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研究開発された技術紹介

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機械制御

金型とロボットを駆使した生産ライン

茨城県

株式会社三和精機

2022年1月25日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 EV車カーエアコン基幹部品製造における革新的な量産技術の研究開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 自動車、ロボット、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(精度向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 自動車、熱交換器、ヒートポンプ
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成30年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

次世代自動車(EV車)市場の需要拡大を背景に、川下顧客から当社が世界に先駆け開発・市場化した高効率なEV車用カーエアコンの生産能力を、現状能力の約5倍への大幅な拡大要請を受けている。この顧客ニーズへ応えるため革新的な量産製造技術を開発し、顧客の要求ニーズに応え、さらに、この開発成果による最先端技術を駆使した生産方式で、世界最速の市場投入を目指す。

開発した技術のポイント

・50穴スリット打ち抜きパンチング加工における無人運転・工程短縮
・完全自動化ワークハンドリング・加工システムの開発
-ワークの反転処理をなくす加工ワークフローシステムを開発した。
-人の技能を代替する精密かつ高速な自己校正ワーク位置決め技術を開発した。
・24時間完全無人稼働の自己モニタリングシステムの開発

具体的な成果

・50穴一括パンチング技術の開発
-100スリット打ち抜きを従来の25穴4回から50穴2回で実現する技術を確立するとともに、耐久テストにより金型寿命の向上を確認した。
-パンチング時のスクラップを確実に除去するリムーバ機構を開発し、スクラップの除去を100%確実にし、パンチングライン無人化を確実にした。
-現状、ヘッダー1 本の100スリットを25穴ずつ4回に分けてパンチングしていたものを50穴×2回にし、100スリット打ち抜きそのものに要する時間を80秒→6秒/本に短縮した。

・完全自動化ワークハンドリング・加工システムの開発
-各工程を無人で完結するシステムを開発し、サイクルタイムを計画前の120 秒から 25.8 秒までを短縮した。
-ワークの軸方向位置誤差1mm以下、姿勢(θ角)誤差0.06°以下でのワーク把持・ハンドリングを実現した。
-製品要求仕様であるスリット間寸法±50μm以下、スリット幅±30μm以下での無人連続自動加工システムを実現した。

・24時間完全無人稼働への自己モニタリングシステムの開発
-生産管理や機器予防保全に必要な生産情報を統括管理できるシステムを開発した。
-管理情報をその場でリアルタイムで閲覧できるモニタリングシステムを設置した。
-異常が発生した場所の表示と発生前後の映像を記録するシステムを設置した。
-完全無人稼働時でも異常情報を記録し迅速な回復が可能なシステムを構築した。

研究開発成果の利用シーン

本事業で開発した技術は、次世代自動車であるEV、FCV車のカーエアコン製造メーカーで活用される。
従来の生産能力に対して5倍を実現可能な量産技術である。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

具体的な取引状況としては、本プロジェクトで生産している製品の取引実績があるサンデンAS社は、中国を中心に顧客を開拓中である。
令和3年4月から、最初は月1,000台からではあるが、サンデンAS社向けに生産が再開されることになった。
三和精機自体としては、エアインターナショナル、ケーヒンサーマルテクノロジー、日軽金、三菱電機などへの営業を展開中である。
本プロジェクトの開発テーマである生産システム自体に関しても引き合いがあるので、交渉を行っている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

本事業で開発した技術を用いることで、生産能力を5倍にできる。
具体的には、ある川下企業から株式会社三和精機に対し、現状製造8,000本/月の5倍の増産要求があった。

今後の実用化・事業化の見通し

EV車用カーエアコンの製造は、顧客での開発段階より開発部門へ参画し、製造法、製作図面、加工方法、コスト、品質、納期管理等で他社が参入できない、差別化の取引となっている。顧客より市場予測情報を頂き、これに合わせて設備投資と生産体制の構築を図る取引関係となっている。
また、本製品は、今後成長が期待される水素燃料電池自動車でも使用実績がある。
令和3年4月から、最初は月1,000台からではあるが、サンデンAS社向けに生産が再開されることになった。
2025年には、23.6万台/月の受注見込み。売り上げは年間で約2億3千万円を見込む。

実用化・事業化にあたっての課題

・システムの本番稼働による無人・全自動運転の安定的な運用(システムの信頼性確立)。
・工場外と接続し、異常状態や稼働実績を把握可能とする IoT 化の促進。
・ワーク供給の前工程、パレットへの保管の後工程の自動化の検討。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社三和精機
事業管理機関 株式会社ひたちなかテクノセンター
研究等実施機関 茨城県産業技術イノベーションセンター
国立研究開発法人産業技術総合研究所
アドバイザー 茨城大学 西野 創一郎、日本工業大学 樋口 勝

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社三和精機(法人番号:8050001006777)
事業内容 金属加工機械製造業
社員数 16 名
本社所在地 〒312-0025 茨城県ひたちなか市武田999
ホームページ http://www.sanwa-mfgt.co.jp/
連絡先窓口 株式会社ひたちなかテクノセンター 企業支援部 木下 隆之
メールアドレス kinoshita@htc.co.jp
電話番号 029-264-2200