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研究開発された技術紹介

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製造環境

生魚介類の捕獲、保管・流通・販売において長期鮮度を保持するハニカム構造の超低酸素ナノバブル生成装置

福岡県

丸福水産株式会社

2020年4月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 生鮮魚介類を長期保存するハニカム構造体を用いたナノバブル生成装置の開発
基盤技術分野 製造環境
対象となる産業分野 農業、産業機械、食品、物流・流通、水産
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)
キーワード ナノバブル、ウルトラファインバブル、ファインバブル、鮮魚鮮度保持、陸上養殖
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成26年度~平成28年度

プロジェクトの詳細

事業概要

世界最高のナノ気泡数密度をもつナノバブル生成装置の軽量・高度化および大容量装置を開発し、食品産業の保存技術において、鮮度維持の必要性が顕在化している鮮魚の鮮度を長期に維持し、捕獲、流通から小売りまでの国民の安全・安心なライフイノベーション社会に貢献する

開発した技術のポイント

低温管理に加え、窒素ナノバブルの効果により、水中の溶存酸素量を極限まで低減させた超低酸素冷海水(塩水)を用いて、好気性細菌の増殖及び酸化を抑制し、生鮮魚介類の鮮度維持向上を実現する装置を開発する
(新技術)
・窒素ナノバブル技術
・チタン製またはアクリル樹脂製ハニカム構造搭載装置
(新技術の特徴)
・水中溶存酸素量を極限まで低減
・ナノバブルの気泡数密度と吐出量を増大にする
・装置の小型軽量化

具体的な成果

・ハニカム構造体への加圧時の破損危険を有限要素法解析で定量評価した結果、チタン製の隔壁は0.5mm、アクリル樹脂製は1.0mmで安全であり、実際に水中ポンプを装着して使用しても破壊等がないことを確認した
・チタンまたはアクリル樹脂でハニカム構造体の隔壁を薄肉化したことにより、ナノバブルの吐出量を従来のステンレス材に比べて倍増し、ナノバブルの数密度2億個/ml以上を安定的に生成した
・試作装置で生成した窒素ナノバブル水を用いて鮮魚を1週間自主検査した結果、一般生細菌数の抗菌性は初発104個/gの検体を1週間後も維持し、菌種別ではグラム陰性菌に対する抗菌効果が高いことが判った
・窒素ナノバブル水で鮮度保持処理したマサバの官能検査では4日間鮮度が良好であり、さらにマグロはえ縄漁船でメバチマグロを23日間浸漬しても悪臭の発生や皮目の劣化がなかった

研究開発成果の利用シーン

・ナノバブル水による生鮮魚介類の長期鮮度保存技術
・ハニカム構造体搭載ナノバブル生成装置
‐大型装置(チタン製ハニカム構造体搭載機)
‐小型装置(アクリル樹脂製ハニカム構造体搭載機)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

試作機をユーザーに提供し、評価のフィードバックを基に製品のブラッシュアップを行っている。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

・ハニカム構造体隔壁薄肉化によりナノバブル生成能力倍増(ステンレス材比)
‐チタン製ハニカム:吐出量42t/h(約2.8倍)
ナノバブル数密度2~3億個/ml
‐アクリル樹脂製ハニカム:吐出量4.2t/h(約2.3倍)
ナノバブル数密度2~3億個/ml
・長期有効性:ナノバブル水処理鮮魚の官能検査で4日間鮮度良好
・抗菌性:生食用一般生細菌数基準105個/g以下を1週間保持

今後の実用化・事業化の見通し

・鮮度維持を死活問題と捉えている産地の漁協を対象に販売拡大を図る
・窒素を使うナノバブル水以外に、超低炭素、超高酸素ナノバブル水等も用途によって生成することができることから、酸素を使う活魚輸送・活魚備蓄への可能性も探る
・水産業以外にも、農業や食品製造、医薬・医療、工業浄水、排水処理等、様々な分野への導入も期待できる

実用化・事業化にあたっての課題

製造コストの切り下げ

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 丸福水産株式会社 ラモンド事業部
事業管理機関 一般財団法人九州オープンイノベーションセンター
研究等実施機関 国立大学法人九州工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 丸福水産株式会社(法人番号:1290801003576)
事業内容 水産物卸売業、ナノテクノロジー関連機器開発
社員数 59 名
生産拠点 本社工場(福岡県)
本社所在地 〒803-0801 福岡県北九州市小倉北区西港町94-22
ホームページ http://www.malufuku.com/
連絡先窓口 ラモンド事業部長 米澤裕二
メールアドレス y-yonezawa@malufuku.com
電話番号 093-592-0500