複合・新機能材料
天然ガスから合成されるポリアセタール繊維で新しい市場を開く
大阪府
株式会社プレジール
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ポリアセタール樹脂によるコアシェル型二重構造糸を用いた高機能不織布の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、農業、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | ポリアセタール繊維、抗菌性不織布、耐溶剤性不織布、コアシェル繊維、MBR用不織布 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車産業では、耐エタノール性及び耐熱性のあるガソリンフィルターや電池セパレータのニーズがある。そこで、上記要求を満足するポリアセタール繊維のを微細化且つコアシェル型高性能繊維を開発する。
開発した技術のポイント
・耐アルコール性・耐熱性に優れ、また抗菌性があり、低コストの材料であるポリアセタール(POM)樹脂を用いた不織布。
・接着剤を使用しないでも不織布作製を可能とする為に、コアシェル型二重構造を持つPOM の糸を開発。
・融点の高いPOM をコア材に、融点の低いPOM をシェル材にすることで、不織布作製時に熱融着する際、繊維同士の接着性を高めることが可能。
・延伸性に優れたPOM 樹脂を開発出来れば繊維径を2μm 以下にすることが可能。
具体的な成果
・コアシェル型二重構造糸の開発
-直径10~15μmの繊維を開発。(1~2μm細繊化可能)
-シェルにPOMアロイを用いることにより強い熱融着性を確認。
・POM不織布の開発
-アルコール含有ガソリンフィルターの開発
*直径が10~15μmの繊維を任意に製造可能とする。
*アルコール含有ガソリンに対して高い耐溶剤性を確認。
-抗菌性フィルターの開発
*抗菌剤を用いなくてもPOM繊維に高い抗菌性を確認。(コスト、耐久性に優れる)
-MBR(Membrane Bio Reactor)支持体の開発
*POM不織布に高い耐塩水性を確認。
*バイオファウリングの除去に強アルカリ使用可を確認。
知財出願や広報活動等の状況
・多層複合繊維及び不織布
特願2018-32586(平成30年2月26日)
・POM及びその樹脂組成物からなる芯鞘構造を有する多層複合繊維、これを用いた不織布及び当該不織布を用いた製品
特願2019-026441(平成31年2月18日)
・POM樹脂とポリ乳酸樹脂のアロイを基材とする多層複合繊維、不織布及び製品
特願2019-026497(平成31年2月18日)
・POM及びその樹脂組成物からなる芯鞘構造を有する多層複合繊維、これを用いた不織布及び当該不織布を用いた製品
特願2019-033517(平成31年2月27日)
・易染色性ポリアセタール樹脂繊維及びその染色方法
特願2020-024877(2020年2月18日)
・抗菌性樹脂繊維
特願2020-028937(2020年2月25日)
研究開発成果の利用シーン
・アルコール含有燃料用フィルタ
・安全衛生面でPOM繊維の優位性を生かした抗菌性フィルター
・耐塩水性、耐アルカリ性を生かしたMBR 膜支持体としての応用
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・アルコール含有ガソリンフィルター用途では、溶融紡糸法でコアシェル繊維を量産試作し、エンドユーザーへ実装試験を行うべく不織布の試作を行っている。
・抗菌性フィルター用途についてはメルトブロー法が適していると考えられるが、不織布メーカーでの試験では目的の繊度まで細繊維化出来ていない。取りあえず溶融紡し、これを延伸してユーザー評価用サンプルを試作している。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・アルコール含有ガソリンに対して、高耐溶剤性を有する。
・高い抗菌性を有する。
・高い耐塩水性を有する。
・バイオファウリング除去に、強アルカリを使用可。
今後の実用化・事業化の見通し
・バイオエタノール混合ガソリン対応車は今後も増加との予測。これまで、フィルターメーカー、エレメントメーカーとの検討を重ねており、川下企業とPOM 不織布のスペックについて合意を重ねてきた。引続き継続。
・抗菌性フィルタは国内において年間1兆円を超える市場を形成。今後も拡大していくと予測。既に市場を有している3MとPOM繊維市場開発。
・MBR膜は公共下水処理場向けが中心。今後も新興国需要等で市場拡大は期待されるが、中国メーカーなどの参入により市場のびは低くなると見られるが、昨今のコロナウイルスによる影響で抗菌・抗ウイルスフィルタの需要により大きな市場に育つ可能性あり。
実用化・事業化にあたっての課題
・車載用アルコール含有ガソリンフィルターについては大手車部品メーカーでの実証テスト準備中である。この用途には精密な繊維径の制御が要求される。 ・抗菌性フィルター用途は競合するポリエステル不織布とのコスト競争に対抗出来なければならない。
事業化に向けた提携や連携の希望
・車載用ガソリンフィルターはエンドユーザーから厳しい品質保証が求められる為に、不織布メーカーでなければエンドには販売出来ない。既存の不織布メーカーとの共同市場開発を求めている。
・抗菌性フィルターは、空調機器から医療用マスクという様に用途が広い。幅広いエンドユーザーへの売り込みには商社との連携が必須と考えている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社プレジール |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部 |
研究等実施機関 | 国立大学法人京都工芸繊維大学 研究推進課 圓井繊維機械株式会社 |
アドバイザー | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 株式会社ヘキサケミカル 宇部エクシモ株式会社 根来産業株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社プレジール(法人番号:2120001165547) |
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事業内容 | プラスチック製造並びに市場開発 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 製造は外部委託 |
本社所在地 | 〒561-0832 大阪府豊中市庄内西町1-1-8 |
ホームページ | https://plaisir-baiomass.jimdofree.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社プレジール 梅村俊和 |
メールアドレス | toshikazu_plaisir@a.zap.jp |
電話番号 | 06-6333-1150 |
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