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デザイン開発

転倒6モードに対応した重心偏倚抑制技術の開発と有効性の検証により、要介護者の安全な歩行を実現する

大阪府

株式会社幸和製作所

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 座らせきり介護ゼロを目指す自立支援型転倒防止ロボット歩行車の研究開発
基盤技術分野 デザイン開発
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 歩行、介護、転倒防止、ロボット、検知ロガー
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成30年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ハイテクノロジを駆使してローテクノロジ機器を開発することで機器としてのコストを抑制し、ユーザーニーズに応じた利便性の高い歩行車を研究開発することで、ユーザビリティの向上を図る。歩行車に重心偏倚抑制機能を付加し、歩行中の転倒に対応することで被介護者が付き添いなしで安全に歩行することを実現し、介護者と被介護者の数の比率を下げ、利用できる施設を増やすことを目的とする。

新技術を用いた自立支援型転倒防止ロボット歩行車のイメージ図
開発した技術のポイント

・従来は歩行車本体からつり具で利用者を吊り下げることで転倒リスクを低減していたが、衣服の着脱や日常生活に支障をきたしている。本技術では、不快感を与えずに体幹を支える可動式パッドにより、不便なく、転倒リスクを低減する。
・従来は歩行車の安定性を確保するために、支持底面を広くする、重量を大きくする等で対処していたが、可動性の悪化や、駆動系のコスト高につながっていた。可動式パッドでは、重心位置を安定圏内に保持することで、車体の安定性も確保できる。
・実用供試にあたり、被験者に実際に試用してもらうことはリスクを伴う。コンピュータ上の仮想人体により転倒リスクをシミュレートした上で、実機でもヒューマノイドダミーと転倒検知ロガーを併用することで、さらに検証精度が向上される。

転倒6モードの図解
転倒リスク低減シミュレーションのイメージ
ヒューマノイドダミーを用いた有効性の実験のイメージ
具体的な成果

・転倒6モードに対応した重心偏倚抑制技術の開発設計データを元にディジタルヒューマンモデルを用いたシミュレーション検証と改良設計を繰り返すことで転倒防止機構の機能デザインを開発した。
・重心偏倚抑制技術が維持され、ユーザが安全に使用できる試作機が完成した。試作機を使用したユーザビリティ評価、さらに高齢者をユーザとしたモニタリング評価を実施し、事業化に向けた課題が明確になった。さらにヒューマノイドダミーを用いた有効性の実験検証として転倒実験を実施し、重心偏倚抑制技術が維持されていることが確認できた。
・転倒安全性試験として、静的安定性(JIS T 9265:2019 福祉用具歩行補助具歩行車 8.2 安定性試験)と動的安定性試験を実施し 、共に合格 基準を満たした。

完成したサンプル
研究開発成果の利用シーン

介護施設等において、転倒リスクをともなう高齢者の歩行能力改善のための自立支援。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

実用化に向けては、 トレードオフの関係にある「コスト」と 「機能」の最適なバランスを導き出す事が、機器開発に対して大きな課題として明確になった。 さらにその課題を解決した量産品同等品を用いた信頼性試験を実施し、安全に使用できることを検証する必要がある。

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、製品製造

製品・サービスのPRポイント

要介護高齢者が自分ひとりで(介護者が付き添う必要が無く)、安全に(転倒せずに)移動できる歩行車が欲しいという川上企業(顧客)ニーズを満たす製品を提供し、自立支援に資する介護の実現の一助となることで、介護保険総費用の抑制や高齢者の尊厳ある生活維持に貢献できる。

今後の実用化・事業化の見通し

本製品が想定している具体的なユーザ、マーケット及び市場規模等 としては、 国内の介護施設(特別養護老人ホーム約 7,700 件、老人保健施設約 4,200 件)等が導入対象である。この他、中国、韓国、台湾など、東南アジアでも高齢化が進んでいる ため、将来的には海外輸出も視野に入れている。

実用化・事業化にあたっての課題

実用化に向けては、 トレードオフの関係にある「コスト」と 「機能」の最適なバランスを導き出す事が、機器開発に対して大きな課題として明確になった。 さらにその課題を解決した量産品同等品を用いた信頼性試験を実施し、安全に使用できることを検証する必要がある。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社幸和製作所
事業管理機関 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部
研究等実施機関 国立研究開発法人産業技術総合研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社幸和製作所(法人番号:4120101002219)
事業内容 介護用品・福祉用具 全般の製造および販売
社員数 113 名
本社所在地 〒590-0982 大阪府堺市堺区海山町3丁159-1
ホームページ https://kowa-seisakusho.co.jp/
連絡先窓口 株式会社幸和製作所 開発本部 峯垣 淳平
メールアドレス junpei-minegaki@kowa-seisakusho.co.jp
電話番号 072-238-0510