製造環境
社会課題解決に繋がるウルトラファインバブルを用いた食品への応用研究及び装置の開発事業
三重県
ミナミ産業株式会社
2024年12月5日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ウルトラファインバブルを用いた食品の品質改善及びそれに適した発生装置の開発 |
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基盤技術分野 | 製造環境 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、農業、産業機械、食品、物流・流通 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(食品等の品質向上、保存期間の延長)、高効率化(人件費削減)、環境配慮 |
キーワード | ウルトラファインバブル、長期保存、酸化抑制、酵素的褐変抑制、穀物臭低減 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ウルトラファインバブル(UFB)は経済産業省が主導して日本が世界をリードする技術として様々な分野に適用されているが、食品への適用事例は、当社と三重県工業研究所以外からはほとんど発表されていない。本計画では、当社と三重県工業研究所の過去の研究開発を発展させ、UFBを食品に適用する。UFBによる酸化抑制、洗浄等の効果によって製品の品質向上、賞味期限の延長とその目的のために適切なUFB発生装置及び関連装置を開発する。
開発した技術のポイント
・UFB発生装置及び関連設備の設計と試作
-ウルトラファインバブルで脱酸素した水を連続して供給できるシステムの検討及び制御
-新型形状のエレメントを用いた静置混合式UFB発生装置
平均粒径:112nm 濃度:4.1×108個/ml
具体的な成果
・UFBによる食品の品質の改善と保存性の向上
-豆乳等大豆加工食品、カット野菜、果汁、清酒等広範な食品に対する不活性ガスウルトラファインバブルを適用し、風味の改善や酵素的褐変による劣化抑制の効果を確認した。
-食用油の製造工程に不活性ガスウルトラファインバブルを適用し、保存性の高い容器詰め食用油を開発することができた。
・UFB発生装置及び関連設備の設計と試作
-現在市販されているウルトラファインバブル発生装置と同程度の能力を持ち、しかも低価格の発生装置用のミキサーの設計を行った。
-油脂のウルトラファインバブル処理に使用できる、高温対応のウルトラファインバブル発生装置を開発した。
-食品製造に活用できる脱酸素水製造制御装置を試作した。
知財出願や広報活動等の状況
・国際特許の出願
-PCTJP2021/006853「豆乳の製造方法」
・国内特許の出願
-特願2022-「食肉用加工食品の製造方法」
-特願2021-26968「油脂「油脂の酸化防止方法」
-特願2021-26969「野菜又は果実の酵素的褐変抑制方法」
-特願2022-「食用油及びその及びその製造方法」
研究開発成果の利用シーン
豆乳等大豆加工食品、カット野菜、果汁、清酒、食用油等などの食品製造業への適用が期待される。また食品分野以外では化粧品分野への活用可能性を見出し、コンクリートの剥離剤への適用可能性を確認している。
左から水道水、脱酸素水、右2つ窒素UFB水)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
2022年にUFB技術を活用した食品のR&D/生産施設の建設を進めており、2023年3月にUFB水等を使ったプラントベースフードの製造や様々なUFBの実証研究ができる設備を導入し、事業化を目指す。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・粘度が低く飲みやすい大豆飲料(まるごと豆乳)の製造
・臭みの少ない大豆タンパク加工食品の製造
・次亜塩素酸ナトリウム溶液と併用することでの野菜加工品の保存性向上、酵素的褐変抑制
・保存時の酸化を抑制し鮮度が保持される食用油の製造
・保存しても風味の劣化の少ない清酒の製造
・美容液の変色抑制
今後の実用化・事業化の見通し
2022年度にR&D/生産施設の建設を進めている。新施設ではUFB技術を活用しプラントベースフードの製造への活用を目指す。また施設では幅広い食品の実証研究にも対応し、食品業界へのアピールのみならずウルトラファインバブル応用機器の開発や販売にもつなげていく。既に大豆加工食品向けや水産関係向けの設備の注文を複数受けており、UFB発生装置のみならず、様々な加工ニーズに合わせたアプリケーション設備の開発を進めていく計画である。
実用化・事業化にあたっての課題
複数分野への技術開発の深化が課題である。具体的には色調や不溶物の安定性に優れた果汁の製造や、油揚げ類への応用、非食品としてコンクリートへの応用への検討などがあげられる。また油中でのウルトラファインバブルの測定方法の確立も求められる。
その他はウルトラファインバブル水の調整能力と製造に使用する水の消費量が不均衡であるため、製造を考えるとウルトラファインバブル水の効率化やウルトラファインバブルの機能を発現するウルトラファインバブルの個数密度の下限値見極めも課題である。
事業化に向けた提携や連携の希望
食品分野へ幅広く応用が期待できる技術であり、食品等の関連する機器メーカーや商社、食品メーカー様とも連携を考えている。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ミナミ産業株式会社 代表取締役 南川 努 |
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事業管理機関 | 公益財団法人三重県産業支援センター 事業部 技術支援課 |
研究等実施機関 | 三重県工業研究所 食と医薬品研究課 主査研究員 佐合 徹 |
アドバイザー | 産業技術総合研究所、株式会社三重TLO 株式会社おとうふ工房いしかわ 尾鷲物産株式会社 辻製油株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ミナミ産業株式会社(法人番号:6190001016509) |
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事業内容 | 食品機器、検査機器製造業、大豆その他の製粉業、食料品製造業 |
社員数 | 19 名 |
生産拠点 | 三重県四日市市 伊勢市、中国昆山 |
本社所在地 | 〒510-0025 三重県四日市市東新町3-18 |
ホームページ | https://www.minamisangyo.com/ |
連絡先窓口 | ミナミ産業株式会社 代表取締役社長 南川 努 |
メールアドレス | minamigawa@minamisangyo.com |
電話番号 | 059-331-2158 |
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