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機械制御

河川海上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローンの開発

茨城県

株式会社ロックガレッジ

2026年2月5日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 河川海上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローンの開発
基盤技術分野 機械制御
対象となる産業分野 ロボット、建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード ドローン、点検、水上、水上ドローン、ロボット
事業化状況 実用化間近
事業実施年度 令和4年度~令和6年度

プロジェクトの詳細

事業概要

河川海上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローンの開発を実施した。本プロジェクトでは、ハードウェア開発・自律制御技術の開発、ソフトウェアとの融合によるソリューション開発、実用化・実証を計画した。防水ホバークラフトの設計・製作、点検用機材の搭載、流れのある環境下での自己位置保持のための制御システム実装、障害物のある環境下での自律移動や衝突回避、ユーザーインターフェースの研究開発、データ管理・システム連携のためのバックエンドサーバシステムの開発、点検要領に基づく点検手法に関する研究・評価を実施した。ドローンではリスクの高い点検箇所、点検困難な構造物に対応するため、全方向移動可能なホバークラフト型の水上移動ロボットを開発し、ドローンと使い分けることによってさまざまなタイプの水上構造物に対応することを目標とした。

開発した技術のポイント

・従来の空中ドローンでは運用が困難であった低桁高橋梁、暗渠、桟橋、水路などの狭あい部点検を対象に、ホバークラフト型の水上ドローンという新しいロボット形態を開発した。墜落リスクや航空法規制がなく、安全性と導入性を大きく向上させている。

・防水設計と徹底した軽量化により、1人で持ち運び可能な約7kgの小型機体を実現し、流速1m/sかつ風のある河川環境下でも安定した全方向移動と位置保持を可能とした。

・点検機材として360度カメラを標準搭載し、狭小空間でも死角の少ない撮影を実現した。

・た自己位置推定および操縦アシスト機能を開発し、専門的な操縦技能を必要とせず、誰でも扱いやすい点検システムを実現した。

具体的な成果

低桁高橋梁、暗渠、桟橋、水路など、空中ドローンでは墜落リスクや法規制により点検が困難であった狭あい部を対象に、ホバークラフト型水上ドローンを開発し、安全かつ実用的な新たな点検手段を確立した。

・防水設計と軽量化を両立した機体構造により、1人で持ち運び可能な重量約7kgの小型機体を実現した。特許取得済みの非平面型ロータ配置を採用し、流速1m/sかつ風のある河川環境下でも安定した全方向移動と位置保持を達成した。

・360度カメラを標準搭載し、狭小空間でも死角の少ない撮影を可能とした。近接撮影により、国土交通省点検要領に基づく0.05mm幅のひび割れを検出可能であることを実証した。

・自己位置推定および操縦アシスト機能を実装し、専門的な操縦技能を必要としない点検システムとしての有効性を確認した。

RGT1
RGT2
知財出願や広報活動等の状況

水陸空の移動が可能な特殊な新機構に関する特許を出願し、登録された(特許第7579032号)。本特許は推進用のファンの推力を効率よく利用すべく、一部を浮力として転用できる新機構を発案したものである。この機構により、第2バージョンの機体設計において推進力の効率的な活用を実現した。特許出願を通じて、ホバークラフト型水上ドローンの技術的優位性を確保し、事業化に向けた知的財産権の基盤を構築した。

研究開発成果の利用シーン

ヒアリングの結果得られた点検対象物として、農業用水路側壁、堤防コンクリート堤岸、火力発電所用水路・放水路、流木ゴミ堆積、排水路トンネル、暗渠、水中護岸構築、取水門頭首工、河川流量計測、河川流量計測・洪水深さの測距・リードロープ岸渡し・サンプル採取などが挙げられる。従来のドローンでは墜落・水没の危険があり適用不可・高リスクな低桁高の橋梁、暗渠、水路において、本ホバークラフトは対応可能である。特に、GPS精度が期待できない狭あい部や水深・水流による制約がある環境での点検に適している。また、操縦ライセンス不要で運用でき、事故リスクが低いことから、各種河川管理者や消防本部等での活用が期待される。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

本研究開発で得られたホバークラフト型水上ドローンについては、研究開発段階にとどまらず、事業化を見据えた実証・検証を継続的に進めている。点検事業者や関連企業と連携し、実橋梁や水路を想定した現場検証を実施することで、機体性能、操作性、点検精度に関する具体的なフィードバックを取得している。これらの結果をもとに、機体の軽量化、防水性向上、推進力強化、操作インターフェース改善などを段階的に反映し、実運用に耐える仕様へと改良を重ねてきた。
現在は、量産前段階の試作機としての位置付けで、八潮市の陥没事故を発端とした下水道点検ロボットとしての開発を継続している。すでに下水道点検業者と連携し、埋設管内部での実証実験を進めているところである。実験を行うごとに見つかる課題に応じて、機能拡充や仕様変更を実施している。今後、一定の要件を満たした時点で製造販売を実施し、事業化を進める予定である。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

水上構造物点検に用いられるロボットとして飛行するドローンや、ラジコンボートが挙げられるが、それらに対し次のような長所を有している。
・墜落リスクなし: 水上移動のため墜落による事故リスクが大幅に軽減
・法規制適用外: 航空法による規制を受けず、操縦ライセンス不要で運用可能
・パイロット育成がドローンほど難しくない: 事故リスクが低いため訓練負担が軽減
・構造物周辺で容易に運用可能: 乱気流の影響を受けにくく、低桁高橋梁や暗渠等でも安全に点検
・全方向移動: 前後左右旋回が自在で、狭い水路や複雑な構造物周辺での機動性に優れる
・360度同時撮影: 全方位の点検が一度に可能で効率的
・優れた可搬性: ひとりで持ち運び可能で自動車での運搬も容易
・防水性: 水しぶきのかかる環境でも問題なく運用可能
・ドローンとの相補的利用: それぞれの特性を活かした使い分けで点検範囲が大幅に拡大

今後の実用化・事業化の見通し

八潮市の陥没事故を発端とする埋設管点検のニーズにより、本研究開発成果のホバークラフト実用化のプロジェクトが進行中である。東京都の下水道点検業者と連携して実証実験を進めており、現場サイドの要件を満たした機体が完成次第、製造販売を行い、事業化を進めていく。
埋設管点検モデルが完成すれば、それの実績をもとに周辺アプリケーションへ適用範囲を広げていく予定である。

実用化・事業化にあたっての課題

埋設管点検においては通信可能距離、航続時間の確保が課題として挙がっている。現在はそれらを解決するために有線通信・有線給電仕様のものを開発している。

事業化に向けた提携や連携の希望

小型防水モータの提供ができる企業と連携希望
模型機サイズのホバークラフトスカートの製造ができる企業との連携希望
小ロット・低コストのカウル/真空成型部材の製作に協力いただける企業との連携希望

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ロックガレッジ
事業管理機関 株式会社ロックガレッジ
研究等実施機関 株式会社ロックガレッジ
株式会社ダイヤサービス

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ロックガレッジ(法人番号:8050001044307)
事業内容 製造
社員数 7 名
本社所在地 〒306-0031 茨城県古河市宮前町1-51
ホームページ https://www.rockgarage.tech/
連絡先窓口 株式会社ロックガレッジ 大畑 令子
メールアドレス ohata@rockgarage.tech
電話番号 090-1229-8306