万枚増加目標に対応する。並行して容器包装リサイクルプラスチックや産業廃棄物プラスチックへの適用拡大を図る。CNF被覆装置の設計・ノウハウ貸与事業と、CNF被覆新規コンパウンドの販売事業を両軸として展開する。国内のプラスチックリサイクル市場における技術的なブレークスルーとして、循環経済の実現に大きく貢献することが期待される。技術の普及により廃プラスチックの高付加価値化を促進し、新たな再生プラスチックブランドを確立する。

実用化・事業化にあたっての課題

・大型装置のさらなるスケールアップ: 工業レベルでの連続生産システムの構築
・多様なリサイクルプラスチック成分への対応: PP以外の成分や不純物が多い場合の処理技術改良
・乾燥工程の効率化: 含水状態からの効率的な乾燥方法とエネルギー削減の両立
・コスト競争力の確保: CNF調達コストの削減と装置導入コストの回収期間短縮
・品質管理システム: 連続生産における品質監視・制御システムの構築
・市場への技術普及: 既存リサイクル業者への技術移転と導入支援体制の整備

事業化に向けた提携や連携の希望

容器包装リサイクル材・廃プラスチックを有効利用すべく研究開発を行っており、EUのELV規制への対応技術(耐衝撃性基準をクリアー)など、様々な用途開発を行っていきたいと考えております。本技術にご興味のある方はご連絡を頂けましたら幸いです。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社明輪
事業管理機関 株式会社明輪
研究等実施機関 株式会社明輪
独立行政法人高等専門学校機構 有明工業高等専門学校
アドバイザー 日本資源再生事業振興協同組合
有明興業株式会社
有明興業マテリアルズ株式会社
中越パルプ工業株式会社
富士興業株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社明輪(法人番号:1070001017960)
事業内容 産業廃棄物収集運搬・処分業
社員数 25 名
本社所在地 〒379-1116 群馬県渋川市赤城町持柏木981
連絡先窓口 株式会社 明輪 北川 和生
メールアドレス kitagawa@meirin-r.co.jp
電話番号 0279-56-5638