機械制御
超伝導ピン止め効果による浮上位置決め技術を応用した完全非接触な無発塵回転機器の開発
茨城県
株式会社フジヒラ
2020年4月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超伝導ピン止め効果を応用した低発塵回転体の位置決め技術の開発 |
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基盤技術分野 | 機械制御 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 超伝導磁気浮上、超伝導モーター、超伝導ミキサー |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医薬品製造や化学プロセス分野では、異物の混入が製品の品質劣化に繋がるため、高い清浄環境での溶液攪拌や液体搬送を可能とする低発塵技術の開発が急務である。これら川下製造業者が抱える課題を解決するために、本提案では、超伝導のピン止め効果を利用し、完全非接触状態で物体を空中位置決めする技術を高度化することにより、高効率の極低温冷却システムを備えた無発塵の回転機器である攪拌器およびケミカルポンプを開発する。
開発した技術のポイント
超伝導のピン止め効果を利用し、完全非接触状態で物体を空中位置決めする技術を高度化することにより、無発塵の回転機構を備えた攪拌器及びケミカルポンプを開発する
(新技術)
バルク超伝導体のピン止め効果を応用し、撹拌翼や回転子を空中に位置決め、トルク伝達を行い、完全非接触な回転を実現する
(新技術の特徴)
摺動部分の無い完全非接触な回転機構により、無発塵状態を実現することが可能になる
具体的な成果
・超伝導体のピン止め効果を利用した位置決め技術の確立
‐超伝導体回路のバルクサイズや配置などの諸条件が位置決め機構に及ぼす影響を特定した
・回転トルク伝達機構の高度化
‐永久磁石回路を工夫することにより、実用化に必要とされる回転速度を達成した
・回転機器の高速回転安定化技術
‐回転トルクを伝達する機構と、バルク超伝導体を利用して永久磁石回路を浮上回転させる機構を分離したシステム構成により、液体搬送用ポンプに必要な3000rpm以上での高速回転安定化を達成した
・攪拌機及びポンプに最適な冷却システムの設計及び試験機の製作
‐攪拌機用として、超伝導バルク体群を使用した液体窒素中での軸受回転機能を確認した
研究開発成果の利用シーン
・完全非接触回転機構を搭載した無発塵の撹拌機及びケミカルポンプ
・高清浄環境を必要とする半導体製造等の搬送装置、位置決め装置、分子ターボポンプ
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
実用化に必要な基盤技術が開発され、撹拌機、ポンプの試作品の製作・評価を通じ、実用化に向けた開発を進める段階である
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・従来品にはない、完全非接触浮上回転機構を実現
‐超伝導体と永久磁石の磁気カップリングを利用することにより、制御が不要な安定浮上が可能となり、完全非接触な磁気浮上回転機構を実現できる
・無発塵プロセスを実現、各種製造プロセスへの応用が可能
‐機械式ベアリングを使用する従来の回転機器とは異なり、摺動による発塵が全く無い高清浄なプロセスが実現できる
‐バイオ・医薬品製造における溶液撹拌機、化学プロセスにおける液体搬送ポンプへの応用においては、異物の混入が全く無い製造プロセスが実現できる
‐半導体製造プロセスにおける搬送、位置決め、送液など、高清浄環境が要求される各種製造プロセスへの応用が期待される
今後の実用化・事業化の見通し
・超伝導ピン止め効果を利用した位置決めに関する設計技術が確立し、超伝導撹拌機、超伝導ケミカルポンプの実用化に必要な要素技術や周辺技術が開発できた
・次のステップとして、試作品の開発評価を進め、製品実用化に繋げていく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社フジヒラ |
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事業管理機関 | 学校法人芝浦工業大学 研究推進室 研究支援課 |
研究等実施機関 | 学校法人芝浦工業大学 工学部 材料工学科 有限会社マグネオ技研 セイコー化工機株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社フジヒラ(法人番号:4050001009734) |
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事業内容 | 製造業 理化学機器製造販売 |
社員数 | 5 名 |
本社所在地 | 〒305-0047 茨城県つくば市千現2-1-6 |
ホームページ | http://www.fujihira-gr.co.jp/ |
連絡先窓口 | 本社 |
メールアドレス | info@fujihira-gr.co.jp |
電話番号 | 029-875-8401 |
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