製造環境
薬剤を使用せずにスケール付着を未然に防止し、設備効率を常に高く維持することが可能なスケール対策技術
静岡県
イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | エネルギー効率改善に寄与する電解水を用いたスケール析出抑制除去装置の開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、食品、半導体、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮 |
キーワード | 電気分解、スケール除去、冷却効率、電力削減 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
製造工程における冷却水系の高清浄化を実現し、製造工程における生産効率の改善および製品の品質安定性を確保するために、冷却水系の一時的なスケール除去ではなく、スケール析出抑制を維持する技術を開発し、冷却水系の高清浄化を実現する。これにより、川下製造業者が最終的に求めている製造工程における生産効率の改善および製品の品質安定性確保を実現する。
開発した技術のポイント
製造工程の冷却水系において、腐食を起こさずにスケール析出抑制除去が有効となる電解酸性水の仕様および使用条件の最適化を行ない、システムの状態を常時監視することで、システムの安定運転維持、迅速な不具合対応が可能な制御技術を搭載したシステムの開発を行った。実証試験において既存設備配管のスケール付着率を1年後に50%以上削減し、その後もスケール付着を抑制できていることを確認した。
具体的な成果
・循環冷却水に対応した電解槽の開発
-電極材料、イオン交換膜保持構造等を最適化することで、水質に影響されずに必要な仕様の電解酸性水を生成可能な電解装置を開発した。
・腐食を起こさずにスケール析出抑制除去が有効なシステムの開発
-スケールの発生頻度、場所、設備にあわせた除去方法を考案した。
*インジェクション方式:電解酸性水を添加した冷却水で常時循環
*間欠洗浄方式:電解酸性水で短時間洗浄
-実験により、電解酸性水の腐食条件を確認した。
-予めスケール析出状態が予測可能な数値計算ソフトを開発した。
・実証試験による性能評価 を実施
-インジェクション方式を既存設備に組み込み、約1年ごとに設備配管に付着したスケールを約50%削減できていることを確認した。
知財出願や広報活動等の状況
特許申請情報
種類:国内特許出願
特許出願番号: 特願2021-00812
発明名称:クーリングタワーに接続可能な冷却水浄化装置
研究開発成果の利用シーン
開発した技術は、製品の品質安定性を確保しつつ効率の良い生産を行うため、製造プロセスにおける冷却水系の水管理に適用可能である。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
営業先の選定や販売形態の検討などを行った上で、事業化展開を進めていく予定である。
製品・サービスのPRポイント
開発した技術により、一時的なスケール除去ではなく、スケール析出を抑制し設備効率を低下させない環境維持が可能となり、製造工程における冷却水系の高清浄化が実現できる。最終的には製造工程における生産効率を改善し、省エネルギーでの生産および製品の品質安定性を確保することが可能となる。
今後の実用化・事業化の見通し
今後事業化にあたって、まずは、既に弊社と取引のある販社経由で販売を行っていく計画である。ただし、弊社には既に異なる電解方式を応用したスケール除去装置があるため、販売先を差別化し営業を行う。また、当該システム販売にあたっては、装置一括販売ではなく遠隔保守サービスを含めたレンタル契約などの提供を行うことで、定額制のビジネスを踏まえ、シェア獲得を目指す。
実用化・事業化にあたっての課題
今後は、1.長期評価データの取得、2.実証評価の追加を行い効果の妥当性をより高めていく必要があり、1については、すでに事業期間内に実施した実証評価を継続中である。装置については、アドバイザーや客先意見を踏まえ装置の小型化を含めた改良設計を行う計画であり、特に定期的にメンテナンスが必要となる電解水路部については、工具レスでメンテナンスが可能な構造にするなど検討課題がある。スケール析出予測シミュレーションソフトについては、実証試験結果を基にチューニングを行って活用していく予定である。
事業化に向けた提携や連携の希望
公的機関の大手企業とのマッチング支援等を利用して、製品PRを行っていきたいと考えている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 営業技術部、管理部、技術・R&D部門 |
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事業管理機関 | 公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構 事業推進部 |
研究等実施機関 | 国立大学法人静岡大学 特任教授 中山 顕 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社(法人番号:1080401010928) |
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事業内容 | 電気分解技術を応用した製品の研究開発、製造、販売 |
社員数 | 8 名 |
生産拠点 | 本社 |
本社所在地 | 〒434-0043 静岡県浜松市浜北区中条1123-8 |
ホームページ | http://www.innovative-dt.com/ |
連絡先窓口 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 技術・R&D部門 酒井 文香 |
メールアドレス | sakai@innovative-dt.com |
電話番号 | 053-584-3636 |
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