精密加工
ターボファンの下板・翼・上板を一体成形できる金型により、効率的なターボファンの量産が可能に
東京都
松田金型工業株式会社
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ターボファン一体成形用メカトロ金型技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 自動車、産業機械、スマート家電、工作機械、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 空気ブロアファン、押え金型、スライダ、エアータオル、カーエアコン |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
直径5~10センチ、厚さ1.5センチ、7枚の羽をもつ空気ブロアファンを、30秒に1個の速さで自動生産する金型を開発する。この金型は上下の押え金型と羽根の間を埋めるスライダから成り、プラスチック注入後スライダが外側にずれて完成品を取り出す構造である。この結果、貼り合わせ、芯出し、バランス調整は不要となり、病院、空港などのエアータオル、カーエアコンの小型化、消音化、省電力化、低コスト化に貢献する
開発した技術のポイント
エアータオル用・自動車用カーエアコンの送風用ターボファンにおいて、直径100ミリ付近、厚さ15ミリ、9枚前後の羽根を有するプラスチック製ターボファンを標準として、多翼スライド構造のメカトロ金型の開発により、一体成形での生産を実現させる技術を開発する
(新技術)
金型コア内部で、ターボファンの下板・翼・上板などを射出成形時に一体成形する
(新技術の特徴)
下板・翼・上板の一体成形が可能なファンの構造を選定できるとともに、ターボファンの安定的な連続成形が可能になることで、ターボファンの生産の効率化が実現される
具体的な成果
・エアータオル用省エネ一体成形ファンの開発
‐PR法によるターボファン設計システムにより、一体成形が可能な、小型エアータオル用省エネターボファンの構造を選定し、設計を確定した
‐安定な連続成形が可能なアクチュエータ内蔵金型の開発を行った
・PC冷却用ターボファンの開発
‐PC冷却用小型ターボファンの最適構造化及びその成形プロセスの短縮化を実現した
‐環境対応型プラスチック材を用いたPC冷却用小型ターボファンの開発を行った
知財出願や広報活動等の状況
出願特許1件。展示会出展、多数。
研究開発成果の利用シーン
・ターボファンの下板・翼・上板を一体成形することが可能な、アクチュエータ内臓金型
・エアータオル用省エネターボファン・環境負荷対応型材料を用いた自動車用カーエアコン用ターボファンなどの、顧客ニーズに対応したターボファンのラインアップ
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・掃除機クラスのターボファンについては、ほぼ設計体制と金型設計のノウハウを確立した
・ターボファンの形状変更に関しては特性予測ができないため、金型製造のしやすい形状変更など積極的な改善提案が難しい
・アクチュエータ内蔵金型は量産性の確認が未達成となったため、改良金型を試作したが、その連続成形評価は未完である
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・ターボファン生産コストの削減に貢献
‐アクチュエータ内蔵金型により、従来別々に生産されていたターボファンの下板・翼・上板の一体成形及び連続生産が可能になることで、より少ない時間でより大量のターボファンを、高精度で生産できるようになる
‐一体成形をした場合でも、生産されたターボファンの間の形状のぶれは十分少なく抑えることが可能である
・ターボファンの効率的な量産の実現により、ターボファンの製品ラインアップの増加や売上増加に貢献
‐アクチュエータ内蔵金型を用いて、エアータオルや自動車用カーエアコンに用いる、環境にやさしいターボファンを生産することができた
‐上記以外の特徴を持つ他の用途向けのターボファンの生産も、同様にこのアクチュエータ内蔵金型を用いて行える可能性が高く、製品ラインアップ拡大が実現する
今後の実用化・事業化の見通し
・補完研究として、改良済みのアクチュエータ内蔵金型が連続成形可能であることを確認し、十分な量産性を有していることの実証を目指す
・サポイン事業で得られた成果を新聞や国際金型展などで広く公開することにより認知度を上げたうえで、各種ファン形状に関するアクチュエータ内蔵金型を、新製品として直ちに販売することを目指す
・エアータオル市場について、エアータオルメーカーを通じたエアータオル用ファンモータを販売することにより、参入してゆくことを検討している
・電子部品冷却用小型ターボファンについては、主に台湾メーカーへ売り込みを図る予定である
実用化・事業化にあたっての課題
川下企業であるユーザーと製品の評価について折衝中であり、その評価結果を待つ。
事業化に向けた提携や連携の希望
折衝中の川下ユーザーの評価結果を受け、今後の展開についての整合を図りながら、展示会出展等を検討していく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 松田金型工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | タマティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 学校法人芝浦工業大学 株式会社植田電器製作所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 松田金型工業株式会社(法人番号:5011501008781) |
---|---|
事業内容 | プラスチック成形用金型設計・製作 |
社員数 | 20 名 |
生産拠点 | 東京都荒川区西尾久5-19-1 |
本社所在地 | 〒116-0011 東京都荒川区西尾久5-19-1 |
ホームページ | http://www.matsuda-kanagata.co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役会長 松田正雄 |
メールアドレス | mkk@matsuda-kanagata.co.jp |
電話番号 | 03-3800-3531 |
研究開発された技術を探す