バイオ
子宮内膜症の痛み軽減と生活改善を目指す在宅型交番磁界医療機器の開発
熊本県
株式会社P・マインド
2026年2月9日更新
プロジェクトの基本情報
| プロジェクト名 | 子宮内膜症関連疼痛の治療および子宮内膜症の病態改善を目的とした世界初の在宅用超低侵襲医療機器の開発 |
|---|---|
| 基盤技術分野 | バイオ |
| 対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
| 産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、デザイン性・意匠性の向上 |
| キーワード | 交番磁界,在宅,疼痛緩和,超低侵襲 |
| 事業化状況 | 研究実施中 |
| 事業実施年度 | 令和4年度~令和6年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
子宮内膜症関連疼痛の治療および子宮内膜症の病態改善を目的とした世界初の在宅用超低侵襲医療機器の開発を行った。主要な研究目標として、既存品AT-04による多施設共同前向き無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験の実施、ユーザビリティ課題を解決する子宮内膜症患者向け小型専用機のプロトタイプデザイン案の作成、EMC規格IEC 60601-1-2第4版への対応機器の開発を実施した。研究期間は令和4年度から令和6年度までの3年間で、株式会社P・マインド、千葉大学、鳥取大学等が連携して研究開発を進めた。
開発した技術のポイント
・交番磁界治療器AT-04による子宮内膜症疼痛治療効果の確立
・小型専用機のプロトタイプデザイン
・製品本体が手のひらサイズ以下を目指し206×90×41mmを実現
・直感的な操作が可能な必要最低限のボタンと図記号による表示
・EMC規格対応技術
・パッドケーブルの耐久性向上と既存ケーブル比数十倍の耐久性実現
具体的な成果
臨床研究では実機群がシャム機群に比較して有意な疼痛の改善を示した。安全性については、重篤な有害事象は認められず、主な症状は皮膚のかぶれであった。
小型専用機プロトタイプデザインは2種類を最終候補とし採用し、うち1種類についてモックアップを作製した。
デザインについては医師3名から追加の要求仕様につながる内容がフィードバックされた。
EMC規格対応では、熊本県産業技術センターでの測定において、EMI規格の基準値40-47dBμV/mを超えない結果を達成した。対策検討の中で試作したパッドケーブルは従来品より数十倍の耐久性向上が見込まれるデータが取得できた。
研究開発成果の利用シーン
子宮内膜症による疼痛に悩む女性患者が、自宅において日常的に使用できる在宅用超低侵襲医療機器として活用される。交番磁界治療器は皮膚にパッドを貼付するだけの非侵襲的な治療法で、患者のQOL向上に寄与する。小型専用機は持ち運びが容易で、いつでもどこでも使用可能な利便性を提供する。医療機関では、従来の薬物療法や外科的治療に加えて、副作用の少ない新たな治療選択肢として位置づけられる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
株式会社P・マインドは、既存品AT-04について2022年1月20日にPMDAの医療機器承認を取得し、疼痛緩和用医療機器として国内での販売活動を継続している。医療機関での臨床利用に加え、在宅利用を含む市場展開を進めており、販売・保守・品質管理を含む事業運営体制が既に整備されている。
本研究で開発した子宮内膜症患者向け小型専用機については、2種類のデザイン案が完成しており、現在、機構設計・安全性検証・ユーザビリティ評価を踏まえた最終デザインの選定プロセスに入っている。今後は設計最適化と量産仕様の検討を進め、事業化に向けた準備を加速させる計画である。
また、海外展開に向けた事業開発を2021年より継続しており、欧州・米国を中心とした規制要件の確認、競合製品を含む技術動向の調査、国際的な事業パートナー候補との協議を進めている。これらを踏まえ、国内外での事業化に向けた基盤は段階的に整備されつつある。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
