文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 独自の「発汗センサ」と「給水アラート」を搭載した小型デバイスを開発し、熱中症対策ソリューションを展開する

測定計測

独自の「発汗センサ」と「給水アラート」を搭載した小型デバイスを開発し、熱中症対策ソリューションを展開する

長野県

株式会社スキノス

2025年1月24日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 作業者の安全を守る発汗計測による熱中症アラートシステムの開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 医療・健康・介護、コンテンツビジネス、情報通信、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 発汗計測、熱中症対策、発汗センサ、モニタリング、給水アラート
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 令和3年度~令和5年度

プロジェクトの詳細

事業概要

独自の発汗センシング技術を応用し、作業現場での熱中症対策ソリューションの開発を目指している。研究開発の中心は、発汗センサの開発、給水アラートシステムの開発、システム化の3点である。発汗センサ開発では、MEMSマイクロヒータを用いた湿度計測を採用し、耐久性向上と省電力化を実現した。給水アラートシステム開発では、多数の発汗データを収集し、年代や汗のかきやすさ毎にクラス分けを行い、補正値を作成することで精度向上を図った。システム化では、Bluetoothゲートウェイを活用したクラウド連携システムを開発し、データ収集・分析を容易にした。

開発した技術のポイント

・発汗センサ
-MEMSマイクロヒータを用いた湿度計測により、従来のセンサよりも耐久性と応答性を向上させた
・給水アラート
-局所発汗量から全身発汗量を推定するアルゴリズムを構築し、個人差を考慮した給水タイミングを通知する
・システム化
-Bluetoothゲートウェイを活用した通信システムを開発し、クラウドへのデータ転送を可能にした

具体的な成果

・耐久性の高い発汗センサの開発
-MEMSマイクロヒータを用いた湿度計測を採用し、結露や塩分に強い耐久性の高いセンサを開発した
-長時間の連続動作でも測定精度が保たれることを確認した
・ 省電力化の実現
-ファンの制御方法を見直し、省電力化を実現した
-作業員の熱中症対策として実用的な動作時間を持つ発汗センサを開発した
・高精度な給水アラートの実現
-多数の発汗データを収集し、年齢や汗のかきやすさなどの個人差を考慮した補正値を作成した
-局所発汗量から全身発汗量を推定するアルゴリズムを構築し、給水アラートの精度を向上させた
・ クラウド連携システムの開発
-Bluetoothゲートウェイを活用したクラウド連携システムを開発し、データ収集・分析を容易にした
・実証試験による有効性確認
-大手ゼネコン等の協力を得て実際の建築現場で実証試験を実施し、デバイスの操作性、表示の視認性、給水アラートの有効性等について高い評価を得た

試作機外観
補正式を用いて算出した必要な給水量の推定値VS全身発汗量
知財出願や広報活動等の状況

・特許第6561421号
-小型発汗センサの構造について
・特願2021-561316
-信州大学医学部との共同研究により、局所発汗量の変化から血液濃縮が起こるタイミングを検知するアルゴリズム(以下、「給水アラート」という)を開発
・小型化、耐久性向上、解析システムなどに関して、3件の特許出願

研究開発成果の利用シーン

開発された技術は、建築業、農業、運輸業、観光業、スポーツ産業、金属加工業、製鉄業など、屋外や暑熱環境での作業を伴う様々な現場で活用できる。建設現場では作業員の熱中症リスクを低減し、工場では適切な休憩や水分補給を促す。農業や運輸業でも安全な作業環境の実現に貢献する。スポーツ分野では熱中症予防とパフォーマンス向上に役立つ。また、日常生活での健康管理にも応用可能である。Bluetoothゲートウェイを活用したクラウド連携により、現場状況のリアルタイム把握や収集データの分析が可能となり、作業員の安全確保、生産性の維持、健康管理に貢献することが期待される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

2024年に熱中症対策システムのプレ販売を開始した。事業化に向けた具体的な取り組みは以下の通りである。
・製品化
- 耐久性向上のための構造設計改良と、既存ベンチャー企業との連携によるシステム開発を進めている
・ 量産体制
-発汗センサの精度を担保する製造工程の構築に取り組んでおり、2023年夏の試作品を用いて生産工程の妥当性を検証中である
・販路開拓:
-現在は大きなPRはしていないが、多くの引き合いがあり、今後、顧客に対して、デモ機の貸し出し等を実施し、取り込みを行う。
・販売戦略
-2024年度は有償サンプル出荷によるテストマーケティングを行い、2025年からの正式販売開始を予定している
・事業化体制
-電力分野と土木・建設分野に注力し、関係企業と連携して熱中症リスク管理ソリューションの販売を進めていく

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・独自技術の発汗センサによる高精度な熱中症リスク管理
-株式会社スキノス独自開発の発汗センサを用いることで、汗をかき始めた段階からリアルタイムに発汗量を計測できる。これにより、脱水症状に至る前の段階で熱中症リスクを早期に察知し、適切なタイミングで水分補給を促すことが可能となる。
・作業現場のニーズに合わせたクラウド連携システム:
-Bluetoothゲートウェイを活用したクラウド連携システムにより、現場状況のリアルタイム把握と的確な熱中症対策が可能となる。収集したデータは熱中症リスクの分析や予防対策、作業環境の改善など様々な用途に活用できる。
・ 様々な現場への導入実績
-大手ゼネコンや発電所等での実証試験を通じ、デバイスの操作性、表示の視認性、給水アラートの有効性等について高い評価を得ている。現場管理者からも高評価を得ており、本格導入に向けた検討が進められている。

今後の実用化・事業化の見通し

・2024年度: 有償サンプルの出荷、テストマーケティング、システム評価
・2025年度: 正式販売開始
・建設現場、電力会社等を中心に販売展開
・技術提案型の工事発注への活用を検討

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社スキノス
事業管理機関 株式会社信州TLO
研究等実施機関 株式会社 西澤電機計器製作所
国立大学法人信州大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社スキノス(法人番号:2100001030232)
事業内容 1. 換気カプセル型発汗計を中心とした生体計測機器・研究機器の開発 2. 換気カプセル型発汗計を中心とした生体計測機器の販売 3. その他、医療機器・福祉機器等の開発
社員数 3 名
本社所在地 〒386-0017 長野県上田市踏入二丁目16番24号 信州大学オープンベンチャー・イノベーションセンター107号室
ホームページ https://www.skinos.co.jp/
連絡先窓口 百瀬 英哉
メールアドレス momose@skinos.co.jp
電話番号 0268-75-9071