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測定計測

世界で初めての尿による認知症の重症度が判断可能な検査キットを開発し、高齢者のQOLに大きく貢献する。

千葉県

株式会社アミンファーマ研究所

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 尿による認知症重症度が判断可能な検査キットの開発
基盤技術分野 測定計測
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 認知症リスク評価、尿、3-HPMA、AC-Acro、Cre
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成29年度~令和1年度

プロジェクトの詳細

事業概要

認知症の診断には、専門知識を要する時間のかかる作業を必要とする。本事業では、世界で初めての尿による認知症の重症度が判断可能な検査キットを開発する。原理は細胞障害時の毒性物質・アクロレインに関する知見を応用し、得られた測定値と血液データからニューラルネットワークの手法を用いて軽度の認知症を区別可能とし、人間ドックや健診にて画像診断の1/3の価格で検査するサービスを提供し、高齢者のQOLに大きく貢献する。

図1
図2
開発した技術のポイント

1.認知症尿中バイオマーカーに特異的な抗体の作製
2.尿夾雑物の影響を排除するELISA測定法の確立
3.分子レベルのバイオマーカーの有効性解析と測定キットの検証

具体的な成果

1.認知症尿中バイオマーカーに特異的な抗体の作製
・抗体作製のための化合物などの合成を純度95%以上の目標値を達成。
・低分子バイオマーカー検出のため、ポリクローナル抗体は作製完了、モノクローナル抗体は確認中。
・バイオマーカー測定法の最適化、認知症検査サービスは画像診断のコストと比較して、コスト1/3は十分に達成できる。
2.尿夾雑物の影響を排除するELISA測定法の確立
・尿の前処理法確立とバイオマーカー測定は感度・特異度共に90%以上の精度で測定可能。
・尿中バイオマーカー値の補正と検証について、バイオマーカーとして3-HPMAとAC-Acroを併用することで、認知症重症度評価の精度が上昇する。
・認知症判断用マーカーとしての有用性の検証としてヒトサンプルを240取得。さらにサンプルの有効利用を行う。
3.分子レベルのバイオマーカーの有効性解析と測定キットの検証
・有効性解析のための化合物等の合成を完了し、純度98%以上を達成。
・バイオマーカーの有効性解析について、アクロレインのバイオマーカーとしての有用性が検証できた。

知財出願や広報活動等の状況

<特許>
・特許登録:第6074685号(2017年1月20日).五十嵐一衛、柏木敬子、吉田円、溝井睦美、斎木遼太郎.2-HPMAを指標とした脳卒中及び/又は脳梗塞の判定方法
・特許登録:第6478268号(2019年2月15日).五十嵐一衛、吉田円.尿中のアクロレイン代謝物及びクレアチニンを指標とする認知機能障害の検査方法

研究開発成果の利用シーン

認知症の診断を簡便かつ低コストで行う

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

尿中バイオマーカーによる認知症のリスク評価事業を2021年から開始予定。

提携可能な製品・サービス内容

試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス

製品・サービスのPRポイント

世界初の尿中認知症バイオマーカーを見出し、尿中の3HPMA(3-hydroxypropyl mercapturic acid)と尿中AC-Acro(amino acid-conjugated acrolein)を測定することで、健常者と認知症患者を区別できるだけでなく、経度認知症とアルツハイマー病も区別できることが分かった。細胞障害児の毒性物質・アクロレインに関する知見を応用し、人間ドッグや検診にて検査するキットを提供する。

今後の実用化・事業化の見通し

AC-Acroに加え、2-HPMAの研究は、2020年以内で終了予定。
尿中バイオマーカーによる認知症のリスク評価事業を2021年から開始予定。

実用化・事業化にあたっての課題

認知症並びに脳梗塞予防薬としてのN-アセチルシステイン誘導体の開発は、製薬会社と共同で行い、医薬品としての認可を目指す。

事業化に向けた提携や連携の希望

現在、尿中認知症バイオマーカーによる「認知症リスク評価」事業を一緒にやってくださる臨床検査会社または製薬会社を探している。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社アミンファーマ研究所
事業管理機関 公益財団法人千葉県産業振興センター
研究等実施機関 学校法人加計学園 千葉科学大学
国立大学法人千葉大学
アドバイザー 神崎 哲人(千葉大学 大学院薬学研究員 医薬品情報学 教授)
伊藤 大智(IMS(イムス)グループ 予防医学部門 管理部 施設管理部)
石澤 克彦(㈱江藤微生物研究所 第一営業本部 副本部長)
富岡 登 (千葉市産業振興財団 千葉大亥鼻イノベーションプラザ インキュベーションマネージャー)

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アミンファーマ研究所(法人番号:8040001011803)
事業内容 医療に付帯するサービス業及び診断用医薬品の研究・開発
社員数 6 名
生産拠点 本社
本社所在地 〒260-0856 千葉県千葉市中央区亥鼻一丁目8番15号
ホームページ https://amine-pharma.com/index.html
連絡先窓口 株式会社アミンファーマ研究所 代表取締役社長 五十嵐 一衛
メールアドレス iga16077@faculty.chiba-u.jp
電話番号 043-224-7500