精密加工
医療器具の国産化に貢献する極小径超深孔加工技術及び加工内面の品質保証技術の開発
静岡県
株式会社ハイタック
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 医療器具の国産化に貢献する極小径超深孔加工技術及び加工内面の品質保証技術の開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械、半導体、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上) |
キーワード | 深孔加工、深穴加工、手術工具、光測定、深穴測定 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
脳外科用手術工具は現状海外製のものしかなく、更に安全性の高い製品への要望があることから、従来の危険性を排除した日本発の脳外科用手術工具の商品化が検討されている。しかし、術中に骨片や体液等を吸引するための吸引穴を術具に開ける技術が世の中に無いのがネックとなっている。そこで、商品化のネックになっている吸引穴の高精度深孔加工技術、及び、品質保証技術を確立し、同課題を抱える様々な外科用手術工具の世界的な販売・普及に貢献することを目指している。
開発した技術のポイント
・脳外科用手術工具の深孔品質安定化の課題への対応
-ガンドリル自動研磨装置の開発
-加工時間や段取り時間を短縮可能な加工治具の開発
・吸引穴の品質保証の課題への対応
-機械学習を用いた光測定装置の開発
-多軸のワーク固定治具を構築
・将来的な整形外科手術工具の深孔加工の課題への対応
-Φ0.5mm, L/D=100超えの深孔加工ガンドリルマシンの開発
-加工時の流量変化を捉え、負荷や切粉詰まりの状態を検知する制御
具体的な成果
・脳外科用手術工具の深孔品質安定化の課題への対応
-加工時間及び段取り時間の短縮により、目標11分に対して6分56秒を達成
-不良率を10%程度に低減
-シンプルなパイプ形状に対して、面粗度Ra0.1程度を実現
・吸引穴の品質保証の課題への対応
-98%の確度で、傷の有無や面粗度に応じて4区分に分類
・将来的な整形外科手術工具の深孔加工の課題への対応
-Φ0.5mmで深さ60mmの加工に成功
知財出願や広報活動等の状況
・高精度な小径深孔加工を可能とするガンドリルマシンの振れ止め機構に関する特許(PCT 出願(PCT/JP2020/011777))
・医療用手術工具について要求される加工精度に対して光学的に計測し、数値保証可能か検討する点に関する特許
研究開発成果の利用シーン
従来よりも安全性の高い脳外科手術を行うことができるようになる。また、国内で高品質な製品を安定して供給できることで、脳外科以外の分野においても様々な外科手術での使用が見込まれる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化に向け様々な設備の開発や導入を実現、また社内で手術工具の内外形を一貫して試作から検査までできるノウハウ・体制づくりができた。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・最適な刃先形状を数値化、データ化することで、吸引穴の品質を一定化できる
・吸引穴の加工技術は、様々な外科用手術工具や医療機器の同様な深孔に対して適用が可能。
・安全性を担保した川下企業の方式の手術工具は、神経や血管の巻き込みが無く、神経や血管等の弾力性のある組織を温存できる
今後の実用化・事業化の見通し
・脳外科用手術工具
川下企業との話し合いの中で方針を明確にする。医療関係の特許、ノウハウが大きく絡む部分は川下産業、それ以外の製造プロセス及び品質確認の役割をハイタックが担う
・光測定装置
装置並びに技術は新たな市場獲得の可能性があり、測定器メーカーと新たに連携体に加えて、製品化、事業化を進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
・光測定装置に関しては、測定サンプルの種類を増やし、実用的に使用できる水準の仕様に仕上げるため、実験・検証・改良を重ねる
・Φ0.5の深孔加工に関しては、ガンドリル破損防止の確度を高めるため、機械改造やデータ取得、実験を重ねる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ハイタック |
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事業管理機関 | 公益財団法人静岡県産業振興財団 |
研究等実施機関 | 独立行政法人国立高等専門学校機構 沼津工業高等専門学校 学校法人光産業創成大学院大学 |
アドバイザー | 柳下 福蔵(沼津工業高等専門学校 名誉教授) 川下企業 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ハイタック(法人番号:2080101007356) |
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事業内容 | 自社製ガンドリルマシンによる受託深孔加工, ガンドリルマシン開発・製造・販売 |
社員数 | 25 名 |
生産拠点 | 本社に同じ |
本社所在地 | 〒410-0051 静岡県沼津市西熊堂716番地の41 |
ホームページ | https://www.hi-tak.co.jp |
連絡先窓口 | 株式会社ハイタック 代表取締役 稲田 英教 |
メールアドレス | i-hidenori@hi-tak.co.jp |
電話番号 | 055-939-5444 |
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