デザイン開発
放射線科医の被ばくをなくし正確な検体採取と細胞診断が出来るマイクロチップ搭載可能な多機能保持具の開発
大阪府
テクノグローバル株式会社
2022年2月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | CT検査時に医師の被ばくをなくし、患者体形に合わせた正確な検体採取とその場で細胞診断が出来るマイクロチップ搭載可能な多機能保持具の開発 |
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基盤技術分野 | デザイン開発 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 被ばく、CT検査、がん、フォトニクス、遺伝子診断 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
腫瘍の確定診断で使用されるCTガイド下生検の課題は、1術者(医師)の放射線被曝の回避、2高難度の生検技術の簡易化、3採取した細胞分析の高度化である。本事業は1被曝なしに、2目標位置へ正確に針をガイドしつつ、3腫瘍遺伝子診断用チップを実装可能なデバイスを開発する。これらにより、術者および患者の被曝の減少、臓器への負担軽減、高度化する診断と治療を支援する。
開発した技術のポイント
・生検針を⾃在に保持できる⽴体的な3次元デザイン開発
-生検針を自在に保持できる立体的な3次元デザインを開発
-2色成形機を用い、保持具の台座部を成形、他部品を3Dプリンターで作成
・生体フィット感ある形状記憶性能を持つ樹脂(下部)と強度ある樹脂(上部)の一体2⾊成形技術の確⽴
-複数の素材にて、試作品を作成し、様々な角度でガイド針を変えながら、操作のしやすさ、針の見やすさ、角度の自在性、保持性能を評価し、最適原料を選定した。
-2色成形技術を確立、形状記憶性能を持つ樹脂と耐熱性のある樹脂を融合できるようになった。
・遺伝子診断マイクロチップ装着を実装するための針保持体のデザイン開発
-穿刺針からの生体サンプルをその場で測定することができうる使い捨てPCRコアのデザインと樹脂製サンプルの製作を実施した。
具体的な成果
・生検針を⾃在に保持できる⽴体的な3次元デザイン開発
-各部品の改善を⾏い3次元デザインを開発、完成品を作成した。
-各評価試験において目標値を超えた。
・生体フィット感ある形状記憶性能を持つ樹脂(下部)と強度ある樹脂(上部)の一体2⾊成形技術の確⽴
-数種類の形状記憶樹脂と耐熱性のある樹脂にて2⾊成形を⾏い、最適な成形条件を確定した。
・遺伝子診断マイクロチップ装着を実装するための針保持体のデザイン開発
-ディスポーザル化した、精密な円筒構造、キャピラリー管構造を有する針保持体の成形が出来る⾦型を製作し、成形を実施、デザイン開発を完了とした。
-臨床症例における細胞レベルでの実用性の確認中であり、PCR装置の開発を進めている。
知財出願や広報活動等の状況
特許6398028 特願2018-044843 穿刺針保持器
特開2020-110092 特願2019-003925 遺伝子検出システム、遺伝子検出チップ、遺伝子検出装置、遺伝子増幅方法、及び遺伝子増幅装置
研究開発成果の利用シーン
人が手で保持しなくてもいい保持器を開発することで、健康寿命の延長を支える医療従事者の被ばく量を減らし、安全性を確保できる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
安全性評価や耐久性評価を実施したのち、事業化に向けて取り組む。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・角度・深度が自在に調整・固定できるため、放射線源(CT ガントリー)から離れても生検針の保持が可能
・形状記憶ポリマーを使用することで体形に密着する安定した形状を実現でき、短時間での検査が可能
・マイクロチップの搭載による検査の拡張が実現
今後の実用化・事業化の見通し
製品化が出来れば、モデル器を奈良県立医科大学グループで使用し、IVR 学会などでの研究発表、学会発表を行う。安全性評価、耐久性評価を行い、事業化に向けて取り組む。一般病院への販売は、医療機器商社等を活用し実施する。
遺伝子診断機能の実装は、診断機器としての承認が必要となる可能性があり、まずは研究用として販売を計画する。
実用化・事業化にあたっての課題
・マイクロチップを用いた迅速分析の開発を行ったが、完了には至っていない。
・安全性評価や耐久性評価の実施が必要。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | テクノグローバル株式会社 |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 |
研究等実施機関 | 公立大学法人奈良県立医科大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | テクノグローバル株式会社(法人番号:2122001022414) |
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事業内容 | ・プラスチック製品設計・試作金型の製造及び成形・量産金型の製造及び成形・製品組み立て |
社員数 | 30 名 |
生産拠点 | 大阪府本社 |
本社所在地 | 〒581-0055 大阪府八尾市跡部南の町1-1-37 |
ホームページ | http://www.techno-global.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 高田 弘之 |
メールアドレス | info@techno-global.co.jp |
電話番号 | 072-993-7935 |
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