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研究開発された技術紹介

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機械制御

世界最高レベルのレーザー顕微鏡Z軸移動速度の実現で、高速3次元光照射やレーザー光の高速焦点移動が可能に!

神奈川県

株式会社フォブ

2020年4月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 レーザー顕微鏡のZ軸位置決め高速化技術の開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 医療・健康・介護、産業機械、光学機器
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 位置決め、焦点調節、高速、顕微鏡、レーザー
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成23年度~平成25年度

プロジェクトの詳細

事業概要

可変焦点光学系によりレーザー顕微鏡のZ軸(焦点)方向の位置決めを高速で行う技術を開発する。光学的位置決めにより従来の圧電素子を用いた機械的Z軸位置決め技術の1000倍以上の高速化を目指す。加えて開発する新技術は機械的振動が発生しない。この技術は光学機器、医療機器、産業機械、自動車や、ロボットなどレーザーを用いた光学装置に広く応用でき、Z軸位置決めの飛躍的な高速化、低振動化、高信頼性を達成できる

開発した技術のポイント

KTN可変焦点レンズモジュールを複数個搭載した多段式可変焦点光学系を設計し、レーザー顕微鏡に組み込んで、Z軸方向の移動量を10倍対物レンズ使用時に最大400μm、移動速度を400μmにつき100μs以内にする
(新技術)
Z軸方向の位置決め(走査)に、可変焦点レンズを用いる
(新技術の特徴)
・Z軸方向の走査が飛躍的に高速化される
・装置や画像に影響を与える恐れがある機械的な振動の発生が防がれる
・これらの理由により、レーザー顕微鏡のユーザーのニーズへの対応が可能になる

具体的な成果

・KTNモジュールを搭載した可変焦点光学系の設計開発、及びKTNモジュールを搭載による焦点移動量の増加の確認
‐複数の多段式KTNモジュールの光軸を簡単に調整できるシステム等の構築で、世界最高レベルの移動速度と移動量を実現した
・多段式可変焦点光学系の制御回路、ソフトウエアの開発
‐高電圧回路と温度制御回路、レーザー顕微鏡制御ソフト、KTNモジュール制御ソフトを開発した
・可変焦点光学系のレーザー顕微鏡への組込み技術の開発

研究開発成果の利用シーン

・レーザー顕微鏡の焦点移動を格段に高速化する焦点調節装置
・レーザー顕微鏡の焦点移動を大幅にアップさせる多段式KTNモジュール
・上記のモジュールや制御回路、ソフトを組み込んだ、レーザー顕微鏡一式

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・可変焦点光学系が組込まれたレーザー顕微鏡を用いて生物試料をサンプルとして使用して撮影を行い、多段式KTNモジュールを可動させてよりシャープな画像の撮影ができる事を確認した
・開発した高速焦点移動装置をニコン製レーザー顕微鏡に組み込んだレーザー顕微鏡一式について、すでに1号機の受注があった

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造

製品・サービスのPRポイント

・顕微鏡下での高度な3D光刺激が実現
‐多段式KTNモジュールの二光子レーザー顕微鏡への搭載により、焦点移動に要する時間が100μs以内に、10倍対物レンズ使用時にZ軸方向の移動量(多段式KTNモジュール使用時)が最大400μmになり、世界最高レベルの移動速度と移動量を実現した
‐従来困難であったZ軸方向の焦点移動を高速でできるため、生体組織での光遺伝学に最適である
‐KTNモジュールに搭載されているKTN可変焦点レンズは光量のロスが少ないため、レーザーパワーを必要とする生体組織深部での観察に威力を発揮する
‐顕微鏡の用途が拡大するため売上が増加する
・顕微鏡の移動量増加を低コストで実現
‐多段式KTNモジュールはモジュール構造をとっているため、移動量に合わせて必要数購入できるリーズナブルな設計で、導入後に更に移動量を増やす必要が出た際にモジュールの買い増しができる
‐顕微鏡ごと買い替えなくても、モジュールの買い増しだけで移動量増加が可能になるため、移動量増加に必要な費用を削減できる
‐エンドユーザーからの評判が高まり、顕微鏡の売上が増加する
・圧電(ピエゾ)素子で困っていた振動をゼロ化
‐機械的に対物レンズや標本ステージを移動させずに済むため、機械的な振動の発生が防がれ、装置や画像に影響を与える恐れがない
‐エンドユーザーからの評判が高まり、顕微鏡の売上が増加する

今後の実用化・事業化の見通し

・装置全体のコンパクト化、KTNモジュールのコンパクト化・安定性向上を目指す予定である
・KTNモジュールに用いるKTN結晶は非常に高価なので、量を確保することによるコスト削減を目指す
・多段式KTNモジュールの制御ソフトに用いる高圧電源装置に関して、現在の試作機は生物分野の利用では十分すぎる速度があるため、この電源装置をダウングレードしてユーザーのニーズに合った製品を考えていく予定である
・本装置で開発した技術を、レーザー顕微鏡に留まらず、半導体、バイオ分野などの測定装置や、医療用機器、レーザー加工機、情報記憶装置へ応用展開していくことを検討している

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社フォブ 開発部
事業管理機関 公益財団法人埼玉県産業振興公社
研究等実施機関 株式会社ニコンインステック
国立大学法人埼玉大学 脳科学融合研究センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社フォブ(法人番号:0200-01-047604)
事業内容 最先端理化学機器の開発製造
社員数 2 名
本社所在地 〒230-0077 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾一丁目12-10
ホームページ https://fov.jp/
連絡先窓口 大出孝博
メールアドレス ode@fov.jp
電話番号 050-3408-2487