機械制御
カトラリーの3次元形状を認識して研磨と仕上げ検査を自動で行う装置及びプレスと同時に打抜き面を摺り磨く技術の開発
新潟県
株式会社ダイワメカニック
2022年1月25日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | カトラリーの自動研磨技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | ロボット、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、高効率化(従来手作業で行っていた研磨工程の自動化) |
キーワード | 自動化、研磨、カトラリー、ロボット、形状認識 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
製造工程で、最終仕上げのバフ掛け、研磨工程の後継者が育たず、各メーカー共に非常な危機感を感じており、早急に自動化が求められている。その為に、3次元立体の形状認識技術、一定圧で磨く技術並びに、その評価技術の確立を進める。又、フォークの場合の刃と刃の間の研磨については、プレス時に磨く技術を開発し、工程削減を図る。
開発した技術のポイント
・ティーチング不要で、適切にワークを砥石に当てるためのワークの形状認識技術
・複雑なワーク形状に対し、一定圧力で砥石を人間並みのスピードで当てることのできる力覚フィードバック技術
・光沢の状態を基にした仕上げ評価技術
・プレス時に同時に切断面を擦ることによる研磨レスの刃擦り技術
具体的な成果
・形状計測および高速力覚制御の開発
-グレイコード法に色相を導入し、高精度計測の実現した。
-三次元点群の取得方法を確立し、法線方向に置き換えた伝送方法を確立した。法線を計算するアルゴリズムを開発した。
-能動的アシスト手法を確立し、摩擦トルクの影響0.1kgw以下を達成した。
-力覚制御性能を低下させない共振振動の抑制技術を確立した。
-力覚制御の応答時間0.0025秒を実現した。
-仕上げ検査にて、表面光沢を回避した画像抽出法を開発した。
・プレス装置の製作
-電動サーボモータを使用した位置制御の高精度化を実現した。
-金型において3段型を開発し、全せん断面の抜き加工を実現した。
知財出願や広報活動等の状況
・ 3次元対象物の形状を自動的に測定する装置及び方法 (令和2年 11月 24日出願)
・ 3次元対象物の形状を自動的に認識し、その形状に沿って多関節ロボットを自動的に作動させる装置及び方法 (令和2年 11月 24日出願)
・ 3次元対象物の外観を検査して、3次元対象物を分類するシステム及び方法 (令和2年 11月 24日出願)
・ ワークの抜き面を平滑にまで仕上げるためのパンチ、及びそのパンチを使用してワークをプレス抜き加工するための装置 (令和 3年 2月 25日出願)
・ パンチを使用してワークの抜き面を平滑にまで仕上げるプレス抜き加工するための装置及び方法 (令和 3年 2月 25日出願)
研究開発成果の利用シーン
職人が手作業で行う端面研磨工程にて利用することで、作業者への危険、人による品質確認のばらつきを低減する。
ここではプレスした外周を研磨する「コバ擦り」と、フォークの刃溝を研磨する「刃擦り」の2工程ある。
いずれも粉じんの吸入や砥石の破損など作業者にとって危険な作業である。
仕上がりの評価は職人がワークに光を当てた際の光沢の状態を基に目視で判断している。
熟練を要する作業である上に、技能差による個人間のばらつきが品質低下の要因となることもある。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
作業工具メーカーより工事表面の研磨面の波紋の目視検査を自動化について相談が来ている。
評価技術を応用して、今後の事業展開において多面的に取り組めることが期待できる。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
カトラリーの自動研磨技術の開発を進めてきた。
評価技術の開発では、レーザー光をスクリーンに投影することで特微量を際立たせ、高速・高精度な学習手法で判断する方法で96%の確度を実現した。
プレスにおいては、開発の途中でポンチの入り込み部分がきれいな剪断面であることに気付いた。
その結果、多段抜きも含め2段型で全剪断面で抜ける技術開発につながった。
今後の実用化・事業化の見通し
溶接業者より溶接ロボットのティーチングができず困っているとの相談を受けた。
高速力覚制御の開発時に行った能動的アシスト手法の技術を使用することにより、ダイレクトティーチングが可能になることが判明した。
よって、新しい使い方の方向が見えた。
さらに洋食器業界においてはコロナ禍のため業務用がまったく動いていない状況である。
本研究実施機関の株式会社ダイワメカニックにおいても開発された自動機の運用に加えて、新規パソコン操作ソフトの使い方も含めて十分習熟し、コロナ明けの事業展開に備える予定である。
実用化・事業化にあたっての課題
機種を広げるに当たって、メーカーロボットの内部資料の入手が非常に困難。
その為、現在、開発した技術を盛り込んだロボットの自社開発を行っている。
事業化に向けた提携や連携の希望
ロボットの自社開発に向け、どの様な形での推進方法があるか模索中である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ダイワメカニック |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人にいがた産業創造機構 産業創造グループ次世代産業チーム |
研究等実施機関 | 国立大学法人長岡技術科学大学 モーションコントロール研究室 教授 大石 潔、准教授 横倉 勇希、メディア工学研究室 教授 岩橋 政宏、助教 原川 良介 |
アドバイザー | 日本金属洋食器工業組合 日本金属ハウスウェア工業組合 株式会社山善 新潟県産業労働部 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ダイワメカニック(法人番号:6110001016012) |
---|---|
事業内容 | 製造業 |
社員数 | 42 名 |
生産拠点 | 新潟県 |
本社所在地 | 〒959-1276 新潟県燕市小池3501番地11 |
ホームページ | http://www.daiwam.co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 細川 哲夫 |
メールアドレス | daiwa@daiwam.co.jp |
電話番号 | 0256-63-4826 |
研究開発された技術を探す