材料製造プロセス
水素透過金属膜を用いた水素精製デバイスの開発
大分県
株式会社三和プレス
2021年2月18日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 燃料電池車向け超高純度水素を石油化学コンビナート由来の副生ガスから精製するためのバナジウム膜を用いた水素精製デバイスの開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、農業、産業機械、食品、電池、半導体、化学品製造、鉄鋼分野 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 水素、膜分離、脱炭素、エネルギーキャリア、カーボンニュートラル |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
PSA方式より製造コスト及びランニングコストが低く、高効率な水素の製造プロセス実現のため、実用化が困難とされていたバナジウム膜による水素精製技術において、水素脆化破壊を回避する条件が発見されたことに基づき、石油化学コンビナート由来の副生ガスからの高純度水素の供給を実現するために、複数枚の膜による単位ユニットを開発し、単位ユニットを積層することで水素精製量が向上した水素精製デバイスを開発する。
開発した技術のポイント
・高効率化の実現
PSA方式より製造コスト及びランニングコストが安く、水素を製造することがニーズとして存在するため、水素精製能力の高効率化が求められる。
・純度の高い水素の獲得
当該生成プロセスにおいて、混合物の中から不要物の除去・分離等を行うことで、純度99.97%の水素を獲得することが求められる。
省資源化・省エネルギー化への対応
環境配慮への意識の高まりから、省資源化への対応といった要求が高まっている。そのためにも生成プロセスにおけるエネルギー利用量の低減、副生産物等の再利用が求められる
具体的な成果
・ガスクロマトグラフ、水素透過性能検査装置、10種ガス混合装置の導入を計画し、デバイス性能の検証を実施した。
・水素精製能力1リットル/min、ユニット気密性0.1Pa以下の単体ユニットの開発に成功した。
・水素精製能力10リットル/min、デバイス気密性0.1Pa以下の水素精製デバイスの開発に成功した。
本デバイスでは、副生ガスを模した模擬副生ガスでの透過テストにおいて、上記性能を満たした。
・精製した水素ガスの純度99.97%以上の目標を達成した。
・水素透過を実施したバナジウム膜が水素脆化していないことを確認できた。
知財出願や広報活動等の状況
2件の特許を申請中
研究開発成果の利用シーン
FCV(燃料電池車)用水素ステーションへ製造コストおよびランニングコストが安い水素の供給
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本研究において得られた成果は、大分コンビナート副生ガスの模擬ガスから純度99.97%以上の純水素10リットル/minを得られる水素精製デバイスの開発に成功したこと、運転条件のノウハウが確立できたこと、2つの特許を申請したことである。
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
圧力スイング吸着(PSA; Pressure Swing Adsorption)方式による水素製造は、製造コスト及びランニングコストが高く、より低コストの水素精製技術が求められていた。
そこで、水素透過金属膜として実用化が困難とされていたバナジウム膜による水素精製技術において、水素脆化による破壊を回避する条件が、発見されたことに基づき、石油精製・石油化学コンビナート由来の副生ガスから、水素精製デバイスを組み合わせた水素精製システムによって高純度水素の供給を可能にする
今後の実用化・事業化の見通し
運転条件を実行するための運用システムの構築、透過金属膜及び装置の耐久性試験などを行うことで、製品化が実現すると考えている。
本技術の事業化に向けて、実証連携、共同研究の打診が複数来ている。環境省の実証事業における新技術としての参画、産業廃棄物ガスからの高純度水素製造の実証、水素事業を計画している企業との共同研究依頼などを2020年から随時、実行することにしている。このほか、海外からの共同開発の打診も複数来ており、早期の事業化を目指して邁進していく。
実用化・事業化にあたっての課題
副生ガスから水素ステーションに純水素を提供するためには、さらなる大容量化に取り組む必要があることから、水素精製デバイスの性能向上、水素精製デバイスの連結による大容量化が課題である。
事業化に向けた提携や連携の希望
ガス化業界でカセットガス、プロパンガス、都市ガスなどの改質装置メーカーとの連携を希望。
可燃ごみをガス化できる積水化学のエタノールに変換できる技術と、水素製造の可能性について興味がある。
日本政府が、「環境投資で一歩大きく踏み込む。野心的なイノベーションに挑戦する企業を継続支援していく」と明らかにされました。弊社の技術もお役に立てると考えております。是非一度ご検討いただき、技術を確立させて「日本の技術で世界に貢献できるよう」取り組んでいけることを希望します。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社三和プレス 株式会社ハイドロネクスト |
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事業管理機関 | 公益財団法人大分県産業創造機構 |
研究等実施機関 | 独立行政法人国立高等専門学校機構大分工業高等専門学校 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
アドバイザー | 透過膜アドバイザー:太陽鉱工株式会社 有識者アドバイザー:鈴木 孝和 川下アドバイザー:NSスチレンモノマー株式会社、昭和電工株式会社 自治体利活用アドバイザー:大分県エネルギー産業企業会事務局:大分県、大分市 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社三和プレス(法人番号:6320001002924) |
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事業内容 | 製造業 |
社員数 | 15 名 |
本社所在地 | 〒870-0138 大分県大分市原川3丁目2番28号 |
ホームページ | https://www.hydronext.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社 ハイドロネクスト 代表取締役 永井 正章 |
メールアドレス | nagai@hydronext.co.jp |
電話番号 | 097-529-5756 |
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