測定計測
従来困難であった光沢表面上の外観凹凸不良の検査を可能とする、表面角度変化を色変化として検出できる革新的照明/検査システムを開発
愛知県
株式会社マクシスエンジニアリング
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ホログラフィック光学素子を活用した光沢面外観検査システムの研究開発 |
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基盤技術分野 | 測定計測 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、スマート家電、半導体、工作機械、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 外観検査、光沢、鏡面、画像検査、不良検査 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
コンピュータビジョンは製造業の様々な場面で活用されているが、光沢面など鏡面反射体の外観検査への適用例は少ない。本研究開発では、計測原理が従来と異なる革新的な自動外観検査システムを開発する。開発システムでは、対象の表面角度変化を色変化に変換して簡便な外観検査を達成する。本機能における重要部品のホログラフィック光学素子(HOE)を量産できる基盤技術を確立するとともに、自動検査システムを開発する。
開発した技術のポイント
ホログラフィック光学素子(HOE)の開発
‐検査対象の面が凹凸している場合に、HOE照明ユニットから対象面に照射される光は、回折現象により光の角度がかわり、角度変化に応じて検査カメラからみた色が異なる。色変化を使って凹凸を検知できる。
・大面積HOE製造装置の開発
-検査有効範囲が広いHOEを製造できるHOEプリンタを開発する。
・大面積HOEの高速製造技術の開発
‐HOE製造コストを下げるため、HOEを高速に製造できる技術開発を行う。
・画像解析技術の開発
‐大面積外観検査での凹凸不良検出に適した画像解析ライブラリの開発及び実装。
・複雑R形状に適した画像解析技術の開発
‐複雑R形状に対しても安定して不良部位だけを検出できる画像解析ライブラリの開発及び実装
・自動キャリブレーション技術の開発
具体的な成果
・大面積HOEの製造技術の開発
‐レーザー光源、光学ヘッド、ステージそれぞれについて、評価、製作、組立を行い、技術目標である300㎜角の大面積HOEの製造を可能とするHOEプリンタを構築した。
・大面積HOEの高速製造技術の開発
‐ホログラムプリンタの機能改善を実施し、高速、高精細なホログラムの製造技術を確立した。
・大面積外観検査に適した画像解析技術の開発
‐色相ギャップ補正、色相エッジ抽出など目標値である10を超える13の関数をライブラリ化した。この結果、面積0.0027平方mm程度の微小な不良も検出した。
・自動キャリブレーション技術の開発
‐HOE光源の特性を明らかにした。その結果、キャリブレーションシステム並びに処理フローを検討し、自動キャリブレーション技術を確立した。
・自由曲面に対するトレース技術の開発
‐ロボットに搭載可能な小型照明を開発し、エッジ部などに沿ってトレースを行うことを可能とした。
知財出願や広報活動等の状況
特願2016-236374
特願2017-223498
特願2020-029113
研究開発成果の利用シーン
本研究開発システムを用いれば、従来目視検査を行っている工程が、自動画像検査の工程とできる。
デジタルデータとできるため、生産管理が容易となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
開発完了後の初年度中にHOE照明ユニットを活用した外観検査システムの試作機を製作し、出荷する予定。
自動車メーカーからは、自動外観検査が可能であるならすぐに導入したいとのニーズがある。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
本研究開発システムを導入すれば、自動画像検査工程を実現でき、目視検査員を省人化できるため、費用対効果が高い。
従来の、技術製品は価格が2,000万円を超えるわりには検査時間が長い。本研究開発製品は1,000万円を想定しており、競争力が高い。
今後の実用化・事業化の見通し
今後、販売先は、画像解析メーカー、商社、自動車関連メーカー、家電や情報機器の製品メーカー、システムインテグレータ企業を見込んでいる。
令和2年度、3年度にサンプルの出荷、評価を実施する。
令和3年度からは検査機として販売を開始する予定である。
実用化・事業化にあたっての課題
多彩なHOEレイアウトを実現可能な開発の実施。
面積0.027平方mm程度の微小な不良を検出できている一方で、未検出や過検出も存在し精度向上が課題。閾値処理などの処理が入るため、機械学習による最適化が今後必要となる。光源レイアウト、HOEレイアウトのさらなる検討が必要。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社マクシスエンジニアリング |
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事業管理機関 | 公益財団法人中部科学技術センター |
研究等実施機関 | 学校法人中部大学 |
アドバイザー | 近藤 和夫 堀米 秀嘉 川下企業 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社マクシスエンジニアリング(法人番号:4180001004210) |
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事業内容 | 自動車部品等の生産設備の専用設計/製作、金型設計/製作から技術者派遣サービスまで幅広く「モノづくり」をサポートします |
社員数 | 532 名 |
生産拠点 | (装置製造)名古屋工場 、(金型)広島工場、北名古屋工場、福岡工場 |
本社所在地 | 〒460-0008 愛知県6番1号 栄三丁目ビルディング10階 |
ホームページ | https://www.maxis-inc.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社マクシスエンジニアリング 開発部 開発課 担当課長 西郷 知泰 |
メールアドレス | saigo@maxis-inc.com |
電話番号 | 052-627-6110 |
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