デザイン開発
プレス成形、射出成形技術による日常品市場向けCFPRの低コスト化
北海道
トルク精密工業株式会社
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 日常品市場向けCFRP部品のプレス量産化技術の研究開発 |
---|---|
基盤技術分野 | デザイン開発 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 異形成形、インサート成形、二色成形 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成28年度~平成30年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)をプレス成形して旅行用カバン生地及びキャスターを製作する技術の開発である。金型一体加熱冷却システムを高度化して、加熱・成形・冷却・脱型のハイサイクルで、コストと品質基準を満たす国内初のCFRP部品の量産技術を目指す。新規素材の用途開発に加えて金属プレスの境界を越えて樹脂プレス技術の新地平を切り拓く挑戦的技術開発である
開発した技術のポイント
・ソフトカーボンのプレス成形
‐予熱・加熱・加圧・冷却の各工程時間を最適化し厚さ0.47mmを30secでの成形を実現した
‐厚さ1mmあたり60secの当初目標を概ね達成した
・キャスターの射出技術
‐鋭角部に不具合の出ない部品を製作することが可能にした
・自動車部品オイルパンの射出成型
‐射出成形に特有なヒケ、倒れ・反り、かすれ、ショートといった状態が生じない、最適な成形条件を確立した
・プレス成形・射出成形での堅牢性
‐トルク精密工業株式会社から提供された各種成形サンプルの力学的評価を行い、CFが比強度、比剛性に優れるが、凹凸部が残り、応力集中が起こりやすいことを明らかにした
具体的な成果
・ソフトカーボンのプレス成形技術の開発
‐プレス成形条件(成形中の冷却時間、予熱時間等)の最適化により厚さ1mmあたり1分の成形時間ハイサイクル化を達成
・キャスターの射出成形技術の開発
‐キャスター部品のハウジング、ステーのハイサイクル成形を実現
‐CFRP化に対応した部品鋭角部の設計基準を明確化
・自動車部品オイルパンの射出成形技術の開発
‐オイルパン肉厚1mm、2mmでの良品成形技術(中央1点ゲート方式等)を確立
・プレス成形での含浸度、堅牢性の検討
‐繊維材賦形時の挙動を予測するシミュレーションモデルを開発
‐繊維材構造に応じた破壊発生のプロセス分析と明確化
研究開発成果の利用シーン
加熱・成形・冷却・脱型のハイサイクルで、コストと品質基準を満たす国内初の量産技術により、旅行用かばん生地やキャスターをはじめとする日常品用のCFRP部品を提供
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
CF材は、軽量化及び強度の点より、航空機、列車及び一部自動車部品等で使用されているが、より身近な、日常品市場で使用し、受注拡大を目的として、研究開発を行なってきた成果として、未だ市場に出されていない、ソフトカーボンによるキャリーケース(ピギーケース)、ビジネスバックを製作し、また、スーツケースに使用するキャスターも全部品をCF材としたもの、自動車関連としては、オイルパンを、目で見える形として試作し公開したことで、広く、CF材の使用の可能性をPRすることができた
製品・サービスのPRポイント
加熱・成形・冷却・脱型のハイサイクルで、コストと品質基準を満たす国内初のCFRP部品の量産技術。新規素材の用途開発に加えて金属プレスの境界を越えて樹脂プレス技術の新地平を切り拓く可能性がある
今後の実用化・事業化の見通し
・ソフトカーボン製バック
‐材料価格が高額で、高価な商品とならざるを得ないため、コスト面での対応の可否より商品化が左右される。一般大衆向けでは無く、価格競合の無い、特殊用途での販路の可能性は大きい
・CFペレット射出成型品(キャスター部品)
‐本材の使用は構造体等の特定の使用に限定されると推測する
‐アドバイザーにも引き続き依頼し、ユーザーニーズを掘り出し販路開拓をする
・CFペレット射出成形自動車部品
‐他の材料との複合化により、ハイブリットとした部品として、ユーザーニーズを掘り出し販路開拓をする
実用化・事業化にあたっての課題
・材料が高価なため、製品コストが高くなる
・当初想定した軽量化が実現できておらず、樹脂材と比べてメリットが余り無いことが普及を妨げる要因となる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | トルク精密工業株式会社 トルク工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 一般社団法人日本金属プレス工業協会 |
研究等実施機関 | 学校法人東京理科大学 理工学部 機械工学科 松崎 亮介 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | トルク精密工業株式会社(法人番号:6430001048510) |
---|---|
事業内容 | 金属プレス加工・プラスチック射出成形加工 |
社員数 | 100 名 |
生産拠点 | 海外 中国にプラスチック射出成形工場を展開 |
本社所在地 | 〒079-1264 北海道赤平市茂尻旭町1丁目5番地 |
ホームページ | http//torc-p.co.jp/index.htm |
連絡先窓口 | 開発営業部 高橋 |
メールアドレス | nobuyuki.takahashi@torc-p.co.jp |
電話番号 | 0125-32-5222 |
研究開発された技術を探す