情報処理
学校に通うことが困難な途上国の子どもたちに「先生の代わりになる」タブレットを開発する
宮崎県
株式会社教育情報サービス
2022年1月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 途上国の子供たちが読み書き計算を学ぶための、AI技術と動画自動生成技術を有する基礎教育タブレット「TA-BE(タビー)」の開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 教育 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(人件費削減)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 基礎教育、途上国、不登校、ドナー、学習用タブレット |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
2015年国連本部において採択された「2030アジェンダ」の目標の一つに、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保する」とある。これを背景に、AI技術を活用した音声・画像認識機能を用いて、学習者の教育レベルを認識・分析し、AI自体がその学習者に特化した解説動画を自動で生成する基礎的な教育用タブレットを開発する。
開発した技術のポイント
①オフライン環境下で動作
一連の動作をオフライン環境下で検証したところ、すべて問題なく動作することが確認できた。
②AIを活用したビッグデータ解析により多様化する学習者のニーズに応える
補助期間中の3年目(2020年4月~2021年3月)に、現地(バングラデシュ)での実証評価を通してビッグデータの収集やニーズ調査を実施する予定であったが、COVID-19によるロックダウン、渡航禁止命令などで活動が不可能となった。このため、タブレットに組込んでいるAIの判定基準の精緻化ができない状況となった。
③動画を自動生成
本研究においては、問題なく達成できている。また、この技術により特許を出願し、令和3年4月9日に登録された。
④基礎教育タブレットを開発
前述の通り、AI の判定基準の精緻化を行うことができていない状態でのタブレットとなっている。
具体的な成果
(1)システム技術開発
(1-ⅰ)AI によるビッグデータ解析技術開発 <達成度>開発:100%、検証:0%
(1-ⅱ)動画自動生成技術開発 <達成度>100%
(1-ⅲ)ログ収集技術開発 <達成度>100%
(1-ⅳ)出題アプリの開発 <達成度>100%
(2)製品搭載のコンテンツ開発
(2-ⅰ)学習用動画開発 <達成度>100%
(2-ⅱ)テスト問題開発 <達成度>100%
(2-ⅲ)背景画像開発 <達成度>100%
(2-ⅳ)TBフォント開発 <達成度>100%
(2-ⅴ)音声要素開発 <達成度>100%
(2-ⅵ)オフライン環境下で動作する製品開発 <達成度>100%
(3)開発ソフトウェアの組込・評価 <達成度>100%
(4)現地実証評価 <達成度>50%
<達成根拠>1年目と2年目は順計画通り実行できたものの、3年目はCOVID-19の現地(バングラデシュ)での蔓延により、現地のパートナーである(株)BacBon が全く活動できなかった。また、政府機関等においても同様であり、NGOのBRACにも折衝できなかった。
知財出願や広報活動等の状況
1)特許申請
文献番号:特開2020-134878
出願番号:特願2019-031833
出願日:2019/02/25
公知日:2020/08/31
発明の名称:学習システム、動画自動生成方法及びプログラム
出願人/権利者:株式会社教育情報サービス
2)国際ジャーナル誌への投稿
「Handwritten Character Recognition on Android for Basic Education Using Convolutional Neural Network」
Thi Thi Zin, Shin Thant, Moe Zet Pwint and Tsugunobu Ogino
研究開発成果の利用シーン
バングラデシュやケニアなどの途上国における児童労働により学校に通えない子供たちがオフライン環境下でも学べる基礎教育タブレット。オンライン接続時にはAIを活用したビッグデータ解析により多様化する学習者のニーズに応え、動画を自動生成できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本事業における「基礎教育用タブレット(Ta-BE)の研究・開発」は順調に推移し、特許技術にも結び付き、概ね成功であった。
しかしながら、製品の対象者が「途上国の子どもたち」であり現地活動が必須であったため、事業3年目である令和2年度にCOVID-19の世界的な蔓延の影響を受け、現地実証評価、市場調査が不可能となった。
この事業におけるもっとも挑戦的な研究内容である、「AIを用いて学習ログや解答ログのビッグデータを解析し、多変量解析を用いて個々の学習者に適切な動画を作成し、提供する。」という目標においても、事業の3年目に収集を予定していたビッグデータを獲得することができず、AIの学習が進んでいないのが現状である。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
事業期間の1年目と2年目に実施した市場調査においては、いずれの国においても本事業に対して高い評価を得ている。
今後の実用化・事業化の見通し
COVID-19の感染拡大により、ますます非接触型の教育手法が求められる状況となることが考えられる。このことから、ドナーに対する提案も現地の政府機関から発出しやすい環境になると想像できる。
事業化においては、多少の遅延は否めないものの、より確実に計画が実行できると考える。
実用化・事業化にあたっての課題
COVID-19の世界的な蔓延により、「ビッグデータを獲得できていない」ということが最大の課題である。
すでにタブレットの開発は完了しており、現地実証評価を行うことができれば、組み込んでいるAIにビッグデータを用いて学習をさせ、精緻化を行うことができる。
上記の状況を考慮し、今後はCOVID-19の感染状況を確認しつつ、バングラデシュに渡航が可能になった段階でシステムを組み込んだタブレット(Ta-BE)を持ち込み、現地パートナーの協力のもと試用を進めていきたい。
事業化に向けた提携や連携の希望
途上国における基礎教育力向上のプロジェクトなどでの活用を希望する。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社教育情報サービス |
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事業管理機関 | 公益財団法人宮崎県産業振興機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人宮崎大学 工学部 株式会社ビーアンドエム |
アドバイザー | (独法)国際協力機構(JICA)専門家 (NPO)e-Education代表 |
参考情報
- ThinkBoard
- https://www.thinkboard.jp/
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社教育情報サービス(法人番号:9350001010442) |
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事業内容 | 情報通信業 |
社員数 | 18 名 |
本社所在地 | 〒880-0001 宮崎県宮崎市橘通西3丁目5番36号ニシムラビル6F |
ホームページ | https://www.e-kjs.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役社長・荻野次信 |
メールアドレス | t-ogino@e-kjs.jp |
電話番号 | 0985-35-7851 |
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