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複合・新機能材料

サーマルマネージメント技術でカーボンニュートラル社会の実現に貢献

愛知県

株式会社U-MaP

2024年12月5日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 AINウィスカー(窒化アルミニウム針状結晶)を用いた次世代高機能放熱材料の研究開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、スマート家電、半導体、工作機械、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)
キーワード 高熱伝導、TIMシート、フィラー、基板、AlN
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

樹脂を中心とした複合材料産業では、ハイパワー・高性能化した電子部品からの放熱設計が喫緊の課題となっており、新しい熱伝導フィラーと分散技術を使った高熱伝導絶縁複合素材の開発が不可欠である。本事業では、AlNウィスカー(窒化アルミニウム針状結晶)と分子接合剤を活用した高熱伝導絶縁シートを実用レベルの品質とコストで製造する技術を確立、事業化を実現する。

プロジェクト概要
開発した技術のポイント

・AlN ウィスカーの大規模合成検証装置開発と大規模回収技術開発による工業製品化
-温度、合成時間、原料供給量、合成エリア構成・形状・材質などを入力値として、AlN ウィスカー合成量を出力値とした各種機械学習手法
-AlN ウィスカーを合成する冶具上からの、ロボットによる吸引回収法評価と効率的な回収パターンの検証

・AlN ウィスカーを用いた高熱伝導シートの開発
-アルミナの形状、粒径及び充填比率の最適化を行うことによる超細密充填の達成
-アルミナの表面処理技術開発によりシリコーン樹脂内に高い比率で充填可能となり、放熱シートの特性を維持できる限界値に近い熱特性を達成

開発技術成果
具体的な成果

・AlN ウィスカーの大規模合成検証装置開発と大規模回収技術開発による工業製品化ベースの確立
-100t/年レベルの AlN ウィスカー合成プラント建築時の根幹技術の検証を行い、目標を達成する合成条件を取得
-AlN ウィスカーの大規模プラント合成技術検証装置改造完了

・AlN ウィスカーを用いた高熱伝導シートの開発
-熱伝導率 10 W/m・K を確保し、柔らかくて高品質で生産性が高く、且つ低価格の高熱伝導樹脂シートを開発
-熱伝導率は、アルミナとの混合分散で6.2W/mK、AlNとの混合分散で 13.4 W/mKを達成。シート重量は、アルミナ添加シートで比重 3.3
-接合技術については、分子接合剤の予備実験を実施。また、接触界面熱抵抗については、試作シートで予備評価実施

知財出願や広報活動等の状況

研究開発成果の利用シーン

熱伝導率を大幅に改善した高性能・高機能複合絶縁部素材を開発する事で、実用レベルの放熱材料の高機能化・軽量化とコスト低減の両立を実現し、半導体デバイスやモバイル機器のハイパワー化、高集積化によって生じている発熱による性能低下・寿命劣化の課題を解決する。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

AlNウィスカーの生産は、2021年3月からパイロット生産ラインを稼働し、2022年後半より量産を開始予定。
シリコーンTIMシートの量産は2023年、メタルベース放熱基板の量産は2025年を計画している。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造

製品・サービスのPRポイント

高熱伝導シートの市場ニーズはかつてなく高まっており開発にしのぎを削っているが、樹脂自体や放熱フィラー素材は従来性能の延長線上を出ない。そのため、低コストで 10W/m・K 以上の放熱シートの開発に成功すれば、確実に放熱シート市場のボリュームゾーンを独占できるポテンシャルを有する製品となる。

今後の実用化・事業化の見通し

AlNウィスカーの生産は、パイロット生産ラインを立ち上げて2021 年 3月から実稼働している。2022 年後半よりAlNウィスカーの量産を開始する予定である。また、出口としての製品開発を並行して進めており、㈱いおう化学研究所、㈱大地は、放熱フィラーの分散充填技術、接触熱抵抗制御技術のパイオニアであり、更に放熱シートの製作に関して高い技術ノウハウを有している川下企業などのノウハウを集結することで、高性能放熱フィラーAlN ウィスカーおよび低コスト高放熱シートの市場投入と事業化を確実に実現していく。

実用化・事業化にあたっての課題

・シリコーンシートのメタルベース放熱基板に必要な諸特性の検証
・AlN ウィスカー合成 100kg/月を達成できる大容量大規模プラント合成技術検証装置の設計・製作と検証
・ウィスカー自動回収装置の設計と製作
・アルミナとの混合分散で熱伝導率10W/mK の達成

事業化に向けた提携や連携の希望

開発スペックのブラッシュアップのため、より多くの最終ユーザーからご意見を聴取し反映できる連携を希望します。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社U-MaP
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO
研究等実施機関 株式会社大地 代表取締役 木村 信正
株式会社いおう化学研究所 代表取締役 森 邦夫
国立大学法人名古屋大学 未来材料システム研究所 宇治原 徹
国立大学法人岩手大学 理工学部 大石 好行
東洋紡株式会社 化成品生産技術統括部 平澤 富士男
株式会社メイコー 新事業開発部 名屋 茂
アドバイザー アイシン精機株式会社(現株式会社アイシン)
株式会社デンソー
トヨタ自動車株式会社
株式会社ダイセル

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社U-MaP(法人番号:5180001125922)
事業内容 ファインセラミクス素材・AlNウィスカーをフィラー材料として事業化
社員数 19 名
生産拠点 愛知県瀬戸市
本社所在地 〒464-0814 愛知県名古屋市千種区不老町 名古屋大学インキュベーション施設207号室
ホームページ https://umap-corp.com/
連絡先窓口 取締役COO 前田 孝浩
メールアドレス maeda@umap-corp.com
電話番号 052-783-0310