デザイン開発
IOT連動型Mg合金製梯子の開発と女性の社会進出を応援する超軽量コンパクトな伸縮式梯子の実現を目指す
兵庫県
特殊梯子製作所有限会社
2023年2月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 社会インフラの充実を目指す「IOT連動型Mg合金製梯子の開発」<女性の社会進出を応援する超軽量・コンパクトな伸縮式梯子の実現> |
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基盤技術分野 | デザイン開発 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、ロボット、産業機械、建築物・構造物、工作機械、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減) |
キーワード | 超軽量合金製梯子、マグネ合金製梯子、三つ折れ伸縮式梯子、マグネ合金溶接、梯子の補剛構造 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
政府は防災のために送電線等社会インフラの地中化を進めているが、点検員が安全に地下に降りていく梯子としてマンホール梯子が使用されている。一方、人手不足のため女性の活躍が期待されているが、現行のマンホール梯子は大きくて重い。本開発では、構造の抜本的見直しと最軽量金属Mg合金の採用により軽量コンパクト化を図ると共に、地下で遠隔作業支援システムが使えるようにWiFi環境を構築し、女性の社会進出を応援する。
開発した技術のポイント
・EXCELを用いた簡易計算方法のプログラムの開発および有限要素(FEM)を用いた部分詳細解析およびビーム要素の全体構造解析等による梯子強度の確認。
・パイプの片側にリブをつけた非対称断面にする事により、圧縮側の断面係数を大きくし、応力と撓みを低減
・ロボットを用いたTIG溶接によるリブ溶接用突起付パイプと、Mgリブ(厚さ3mm)との接合
・陽極酸化処理+焼付け塗装2回、または化成処理+焼付け塗装2回による梯子の防食方法の確立
・洞道内作業を支援するIoT支援システムの設計
具体的な成果
・構造設計では、アルミ合金の両繰出し梯子(二つ折り型)の設計、マグネ合金のリブ付非対称断面を用いた三つ折れ梯子の設計を行った。
・梯子各部の改良では、重ね部、補強リングの改良と折り曲げヒンジの設計を終えた。
・梯子の撓み低減としては、ワイヤ補剛方式を考案し、解析及び実験で効果を確認した。ただし、マグネ合金梯子ではリブ付断面を使用する事で、撓みの低減を実現できた。
・マグネ合金材料の利用に関する研究では、Mg合金の屋外暴露や塩水噴霧試験により、腐食状況を確認し、その防食対策として、化成処理や陽極酸化等の下地処理、仕上げとしての塗装およびメッキ方法等を調査し、種々の試験片を用いた塩水噴霧試験等で効果を確認し、実用的な防食仕様を選定した。
・梯子の強度試験では、アルミ製梯子のJIS規格に示された梯子の強度試験方法に倣い、規格に示された強度を満足する事を確認した。
・IoT対応設備の試作装置を用いて実際の洞道内で実験し、その通信可能距離を確認し、必要に応じて二次中継等を用いて、マンホールから250m以上離れても通信機能を確保できる事を確認した。
知財出願や広報活動等の状況
・研究では、まず、梯子の裏面にワイヤをはり、それによって撓みを低減する方法を考え、解析および実験で、ある程度のワイヤ高さを確保すれば撓みを低減できることが判った。なおワイヤー補剛方式は特許申請中である。
・パイプの片側にリブをつけた非対称断面にする事により、圧縮側の断面係数を大きくし、応力を低減する事ができたが、この場合、断面二次モーメントも大幅に増加し、撓みを抑えられるという効果も得られた(特許出願準備中)。
研究開発成果の利用シーン
・女性や高齢者の社会進出を応援する超軽量・コンパクトな伸縮式梯子の実現。
・マンホール深さの90%をカバーした梯子の提供。
・全長を3つ折れにすることで、収納時2.0mまで折りたため、規定の強度を満足した梯子の提供。
・2次中継器を加えて洞道内でのWi-Fi通信距離も250m以上に拡大も可能になったIoT機器の提供。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
最終目標の超軽量梯子をリブ付きマグネシウム合金製の三つ折り梯子の開発が出来、梯子の撓み、捻じれ剛性の高く、長尺梯子として適切な製品開発が出来た。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・女性や高齢者の社会進出を応援する超軽量・コンパクトな伸縮式梯子の実現。
・マンホール深さの90%をカバーした梯子の提供。
・全長を3つ折れにすることで、収納時2.0mまで折りたため、規定の強度を満足した梯子の提供。
・2次中継器を加えて洞道内でのWi-Fi通信距離も250m以上に拡大も可能になったIoT機器の提供。
今後の実用化・事業化の見通し
最終的に三つ折れMg合金製梯子の試作機を3基作成し、IoT連動型Mg合金製梯子の開発を達成した。
実用化・事業化にあたっての課題
目標値からは重量で約1.7kg増/縮小時寸法では約60cm増となった。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 特殊梯子製作所有限会社 商品開発部 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪 大阪公立大学 研究推進本部 研究推進課 |
研究等実施機関 | 公立大学法人大阪大阪公立大学 大学院工学研究科 教授 新谷篤彦 |
アドバイザー | 国立大学法人 大阪大学 兵庫県立工業技術センター 一般財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 株式会社 低炭素ファシリティー研究所 木ノ本伸線 株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 特殊梯子製作所有限会社(法人番号:1140002009033) |
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事業内容 | 製造業 |
社員数 | 17 名 |
生産拠点 | 本社工場(兵庫県神戸市) |
本社所在地 | 〒652-0866 兵庫県兵庫県神戸市兵庫区遠矢浜町4-13 |
ホームページ | https:///super-ladder.co.jp |
連絡先窓口 | 特殊梯子製作所有限会社 商品開発部 寺本之弘 |
メールアドレス | info@super-ladder.co.jp |
電話番号 | 078-652-0818 |
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