材料製造プロセス
環境にやさしい水系プロセスで耐水性・耐薬品性・耐熱性・量産性を兼ね備えたナノファイバー不織布を創り出す
長野県
株式会社ナフィアス
2023年2月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代コンデンサ用ナノファイバーセパレータの製造プロセス完全VOCフリー化に関する研究開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 電池 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮 |
キーワード | VOCフリー、ナノファイバー、耐水性、耐薬品、耐熱性 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和1年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
一般機器、自動車などで広く用いられている蓄電部品では、ナノファイバー製のセパレータを用いることで性能を格段に高めることができる。しかし一般にナノファイバーの製造では有機溶剤を使用するので、環境負荷が高く、コスト高となり実用に至っていない。そこで非溶剤型かつ耐水性のナノファイバーの製造プロセスを開発し、高性能蓄電部品の実現に寄与する。またさらには次世代電池や高性能フィルタなどへも展開する。
開発した技術のポイント
・材料開発
‐水分散型エマルション溶液のナノファイバー(NF)化条件を確立した。
*水分散型エマルション溶液において、繊維径100nm~5μmまで制御可能なES条件を明らかにした。
*水分散型エマルション溶液から作製するNF不織布製造プロセスは、溶剤型NF不織布製造プロセスの約3倍の生産量となった。
*耐熱性(製品製造工程、使用環境想定温度において、NF形状を維持)
*耐水/耐薬品性(極性溶媒および水に60℃24hの条件で、溶解しないことを確認)
・基材開発
‐NF不織布の低強度への対応策を開発した。基材との組合せを最適化し、膜厚20μm以下において引張強度:10N/15mmを達成した。
・製造プロセス開発
‐完全VOCフリー型NFセパレータの量産プロセスを開発した。
*溶剤を一切使用せずRoll to Rollで一貫生産が可能なNFセパレータ製造プロセスのパイロットを1ライン(幅600mm)製作した。
*紡糸環境へのセンサの導入により、フィードバック制御を用い、24時間連続生産。
*生産量720m/24h
具体的な成果
VOCフリー化、環境負荷低減、省エネルギー化によるNFセパレータ製造プロセスの高度化を実現した。これにより、製造プロセスでの有機溶剤使用比率を90%から0%へとすることが可能となった。この成果により、環境に配慮し、かつ価格競争力の高い高性能NFセパレータの製造が可能となり、セパレータが極薄化、低密化、微細繊維化することで、低ESR化し、小型化、低発熱、長寿命化を達成できる。コンデンサの性能向上は、各種電子機器の省スペース化による小型化、軽量化、省エネ化に効果を及ぼす。有機溶剤を使用しないNF不織布はコスト競争力が高まるため、コンデンサ用セパレータ以外にもEDLC(電気二重層コンデンサ)やリチウムイオン二次電池のセパレータとしても展開が期待できる。セパレータ以外にも、NF素材を用いたエアフィルタ、液体フィルタ、衛生材料、高機能アパレル、センサ、医療用部材などでの利用の可能性もある。
知財出願や広報活動等の状況
初年度の研究開発結果を元に3件の特許をPCT出願。以下の2件が特許登録された。
・【特許第6957075号】<低溶解性ナノファイバーの製造方法>
PUエマルションと水溶性高分子の混合溶液からエレクトロスピニング法によりナノファイバーを作製し架橋することで、耐水性・耐薬品性を有するナノファイバーが得られる製造方法。製造プロセスの環境対応に加え、耐水性・耐薬品性・耐熱性が付与できる高付加価値素材として活用可能。
・【特許第6973842号】<複合シート製造方法及び複合シート>
低溶解性ナノファイバーと基材の積層体に機能性粒子を塗工して作製する複合シート及びその製造方法。セパレータ、フィルタ、電極材、電磁波吸収材、磁気シート、断熱材、吸着剤、耐火材、放熱剤、美容シート、触媒、創傷被覆材等の機能性材料分野への応用が可能。
研究開発成果の利用シーン
コンデンサ用セパレータや二次電池用セパレータへの適用が期待できる。さらにセパレータ以外にも、NF素材を用いたエアフィルタ、液体フィルタ、衛生材料、高機能アパレル、センサ、医療用部材などでの利用の可能性もある。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
川下企業とは、ナノファイバー製造装置の製造ラインへの導入について打合せを行っており、今後、具体的な作業スケジュールについて詰めていく。また、本セパレータの性能は非常に高性能であり、二次電池用のセパレータへの適用も期待できるため事業化の展開についても進めていく。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
VOCフリー化、環境負荷低減、省エネルギー化によるNFセパレータ製造プロセスの高度化を実現したことで、環境に配慮し、かつ価格競争力の高い高性能NFセパレータの製造が可能となった。また、本NFセパレータは従来のNFと比較し、耐水化、耐薬品化、耐熱化を達成しているため、次世代電池、EDLC(電気二重層コンデンサ)のセパレータとしても展開が期待できる。セパレータ以外にも、NF素材を用いたエアフィルタ、液体フィルタ、衛生材料、高機能アパレル、センサ、医療用部材などでの利用の可能性もある。
今後の実用化・事業化の見通し
・事業終了後の追加研究開発の実施体制
‐NFセパレータの製造ラインとしては、製造速度の向上、品質の長期にわたる安定化などについて、研究を継続する予定である。
‐追加研究開発については、株式会社ナフィアスが主体となり、信州大学の協力を得て進めていく。
・製品化や量産に向けた体制
‐川下企業との調整に加えて、ナノファイバー製造装置の製作を行うなど十分な調整を行っており、製造ライン導入時の協力体制は出来ている。
・資金確保における課題と対処方法
‐追加研究開発についてはNEDOやJSTの研究資金の活用も検討する。
・販路開拓における課題と対処方法
‐川下企業とは、ナノファイバー製造装置の製造ラインへの導入について打合せを行っており、今後、具体的な作業スケジュールについて詰めていく。
・本セパレータの性能は非常に高性能であり、次世代電池用のセパレータへの適用も期待できるため事業化の展開についても進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
・コンデンサー用セパレータの製造ラインの製造速度向上、品質の長期にわたる安定化
・追加研究開発におけるNEDOやJSTの研究資金の活用の検討
・川下企業とのナノファイバー製造装置の製造ラインへの導入についての作業スケジュールの調整
・次世代電池用セパレータの事業化への展開
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナフィアス |
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事業管理機関 | 株式会社信州TLO 技術移転グループ |
研究等実施機関 | 国立大学法人信州大学 繊維学部 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナフィアス(法人番号:9100001028617) |
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事業内容 | ナノファイバーを中心とした高機能素材の研究開発、製品開発・企画、製造販売 |
社員数 | 2 名 |
本社所在地 | 〒386-8567 長野県上田市常田3-15-1信州大学繊維学部内 |
ホームページ | https://www.nafias.jp |
連絡先窓口 | 株式会社ナフィアス 代表取締役 渡邊 圭 |
メールアドレス | info@nafias-jp.com |
電話番号 | 03-6893-0862 |
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