精密加工
海中生物付着防止を目的とした微細形状付き樹脂パネル搭載の浮体構造を有する水中ソーラ発電システムの開発
神奈川県
株式会社長津製作所
2025年1月22日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高発電効率と汚れ防止機能を有する海中設置型高機能ソーラパネルの研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、建築物・構造物、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮 |
キーワード | 水中ソーラ発電、インデンテーション用ダイヤモンド工具、厚膜無電解Ni-Pめっき、超音波援用インデンテーションシステム、圧縮成形用金型 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
海中設置型の高効率ソーラパネルの開発を目指し、水中発電に適したソーラパネルや汚れ防止テクスチャリング加工技術の研究を行った。神奈川大学や中部大学などが共同で、ソーラパネルの発電性能評価や汚れ防止技術の開発を進め、海中での高効率発電を実現するためのプロトタイプを製作した。水中に設置することで、地上よりも高い発電効率が確認され、フジツボの付着を防ぐテクスチャパターンも有効であることが証明された。
開発した技術のポイント
・水中発電に適したソーラパネルの評価
‐ 海中設置での発電効率向上を確認
・汚れ防止テクスチャ加工技術
‐ フジツボの付着を防ぐテクスチャ加工
・超音波振動援用インデンテーション技術
‐ ダイヤモンド工具による精密加工を実現
・アクリルに高精度でテクスチャパターンを転写
具体的な成果
・海中設置型ソーラパネルの試作と発電性能評価を実施
・フジツボの付着防止に成功した汚れ防止テクスチャ加工の効果を確認
・無電解ニッケルメッキ技術や超音波援用インデンテーション技術を用いて、金型加工に成功
・テクスチャ加工を施したアクリルパネルの高精度転写技術を確立
知財出願や広報活動等の状況
・2023/4/19 海洋産業研究・振興協会講演「海中ソーラ発電に関する研究」(著者 由井明紀)
・2023/8/28 砥粒加工学会学術講演会「水中ソーラ発電による性能評価―海中ソーラ発電の実現に向けてー」(著者 平尾蒼臣,鈴木浩文,由井明紀)
・2023/8/31 読売新聞「カーボンニュートラルポートの実現に向けて!」
・2023/9/1 日刊建設工業新聞「横浜市と神奈川大学/MM21地区で海中ソーラー発電、CNP実現に向け実証実験」
・2023/9/5 日本経済新聞「横浜臨海部で脱炭素実験」
・2023/11/15 米国精密工学会 Study on Micro-texture Grooving of Acrylic Plate for Submerged Solar Panel(著者 平尾蒼臣,鈴木浩文,由井明紀)
・2024/8/27 砥粒加工学会学術講演会「アクリル製海中ソーラパネルのテクスチャ加工に関する研究, 第2 報 テクスチャ深さのフジツボ付着抑制効果について」(著者 平尾蒼臣,鈴木浩文,松村清隆,滝田好宏,由井明紀)
・2024/10/5 ヨーロッパ精密工学会 Development of Submerged Solare Power Generation System- Effects of water temperature, turbidity, waves upon power generation efficiency(著者 由井明紀,平尾蒼臣,松村清隆,滝田好宏,鈴木浩文)
・2024/10/8 時代を刷新する会「海中ソーラ発電に関する研究」(著者 由井明紀)
研究開発成果の利用シーン
本研究開発成果は、海洋環境や厳しい気象条件で使用されるソーラ発電装置に適用できる。具体的には、海中や沿岸地域での発電所、風力発電所の補助電源としての利用が想定されている。また、汚れ防止技術は、産業機械や自動車分野でも活用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本プロジェクトで開発された技術は、実用化に向けたプロトタイプの段階である。水中設置型ソーラパネルの発電性能が評価され、フジツボの付着防止効果も確認されたが、事業化に向けたさらなる実証実験とコストダウンが課題である。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造
製品・サービスのPRポイント
・海中設置による高効率発電と、汚れ防止のテクスチャ加工を組み合わせたソーラパネル
・フジツボの付着を防止し、発電効率の低下を最小限に抑える
・高精度な加工技術により、耐久性と長寿命化を実現
今後の実用化・事業化の見通し
今後、海中ソーラパネルの実用化に向けた大規模な実証実験を実施予定である。また、発電効率をさらに高めるための技術改良が進行中であり、コスト削減にも取り組んでいる。事業化に向けた市場調査とパートナーシップの構築が重要である。
実用化・事業化にあたっての課題
・海中汚損生物(フジツボ以外)への対応
・テクスチャ付きアクリルパネルの大型化
・大量生産に向けた製造コストの削減
・海中設置時の耐久性およびメンテナンスコストの最適化
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社長津製作所 |
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事業管理機関 | 学校法人神奈川大学 研究推進部 産学官連携課 |
研究等実施機関 | 城南ダイヤモンド工業株式会社 株式会社ナクロ 学校法人神奈川大学 学校法人中部大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社長津製作所(法人番号:7010701007237) |
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事業内容 | プラスチック用精密金型の設計・製造およびプラスチック成形加工・塗装印刷・組立 |
社員数 | 69 名 |
生産拠点 | 本社工場(神奈川県)、新潟工場(新潟県)、海外生産拠点として、中国に東莞工場・無錫工場、フィリピンにフィリピン工場を保有 |
本社所在地 | 〒211-0012 神奈川県川崎市中原区中丸子57 |
ホームページ | https://nagatsu.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術開発部 上原純一 |
メールアドレス | uehara@nagatsu.co.jp |
電話番号 | 044-433-8371 |
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