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機械制御

風力を減衰し風害を抑制し住みやすい街づくりを実現する

愛知県

株式会社ヤマダ

2023年2月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 風力削減に風車を用い、削減過程で発電、その電力により回転を自己制御し、風害の発生を防ぐ建材の研究開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、環境配慮
キーワード 風力減衰、ビル風、再生可能エネルギー、防風対策、垂直軸風車
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

・風車の回転を利用して「ビル風」の発生を抑制し、風力の減衰を可能にする建築物に実装可能な建材の開発
・風減衰に風車を利用することで発電する電力を自らの過回転防止の制御や余った電力を非常時の予備電源として使用する開発

WINDAB単体写真
開発した技術のポイント

・風力削減と安定した発電を達成できるユニット構成の確立
・風車形状、風車重量、風車強度、慣性モーメントの分析による最適な風車ユニットの確立
・安定して発電できる発電機と、電力を風車制御と蓄電にロスなく振り分けることができる電力制御プログラムの開発
・サポニウス型の風車羽根の開発。揚力型と比較して部品点数を少なくでき、製品重量を軽くできる。起動風速や共鳴音の発生が抑えられる。
・FEMにより羽根部最弱部の確認し、羽根部にリブを付けた結果、許容応力値以下となることを確認
・WINDABの建材としての耐候性・耐久性の担保

セントレア実証
具体的な成果

・風速削減 40%以上の目標値に対し、風速削減 20~80%の実測値を得た。
・発電量100W/day(風速 8m/s時)の目標値に対して100.8W/day(風速14m/s時)の実測値を得た。
・電気制御装置を100mm×150mm以下の筐体内に収納できるサイズまで小型化できた。
・WINDABの建材として、構成部品の耐候試験の実現
・中部国際空港(セントレア)にWINDABを設置するにあたって改良を重ねた結果、当該地域で必要とされる「耐震強度」「耐風圧強度」を確保

風速減衰値(セントレア実証)
知財出願や広報活動等の状況

・名古屋市プレスリリース(Hatch Meets)
・中部経済新聞掲載
・建通新聞掲載

中部経済新聞 記事
研究開発成果の利用シーン

・風速低減によってビル風問題を解決し、発電を可能にした風力減衰装置「WINDAB」の提供
・風害の想定される、地下鉄、高速道路、山間部、海辺などの場所への暴風対策としての設置

WINDAB利用シーン

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

セントレアでの最終屋外検証でクリアすべき課題が明確になった。明確化した課題を解決する為の製品改良を行い、追加の実証を行う必要がある。
高層ビルの建築素材としての利用に限らず、新たな事業展開として空港や地下鉄のホーム、高速道路、沿岸部や山間部など、気圧や地形などにより発生する強風軽減対策として設置し、風害を抑止することを計画している。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

風速低減によって都市及び局所的な風環境問題を軽減し、発電により自らの過回転を制御する風力減衰装置「WINDAB」の提供。当該設備を設置することにより、ビル風による歩行者への影響を低減できる可能性がある。
従来の防風対策とは異なる=建築物や構造物と一体化できることにより、建物の形状やセットバック等の土地の制限が無くなる。

今後の実用化・事業化の見通し

中部国際空港での実証実施により、国内外の空港からの引き合い等の期待ももてる。
引き続き下記日程の通り進めていく。各種業界や企業へのプロモーションやアプローチを併せて実施する予定である。
・令和4年2月~セントレア屋外実証 最終仕様のサンプル出荷 、プレス発表、事業化へのアピール(業務連携企業、公官庁等)、展示会等への出展
・令和4年4月~:量産製造を見据えた事業連携(建材メーカー等と)→量産開発、量産試作検証
・令和5年4月~:設計物件への見積提出
・令和6年4月~:見積提出物件の量産製造開始
・令和7年4月~:建材メーカーでの建材販売(規格品)開始

実用化・事業化にあたっての課題

中部国際空港(セントレア)にWINDABを設置してのフィールド実証により、WINDAB の 回転時の騒音値が60dbを超えることがわかった。
空港利用者からのアンケート結果では「騒音としてあまり感じない」という傾向の結果が出たが、60db以下にする為の改良が必要である。
また、実証では想定とは異なり風が弱く、低風速時の回転力及び低回転時の発電力に課題が残った。
併せて建材としての性能や量産製造を見据えた場合、WINDAB外枠及び筐体の部材形状等の設計見直しが必要。WINDABの外枠と筐体を一体構造(一体枠)にする等の改良が今後必要。これらの改良を加えた上で、さらなる実証検証が必要。

事業化に向けた提携や連携の希望

WINDABは、使用する場所や環境(ビル、階高、地域等)、壁面(垂直面)、庇タイプ等、さまざまな条件下での設置となる。その為、設置する現場単位での設置方法や筐体の形状が異なってくることが想像される。
これらを考えると建材メーカー等との提携・連携が必要と考える。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ヤマダ
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業振興公社
研究等実施機関 株式会社池田加工
国立大学法人名古屋工業大学 工学研究科・工学専攻・電気・機械工学系プログラム・環境流体研究室
アドバイザー 株式会社久米設計
株式会社LIXIL
株式会社スカイ電子
名古屋市工業研究所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ヤマダ(法人番号:6180001021212)
事業内容 プラスチック製品の開発・製造
社員数 118 名
生産拠点 津島工場(愛知県)
本社所在地 〒454-0842 愛知県名古屋市中川区宮脇町2-65
ホームページ http://www.k-yamada.co.jp
連絡先窓口 株式会社ヤマダ 新規事業推進室 中嶋 次郎
メールアドレス j-nakashima@k-yamada.co.jp
電話番号 052-361-1834