精密加工
インクジェット技術を利用した次世代フラットパネルディスプレイ用フォトレジスト塗布装置及び専用フォトレジストの研究開発
熊本県
ミクロ技研株式会社
2022年1月26日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | インクジェット技術を利用した次世代フラットパネルディスプレイ用フォトレジスト塗布装置及び専用フォトレジストの研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | インクジェット、レジスト、塗布、FPD |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
次世代フラットパネルディスプレイ製品を実現する為には、その原版であるフォトマスクが次世代(高精度)スペックを満たす事が必須条件となる。重要課題の一つにレジスト塗布品質があり、現行塗布方式では原理的にスペックを満たせない課題がある。本研究開発は、フラットパネルディスプレイ用フォトマスク製作において、インクジェット技術を採用した新方式のレジスト塗布装置、及びその専用レジストの事業化を目指すものである。
開発した技術のポイント
次世代FPD用フォトレジスト塗布装置の開発
・飛翔観測評価方法の確立によるピエゾ制御電圧の最適化
・塗布基板温度の最適化
・基板ステージの高精度化
・ノズルの乾燥防止機構の開発
・レジスト循環ろ過システムによる異物混入の防止
・塗布エリア制御ソフトによる余剰レジストの削減
インクジェットレジスト塗布装置専用レジストの開発
・基板温度制御による表面張力の制御
・レジスト組成調整による合一化制御
具体的な成果
次世代FPD 用フォトレジスト塗布装置の開発
・装置全体設計、組立
・飛翔観測評価方法の確立
・レジスト吐出機構
・ノズル乾燥防止機構
・レジスト循環濾過システム
・塗布エリア制御ソフト等の開発
・インクジェットレジスト塗布装置専用レジストの開発
・飛翔観測評価方法の確立
・レジスト組成の決定
・表面張力の制御
・レジスト組成調整
知財出願や広報活動等の状況
知財については検討の結果、研究開発の成果として「レジストを薄膜塗布するために小滴液滴を作成するためのレジスト組成」については特許性が高いと思われるので、その手法について、現在、特許出願を準備中である。
研究開発成果の利用シーン
開発した技術性により、FPDのフォトマスク製造ラインにおけるレジスト塗布工程用途、川下ユーザーのフォトマスク製造ラインに利用することができる。
また、インクジェット方式の技術は局面に塗布することも応用できるので、FPD製造以外の分野にも利用可能と思われる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
インクジェット方式FPD用のフォトレジスト塗布装置、および専用レジストは完成した。
コロナ禍で滞っていたユーザー評価にあたる川下ユーザー評価も良好な結果であった。
現在は、フォトレジスト塗布装置、及び専用レジストともに、販売先である川下ユーザーへ営業活動を開始している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
インクジェット技術を利用した次世代フラットパネルディスプレイ用のフォトレジスト装置及び専用フォトレジストを開発できた。FPDの大型化・高精度化に貢献する装置である。
対象基板はG6サイズ(800mm×920mm×8t,10t)まで対応し、フォトレジストメーカーの要求値であるレジスト膜厚300nm以下及び塗布均一性±2%を達成可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
インクジェット式レジスト塗布装置及び専用レジストは2023年2月からの販売を目指す。コロナ禍において顧客評価の実施ができなかったため、改めてサンプル評価を行う。その結果を基に得られた要求課題を改善し事業化へと進める。
実用化・事業化にあたっての課題
顧客サンプル評価の結果、従来できなかった1μm以下0.5μmまでの解像が可能であった。また、マスク面内のパターン線幅の均一性も、従来塗布と比較し良好な結果であった。この結果を販売活動でアピールし、事業化につなげる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ミクロ技研株式会社 九州工場 機械設計 |
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事業管理機関 | 公益財団法人くまもと産業支援財団 産業技術振興部 |
研究等実施機関 | 株式会社FSCE 技術部 国立大学法人熊本大学 大学院先端科学研究部(工学系) |
アドバイザー | ワイエイシイテクノロジー株式会社 熊本県産業技術センター |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ミクロ技研株式会社(法人番号:9010001058326) |
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事業内容 | 各種電子材料(シリコンウェーハ、 FPD パネル、フィルム等)製造装置の開発、製造並びに販売 ・自動検査装置の開発、製造並びに販売 |
社員数 | 120 名 |
生産拠点 | 東京工場(埼玉県)、九州工場(熊本県)、韓国工場、中国工場 |
本社所在地 | 〒103-0026 熊本県東京都中央区日本橋兜町15番12号 兜町MOCビル |
ホームページ | https://www.micro-eng.co.jp/ |
連絡先窓口 | 九州工場 機械設計 眞柄洋平 |
メールアドレス | y-magara@micro-eng.co.jp |
電話番号 | 096-235-7201 |
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