精密加工
塗装・転写工程レス!木粉樹脂を用いた木目調製品の低コスト・短納期製造技術
佐賀県
大栄工業株式会社
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 木粉樹脂による型内加飾成形技術の開発 |
---|---|
基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、環境配慮、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 木粉竹粉樹脂、加飾、射出成形 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車内装部材に多用される木目調の加飾法として本来の木の感触やぬくもりの発現や加飾工程の工数短縮等の低コスト化が求められており、本研究では木粉樹脂が閉空間での高温度領域で焦げる(変色する)特性に着目し、金型内で過熱しながら木目加飾するために木粉樹脂による射出成形と木目加飾を一体化し、塗装・転写工程レスとする新たな分野の技術の確立を目指す
開発した技術のポイント
木粉を混合した樹脂を金型内で加熱し射出成形する木目調製品製造プロセスの開発
・後工程の短縮によるコスト削減→従来の50%
・納期短縮→従来の3倍の高速化
(新技術)
<着色木粉樹脂+金型加熱による加飾>
(特徴)
・安価(塗装工程、転写工程レスの場合)
・納期短い
・中身が木
具体的な成果
・ポーラス入子による金型の作製
‐ポーラスの格子状構造は、空孔位置や形状を制御可能なため、低密度焼結構造と比較して、多くの通気量を得ることが可能
‐既存の金属光造型機用CAmと金属光造型機を活用して数種類の密度を変えた入子および厚さを変えた入子による金型を作製
・熱風/冷風噴射装置の開発
‐ヒーター出口で約350℃までをコントロールし、金型と接続して熱風と冷風を交互に送り込む熱風/冷風噴射装置を開発
・ペレットを作製し、木目を加飾
‐二軸押出機により、木粉樹脂作製時に着色剤を添加しペレットを作製し、そのペレットで成形した試験片の色目と強度を測定
‐樹脂自体が黒っぽいため着色剤を添加しても暗い色目になるが、目標とする色目は出すことができた
‐さらに、白の着色剤を合わせて添加することにより、ある程度は明るい色目にすることができると思われる
知財出願や広報活動等の状況
・商標登録:PARFECT(商標登録第5390151号)
・出展:先進ものづくり企業フェア(H22.9)、東北6県自動車部品展示商談会(H22.10)
研究開発成果の利用シーン
自動車内装部材の木目調の加飾を施した高品位成形品で特別な触感を得られる
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H25年度の実用化に向け、補完研究を継続
・プレートのサンプルあり(無償)
・取っ手、電話等のサンプルあり(有償)
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・新素材・新方式等の実現:木質系樹脂を利用した射出成形による同時加飾技術
・省エネルギー化:木質60%樹脂を使用することによる、石油資源の6割カット
・その他:廃木材利用による山の活性化
今後の実用化・事業化の見通し
H25年の自動車メーカー導入に向け、補完研究を継続
・川下企業より要求された、強度アップ、軽量化、コストダウンのための補完研究を継続中
・強度についてはほぼPP樹脂を上回っているが、引張ひずみだけは極端に小さく、もろいと感じられるため、色々な添加剤を試しながら研究を継続
・現在の課題を克服し、H25年に自動車メーカーへ導入
実用化・事業化にあたっての課題
木粉樹脂を大量に作製するには大きな二軸押出機が必要で、大きな費用が掛かる。また、木粉樹脂の成形性(樹脂流動性)が悪く、成形後は木粉がスクリューに残るため一般の樹脂成形が直ぐにできなく、材料ロスも大きい。
事業化に向けた提携や連携の希望
木・竹粉製品の触感や耐熱性または表面の模様を生かせる商品や取扱いメーカーを模索中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 九州大栄工業株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人九州工業大学 情報工学部機械情報工学科 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 大栄工業株式会社(法人番号:83000-01-010893) |
---|---|
事業内容 | プラスチック成形・塗装・組立 |
社員数 | 180 名 |
生産拠点 | 佐賀県 |
本社所在地 | 〒849-0111 佐賀県三養基郡みやき町白壁1964 |
ホームページ | http://www.daiei-gr.co.jp |
連絡先窓口 | 部品事業部生産技術グループ 吉富徳次 |
メールアドレス | qeg-t.yoshitomi@daiei-gr.co.jp |
電話番号 | 0942-89-3813 |
研究開発された技術を探す