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精密加工

半導体製造装置メーカーの求める国産ハステロイ材MAT21の高精度量産加工技術の開発

三重県

高洋電機株式会社

2023年2月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ウルトラファインバブル・高圧クーラントハイブリット加工による国産ハステロイ製部品の高精度・高能率加工技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、半導体
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード MAT21、半導体製造装置、難削材、高精度加工、量産加工
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

半導体製造装置において、腐食性特殊雰囲気で使用されるステンレス部品を超耐食合金MAT21に代替し、部品の耐久性を高め、製造ラインの部品交換ロス時間をなくし稼働率を上げる。MAT21は、難削材ハステロイ以上の難削性をもち、量産加工の実績を持つ企業は存在しない。本事業ではウルトラファインバブル高圧クーラントユニット加工法を確立し、MAT21の量産加工技術を研究開発する。

開発した技術のポイント

・UFB高圧クーラント装置による切削技術の開発
-高圧クーラント制御技術
・高強度工具の開発
-工具のレーザー加工条件の最適化
・工具寿命検知システムの開発
-ドリル振動の検出技術

具体的な成果

・UFB高圧クーラント装置による切削技術の開発
-標準クーラントを使用した場合と比べ2倍以上の工具寿命。
・高強度工具の開発
-ナノ多結晶cBN製のエンドミルとドリルの開発。
・工具寿命検知システムの開発
-工具寿命の予兆となる異常振動を特定した。
・確立した加工法のその他難形状-難削材での有効性検証
-MAT21材で加工評価をおこない、その他の難削材で有効検証をおこなった。

知財出願や広報活動等の状況

本事業で開発する工具の刃先形状における権利化を目指す。また、本事業で確立する加工技術はノウハウとして営業秘密管理をおこなっていく。

研究開発成果の利用シーン

現行のハステロイを使用する分野には高品位で代替することが可能である。半導体製造装置における腐食性特殊雰囲気で使用するステンレス部品の代替である。また、本事業の超耐食合金MAT21精密切削加工技術開発により、量産体制の構築が可能となる。本加工技術は、既存ハステロイ、インコネル、パーマロイ、パーメンジュール、ワスパロイ、コバール、インバー、純ニッケルなどその他すべてのNi合金にも有効であると考えられる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

令和4年までは締結部部品における試作完了および評価中である。令和4年度以降ではシャワー部、バルブ部、シール部の量産立ち上げを見込む。令和6年以降は他の半導体装置メーカーへの売り込み及び国内外への展示会に出展する。もちろんチャンバ内の部品だけでも、加工難易度は高くなるが展開可能な部品は多く存在する。さらにMAT21 の実績を増やすことで、他半導体製造メーカへの展開が見込め、他業種への展開が容易になる。また半導体製造装置メーカーから締結部の試作依頼を受け付け済みである。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

・半導体製造装置
本事業により国内製造装置メーカ並びに半導体メーカの競争力強化に寄与できる。
・化学プラント
腐食性化学物質を使うプラントでは耐食性金属のニーズに貢献できる。
反応器、攪拌機、熱交換機、パッキン、継手、バルブ、ポンプ等適用部品を狙う。
・自動車産業
ターボチャージャー部品では、耐熱ステンレス及びインコネルが既に使われており、
普及が進み価格メリットを出されば、高品位のMAT21に代替できる。
・航空宇宙産業
ジェットエンジンの部品には、既に6~7種の既存ハステロイが使われている。
MAT21の高温域耐食性はこの分野でも十分に代替する性能を持つ。
また、本加工技術は、既存ハステロイ、インコネル、パーマロイ、パーメンジュール、ワスパロイ、コバール、インバー、純ニッケルなどその他すべてのNi合金にも有効であると考えられる。

シャワー部品の試作
今後の実用化・事業化の見通し

令和4年までは締結部部品における試作完了および評価中である。令和4年度以降ではシャワー部、バルブ部、シール部の量産立ち上げを見込む。令和6年以降は他の半導体装置メーカーへの売り込み及び国内外への展示会に出展する。MAT21の普及に不足している条件はその量産加工技術だけであり、その確立さえ出来れば材料として普及することは間違いないと考えている。

製造設備(マニシングセンタ)
実用化・事業化にあたっての課題

量産化に向けてさらなる開発研究を進める必要がある。引続き工具メーカと協力し工具寿命を伸ばしていくことが今後の課題である。

事業化に向けた提携や連携の希望

難削材を高精度で量産加工する技術が活かせる業界への売り込み先を模索中。半導体製造装置メーカーを中心に難削材を必要とする業界の情報など

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 高洋電機株式会社 代表取締役社長 高祖 雅規、常務取締役兼生産本部長 蕨 智雄
事業管理機関 公益財団法人三重県産業支援センター 事業部 技術支援課
研究等実施機関 学校法人中部大学 工学部 機械工学科 教授 鈴木 浩文
三重県工業研究所 プロジェクト研究課 主査研究員 森本 和邦
アドバイザー 日本タングステン株式会社 
株式会社トクピ製作所
株式会社不二越
京セラ株式会社 
ヤマザキマザック株式会社
シチズンマシナリー株式会社
日立金属株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 高洋電機株式会社(法人番号:3190001006636)
事業内容 製造業
社員数 147 名
本社所在地 〒519-0412 三重県度会郡玉城町中楽639-1
ホームページ https://koyofirst.jp/
連絡先窓口 高洋電機株式会社 代表取締役社長 高祖 雅規
メールアドレス koso_power@koyofirst.jp
電話番号 0596-58-2121