表面処理
火災時に有毒ガスが発生せず、優れた耐候性と防汚性のある完全無機塗装金属パネルの開発
山形県
株式会社山形メタル
2025年2月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 不燃化とメンテナンスフリーを実現するアルカリシリケート完全無機塗装建築用金属パネルの開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 建築物・構造物 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、環境配慮 |
キーワード | 完全無機塗装、完全不燃、メンテナンスフリー、高耐久 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
大型建築物の内外装に使用される塗装金属パネルを、完全無機塗料を使用して製造する技術を開発。屋内用途では火災時に有毒ガスを発生せず、屋外用途では紫外線等による劣化がなく優れた耐候性と防汚性により、メンテナンスフリーの実現を目指す。
開発した技術のポイント
・塗料硬化条件の最適化、均一な硬化を実現するための塗料配合比を確立した
・塗料の配合比開発 ‐ 液だれや塗りむらを防ぐための配合比と安定した塗工性を開発
・塗装および硬化装置の開発 ‐ 大規模な金属パネルの量産に対応できる塗装および硬化装置を設計
具体的な成果
本プロジェクトでは、塗料の硬化プロセスと塗装技術の両方で大きな進展があった。硬化温度を高めることで塗膜の耐久性が向上し、さらに、液だれや塗りむらを防ぐための塗料配合比の開発にも成功した。また、製品評価のための耐候性や防汚性の試験基準も策定され、これに基づく製品サンプルが評価された。特に、白色をはじめ、今後のカラーバリエーション拡充に向けた研究も進行中である。
知財出願や広報活動等の状況
現時点で特許出願は行われていないが、研究の進行に伴い、今後、特許化の検討がされている。また、塗装プロセスに関しては、前処理から塗布、乾燥硬化に至るまでのノウハウが蓄積されており、これを活用したライセンス事業も視野に入れている。市場展開に向けて、エンドユーザーや販売代理店との連携も進めながら、新規顧客獲得に向けて展示会への出展も検討中である。
研究開発成果の利用シーン
本研究で開発された完全無機塗装金属パネルは、公共施設や駅舎、商業ビルなど、大規模な建築物の外壁や内壁において、メンテナンスフリーの材料として活用されることが期待されている。また、防汚性に優れた塗膜性能が評価されており、将来的には高耐久性が求められる橋梁や道路資材など、インフラ分野でも利用が見込まれる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、完全無機塗装金属パネルの量産試作が進行中であり、令和7年度までに実施工用のサンプルが出荷される予定である。エンドユーザーや施工業者と連携し、評価基準を基にしたフィードバックを受けながら製品の完成度を高めている。今後2年間の実使用試験を経て、少なくとも2つの建築物に採用される見込みであり、10年後には年間35,000㎡の使用が予測されている。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
本製品は、完全無機塗料を使用しているため、長期的なメンテナンスが不要であり、防汚性や耐久性に優れた性能を持つ。また、環境への負荷が低く、CO2排出削減にも貢献する。さらに、設計から板金加工、塗装まで一貫して製造を行っていることに加え、カラーバリエーションを増やすことで、建築物のデザイン性にも対応できる点が大きな強みである。
今後の実用化・事業化の見通し
今後、開発された製品は量産化が進み、公共施設や駅舎をはじめ、商業施設や住宅建設にも広がる見込みである。また、サンプル提供を通じた評価結果を元に、顧客ニーズに応じたさらなる改良が加えられる予定である。最終的には、国内外の建設市場で広く採用されることを目指している。
実用化・事業化にあたっての課題
現段階では、塗装プロセスの技術的な課題として、大面積パネルの塗装時に発生する局所的な塗膜の発泡や、塗料噴霧ノズルの目詰まりが確認されている。また、白色などのカラーバリエーションに対する要望もあり、これらの技術的課題を克服する必要がある。さらに、施工実績が普及の鍵となるため、信頼性の確保と顧客への認知活動が今後の重要なステップである。
事業化に向けた提携や連携の希望
量産試作金属パネルを建築物に施工し、連携して中長期的な評価に協力してくれる事業者や機関を希望する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社山形メタル |
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事業管理機関 | 公益財団法人やまがた産業支援機構 |
研究等実施機関 | 太洋塗料株式会社 山形県工業技術センター 国立大学法人山形大学 工学部 |
アドバイザー | 株式会社阿曽工務店 鉄道関連企業勤務 宇野弘之氏 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社山形メタル(法人番号:4390001008784) |
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事業内容 | 金属製品製造業 |
社員数 | 120 名 |
本社所在地 | 〒996-0053 山形県新庄市大字福田字福田山711番地17 |
ホームページ | https://www.y-metal.co.jp/company.html |
連絡先窓口 | 株式会社山形メタル 技術部 取締役部⾧ 今田弘昭 |
メールアドレス | h_konta@y-metal.co.jp |
電話番号 | 0233-28-0212 |
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