複合・新機能材料
溶液塗布法の開発により、大面積化・低コスト化を実現した高効率有機薄膜太陽電池を提供
大阪府
ダイトーケミックス株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高効率有機薄膜太陽電池のプリンタブル量産化基盤技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、スマート家電、光学機器 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
太陽電池分野の基盤技術の高度化を目的として、プリンタブル有機薄膜太陽電池の高効率化に資する高分子系有機半導体を開発する。また、微細三次元配線印刷技術を用いた金属ナノ粒子の配線によって低抵抗透明電極を作製する。開発した有機半導体と透明電極を組み合わせて溶液塗布型セルを作製し、光電変換効率の飛躍的な向上を目指す。さらには、完全に印刷技術によるセル製造プロセスを開発し、量産化の基盤技術を確立する
開発した技術のポイント
溶液塗布法で作製可能な固体有機薄膜太陽電池の性能向上、集積化、および量産化を目的として、実用的な大面積セルを低コストで作製するための部材開発技術および印刷製造技術の確立を行う
(新技術)
印刷技術に対応した物性値を持つ印刷用インクを高品質で迅速に調製する高機能化学合成技術を確立する
(新技術の特徴)
実用的かつ低コストで作成可能な固体有機薄膜太陽電池の実現が可能になる
具体的な成果
・高分子系有機半導体材料の合成基盤技術開発
・プリンタブルセルの作製に適した光電変換層インクの開発
・微細三次元配線印刷を利用した低抵抗透明電極の作製基盤技術開発
・セル作製における印刷プロセスの最適化
・プリンタブルセルの大面積化・量産化の基盤技術開発
研究開発成果の利用シーン
・大面積かつ量産化に対応した有機薄膜太陽電池および有機薄膜太陽電池用部材
・高分子系p型有機半導体材料
・ナノ薄膜作製用高精度印刷装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・高分子系p型有機半導体P3HTは、量産化の目途が立ち、効率的な材料生産・供給が可能となった
・近赤外吸収型高分子系p型有機半導体についてはより優れた材料の創出を目指す状況であり、透明電極基板の作製では優れた表面抵抗値を実現した
・セル作製における印刷基盤技術の高度化は、今後の補完研究を通して印刷安定性を確立する
・今後、補完研究を通してさらなるプリンタブルセルに関する基盤技術の高度化を図り、課題を克服する
製品・サービスのPRポイント
・溶液塗布法により、大面積セル固体有機薄膜太陽電池の低コスト化を実現
-現状、コストや性能を無視した試験サイズのセルを作製することは可能であるが、実用的な大面積セルを低コストで作製するための製造プロセスは確立されていなかった
-本研究開発による溶液塗布法で作製する有機薄膜太陽電池は、性能向上、集積化、および量産化が可能である
-上記により、実用的な大面積セルを低コストで提供することが可能であり、既存太陽電池の置き換えや新規用途の展開への対応が可能である
・日本の次世代光電変換デバイス分野の発展に大きく貢献
-本研究開発による有機薄膜太陽電池は、石油等の化石燃料に代替する再生可能エネルギーとして日本の次世代光電変換デバイス分野に大きく貢献し、世界市場での日本の競争力強化、主導権獲得に寄与する
今後の実用化・事業化の見通し
本研究開発の成果である新規高分子系p型有機半導体材料、透明電極、印刷装置をそれぞれ、デバイス事業が展開できる企業に対して積極的に紹介・販売することで、材料開発と太陽電池生産技術をパッケージとした有機太陽電池事業をできるだけ早期に本格的な事業化へと繋げる予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ダイトーケミックス株式会社 技術開発センター |
---|---|
事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
研究等実施機関 | ダイトーケミックス株式会社技術開発センター 鷹羽産業株式会社 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 大阪府立産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ダイトーケミックス株式会社 |
---|---|
事業内容 | 感光性材料、印刷材料、写真材料、記録材料、医薬中間体 |
本社所在地 | 〒538-0031 大阪府大阪市鶴見区茨田大宮3丁目1番7号 |
ホームページ | http://www.daitochemix.co.jp/ |
研究開発された技術を探す