接合・実装
高調波規制に適合した高効率三相交流電源ユニットの開発
長崎県
イサハヤ電子株式会社
2023年2月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高調波規制に適合し省エネ・小型化を実現するためブリッジレスアクティブフィルタ方式を用いた次世代高効率三相交流電源ユニットの開発 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、食品、半導体、工作機械、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(電力変換効率の向上)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 三相交流電源、高調波規格、ブリッジレスアクティブフィルタ、高効率・高力率、小型化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
業務用の冷凍・冷蔵機器等に組込まれる三相交流電源ユニット(三相力率改善回路+インバータ回路)において、従来のパッシブフィルタ方式や一石式アクティブフィルタ方式では高調波規制の適合や小型化、電力変換時の損失が大きいなど課題がある。このような課題を解決するため、ブリッジレスアクティブフィルタ方式を採用し、高調波規制に対応する高力率・高効率、小型化、さらに寿命予測に対応した次世代三相交流電源ユニットを開発する。
開発した技術のポイント
・高効率・高力率デジタル電源ユニットの開発
-シミュレーションを用いた制御パラメータや回路定数などの最適化
・寿命予測の研究開発
-劣化検知に特化したソフトウェアの開発および寿命判定アルゴリズムの開発
具体的な成果
・高調波規格に準拠
-ブリッジレスアクティブフィルタ方式の最適な制御方法の開発を行うことで、国内規格JIS61000-3-2に準拠する電源の開発を行った。
・効率96%以上、力率0.99以上を達成し、小型化を実現
-パワーデバイスの選定を行い、制御アルゴリズムの最適な制御方法の開発を行うことで、三相交流電源ユニットにおいて定格10kW出力時に効率96.1%、力率0.9992を達成する電源を開発した。パッシブフィルタ方式の従来品から約30%のサイズダウンを達成した。
・電源の寿命予測システムを搭載
-三相交流電源ユニットに用いられる部品の中で最も寿命が短い平滑用の電解コンデンサの電気的特性を監視し、AI(人工知能)による電源ユニットの寿命検知の手法を開発した。
知財出願や広報活動等の状況
令和2年度に電源ユニットの寿命予測方法(電圧ステップ変化法)を利用した静電容量を推定する技術(=寿命予測技術)の特許出願し、令和3年度にPCT出願(国際出願)を行った。
発明の名称:静電容量測定装置および静電容量測定プログラム
国際公開番号:WO2022/064915
国際出願番号:PCT/JP2021/30536
研究開発成果の利用シーン
研究開発成果は、高効率・高力率な電源ユニットである。
工作機械などの産業機械や半導体製造装置用の真空ポンプの製造メーカーや工作用ロボット、レーザー加工機の製造メーカー装置への専用の電源ユニットに活用することで,高調波規制に適合した高効率・高力率な装置にすることができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
用途及び顧客の要求に合わせた電源ユニットを一品一様にカスタマイズ設計し、製造、販売することを基本方針として事業化を図っていく。また、イサハヤ電子株式会社の国内外の販売チャネルを活用して新しい顧客、新しい地域(海外)への参入を目指す。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
高調波規制に適合し省エネ・小型化を実現するためブリッジレスアクティブフィルタ方式を用いた次世代高効率三相交流電源ユニットである。
また、高効率・高力率・小型化・高調波規制に対応できる。また、寿命予測技術により保守を容易にできる三相電源ユニットである。
今後の実用化・事業化の見通し
・令和4年度は出力容量別に回路設計を行い,令和5年度以降は商談があり次第,カスタマイズ設計を開始し半年後にはサンプル出荷を目標とする。
実用化・事業化にあたっての課題
事業化に係る課題として次の二点があり,それぞれ対策を講じていく
・半導体素子の高騰⇒最適な素子選定を行う等して対応を行っていく
・EMC試験の余裕度が少ない⇒客先ごとに実際の負荷でEMC試験合格できるような個別設計を行っていく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | イサハヤ電子株式会社 半導体事業本部、システム電源開発研究所、生産技術本部、技術管理室 |
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事業管理機関 | 公益財団法人長崎県産業振興財団 研究開発推進グループ |
研究等実施機関 | 学校法人長崎総合科学大学 大学院新技術創成研究所 電気電子情報部門 教授・部門長 松井 信正、講師 梶原 一宏、学術研究員(特命助教) 王 吉喆、濱口 多恵 長崎県工業技術センター 次長 兼 基盤技術部長 兵頭 竜二、研究企画課兼電子情報科 主任研究員 中川 豪、所長 橋本 亮一 |
アドバイザー | 大和冷機工業株式会社 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | イサハヤ電子株式会社(法人番号:6310001007874) |
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事業内容 | モジュール製品、ディスクリート製品の設計、開発、製造、販売 |
社員数 | 176 名 |
生産拠点 | 中国深圳、フィリピンラグナ州にて生産。 |
本社所在地 | 〒854-0065 長崎県諫早市津久葉町 6番地41 |
ホームページ | https://www.idc-com.co.jp/jp/ |
連絡先窓口 | イサハヤ電子株式会社 技術管理室 近藤、松岡 |
メールアドレス | kondoukn@idc-com.co.jp |
電話番号 | 0957-26-3684 |
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