研究開発された技術紹介

コネクター産業では携帯端末機器等の高機能化と需要の拡大により、高性能化と安定供給が要求されている。コネクターの端子部分のフープめっきを行っている、当社では高い要求品質を満足するめっきの開発と量産を行っている。しかし生産性が低いという課題が生じている。めっき設備は自動化されているが、材料投入は手動である。生産性向上の為に、高精度で高速に材料を投入出来る自動機の開発を行い、川下産業のニーズに応える。

・製品の形状認識
-1台のカメラを移動させて品種判定、位置合わせ確認、形状検査を実施。必要なパラメータを画像より取得し、位置合わせ座標を算出するプログラムを構築
-取り込んだ画像をもとに、品種判定プログラム、位置合わせプログラムを構築
・接合時の位置制御
-人間の視覚では判別できない材料の重なり具合を画像処理システムを用いて定量的に明確化（穴部分の真円度を測定）する方法
-位置決めの駆動系に用いるモーターの振動特性、騒音特性を考慮した動作プログラムの構築
・接合強度への対応
-抵抗溶接とレーザー溶接を組み合わせた接合手法の確立。最適な溶接条件や溶接回数の明確化

・製品の形状認識
-入力パラメータを20項目から4項目に低減
-形状認識設定工数を1回あたり30分から1分に短縮
-従来2品種にしか対応できなかったが、全品種対応可能に
・接合時の位置制御
-サイクルタイムを40秒から15秒に短縮
-位置制御のずれ量を±1.2mmから±0.05mmへ低減
・接合強度への対応
-目標29.4N以上に対して100N以上を実現
・要素技術の複合化
-製品の形状認識、接合時の位置制御、接合機構の構築をすべて組み合わせた連続材料供給装置を完成させた

特許番号 特許第 6322776 号　登録日 平成 30 年 4 月 13 日(2018.4.13)
発明の名称 フープ材の自動接続装置

特許番号 I682879 (台湾)　登録日 2020 年 1 月 21 日
発明の名称 フープ材の自動接続装置

出願番号 韓国特許出願第 10-2019-003540 号　出願日 2019 年 1 月 10 日
発明の名称 フープ材の自動接続装置

・自社ハイスペック品の生産能力向上を実現したいシーン
・顧客からの受注量に応じて、既存設備の生産性を調整したいシーン

拡大し続けている市場規模からくる顧客ニーズに対しても、自社の生産能力向上という形で貢献することが期待される。
2025年には90兆円規模となるコネクター市場において、日本陣営が世界シェアの12%を確保しており、その中でもハイスペックなスポット溶接は東新工業株式会社に集中しており、量産ラインへ設置完了すると13,000百万円程度の売上が見込まれる。

高速・高精度な自動材料投入装置の開発により生産性向上を実現することで、技術流出や生産移転を防止することができる。それ以外には以下の成果や効果が見込まれる。
・現有設備の生産能力倍増
・多品種少量の生産群への対応
・本技術はめっき工法が進化しても対応可能

連続材料供給装置と量産ラインの接合、製作コストの低減