研究開発された技術紹介

電気自動車の軽量化でEV用電池パックケースは最重要課題の1つであるが、コストと品質を満たすにはアルミとCFRPまたはGFRPのマルチマテリアルでスペックを補完しプレス成形する技術開発が実効的である。異種材料のプレス積層接着では金属と樹脂の成形を金型の素材を代えて圧力、加熱、冷却をハイサイクルでおこなう量産技術を開発する。金属・樹脂のハイブリッドプレスは自動車部品の軽量化に広く応用される挑戦的技術開発である。

・上蓋プレス成型の課題への対応
-上型成形のハイサイクル化として、型締めしてから脱型までのサイクル時間4分50秒を達成
・CFRP内箱プレス成型への対応
-プレス成型の入サイクル化として、加熱、加圧、ストローク、下死点保持時間の最適組み合わせを探求し、4分30秒で成形
-アルミ外箱とCFRP内箱のプレス一体成形の試作は白濁、皺、目崩れなく接合
・金属と CFRP または GFRP の製作精度のアセンブリに及ぼす影響の事前評価と公差決定
-CFRPと金奥の変形に伴う乖離の推定においてシミュレーション施策を行い有効性を確認
-応力に対応する部分のみの金属部品の厚みを増強することの有効性を確認
・ハイブリッド型プレス技術の開発

・上蓋プレス成形
-上蓋用金型でアルミの上蓋を成形し、内側に CFRP を入れてプレスで加熱、加圧し複合接着をする。サイクル時間は t=１㎜で５分を達成
・CFRP内箱プレス成形
-内箱用金型でアルミの上蓋を成形し、内側に CFRP を入れてプレスで加熱、加圧し成形する。サイクル時間は t=１㎜で５分を達成
・アルミ外箱プレス成形
-アルミ外箱成形用金型の内側にCFRP を入れてプレスで加熱、加圧し成形した製品は粗さ精度±0.1 ㎜以内を達成
-アルミと CFRP を金型に積層して入れ、加熱、加圧して一体成形、サイクル時間は t=１㎜で５分を達成

・人とくるまのテクノロジー展に過去3年出展
・ハンブルク　Aircraft Interiors Exhibitionに過去2回出展
・EICMAに出展

プレス業界において樹脂と金属のハイブリッドプレス技術を確立することで、生き残り繋がる。また自動車の軽量化に貢献することで、燃費向上や環境対策に大きな効果を発揮する。

事業化に向けて、各産業の展示会や川下産業となるメーカーと情報交換や共同の技術開発を行っている。

・樹脂と金属のマルチマテリアルであり、軽量化と低コストの両立を実現できる。
・複雑な形状、一体加工を実現できる。

・EV自動車の市場規模は今後拡大することが想定され、車載用リチウムイオン電池市場の拡大と共にバッテリーケースの軽量化が進むのは間違いない
・2020年のサポイン事業修了後に、事業化に着手予定
・自動車、航空、二輪各産業のメーカーと共に技術開発のニーズや方向性に関するコミュニケーションを取っていく
・中国のtier1よりEV用バッテリーケースの試作品を受注

・ハイサイクル化（硬化時間、冷却、脱型時間の短縮）
・生産ラインの自動化
・アルミ外箱とCFRP内箱の一発一体成型の絞り加工

PCM法のプリフォームを省略した製法で生産性を向上したい、プリプレグの成形自由度を向上したい、という目的をもつ企業との連携