既存品AT-04は、世界で初めて2 kHzと83.3 MHzの混合交番磁界を同時照射する独自技術を搭載した医療機器であり、極めて低侵襲な治療法として位置付けられる。照射強度は地磁気以下のレベルに制御されており、これまでの臨床研究において重篤な有害事象は認められていないことから、安全性と使用継続性の高さが大きな特徴である。
本事業により開発した子宮内膜症向け小型専用機では、従来品で課題となっていたケーブルの取り回しを解消した。これにより、治療時の身体負担や可動制限が大幅に減少し、在宅使用におけるユーザビリティが飛躍的に向上した。
さらに、EMC規格を含む医療機器の国際規格に適合した設計により、信頼性と国際展開に耐えうる製品基盤が確立されている。
今後の実用化・事業化の見通し
本事業で実施した子宮内膜症患者を対象とする臨床研究の結果を基盤として、既存品AT-04の治療効果に関するデータ解析を継続している。主要評価項目に加えて、副次的評価項目や子宮内膜症に特異的な臨床症状についても解析範囲を広げ、適応拡大に向けた臨床的意義を整理していく予定である。
また、子宮内膜症向けAT-04の機器開発については、採用したデザインに基づき機構設計・修正・検証を反復的に実施している。さらに、充電池および充電回路の設計、パッド制御機能の開発を進め、在宅使用を見据えた利便性向上と運用性の確保を図っている。
海外展開においては、欧州CEマークや米国FDA認証取得に向け、各国規制に準拠した試験データの整備と要件確認を進めている。今後、国内外での適応拡大と事業化に向けた体制強化を段階的に進める見通しである。
実用化・事業化にあたっての課題
子宮内膜症向け機器の実用化にあたっては、まず充電池の採用と充電回路の設計に関する安全性検証が重要な課題となる。特に、発熱・過電流保護・長期使用時の信頼性等について、医療機器として求められる基準に適合させる必要がある。また、治療用プログラムの変更が生じる場合には、規制当局による審査が必要となる可能性があり、プログラム変更後における治療効果の一貫性を示すデータの蓄積が課題となる。特に、適応疾患が子宮内膜症であることを踏まえ、非臨床および臨床双方での整合性確保が重要である。
EMC対策を目的とした新プログラムの検証では、ICSモデルマウスによる疼痛改善効果の評価が、研究期間の制約により十分な結果に至らなかった点も課題として残る。今後は検証期間と試験設計を再構築し、データの安定性と再現性を高める必要がある。
事業化に向けた提携や連携の希望
本事業の臨床研究において一定の有効性が確認されつつあり、今後は適用範囲の拡大に向けて症例数を増やした追加臨床研究の実施を検討している。そのため、大学病院をはじめとする医療機関および研究機関との共同研究体制の構築を希望している。
特に、子宮内膜症の臨床的多様性を踏まえ、より幅広い患者背景を対象とした多施設でのデータ収集が重要であり、これらの取り組みを通じて、有効性および安全性に関するエビデンスの強化を図りたいと考えている。
また、非臨床評価やプログラム検証に関しても、専門研究機関との協働による試験設計の高度化を求めている。こうした連携により、実用化・事業化に必要な科学的根拠を段階的に確立していく計画である。
プロジェクトの実施体制
| 主たる研究等実施機関 | 株式会社P・マインド |
|---|---|
| 事業管理機関 | 株式会社P・マインド |
| 研究等実施機関 | 株式会社P・マインド 国立大学法人千葉大学 国立大学法人鳥取大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
| 企業名 | 株式会社P・マインド(法人番号:3330001016950) |
|---|---|
| 事業内容 | 治療技術の研究開発、医療機器の製造販売 |
| 社員数 | 15 名 |
| 本社所在地 | 〒861-5525 熊本県熊本市北区徳王2-8-6 |
| ホームページ | https://p-mind.co.jp/ |
| 連絡先窓口 | 株式会社P・マインド 薬事・品質保証部 久保田一馬 |
| メールアドレス | kubota.kazuma@p-mind.co.jp |
| 電話番号 | 096-352-9600 |
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