材料製造プロセス
微細化が進む次世代の半導体プロセスにおいて、パターン倒壊を起こさないウエハの超臨界乾燥技術を開発
大阪府
株式会社レクザム
2023年2月13日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代半導体プロセスに対応可能な超臨界技術を用いたウエハ乾燥技術の開発 |
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基盤技術分野 | 材料製造プロセス |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、情報通信、半導体、エレクトロニクス、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加) |
キーワード | 半導体製造、ウエハ、超臨界乾燥、パターン倒壊、微細化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和3年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
従来技術の問題点としては、①処理時間が長いこと、②コンタミ(パーティクル、メタルコンタミ)が多いこと、③倒壊やコンタミを評価する技術が不十分であることが挙げられる。
そこで株式会社レクザムでは、実用化に成功している既存の超臨界乾燥装置をさらに高度化することで、乾燥時間の短縮やコンタミ削減を実現した。
産業技術総合研究所は、集積デバイス開発技術やTIA推進センター(TIA)のスーパークリーンルーム(SCR)を活用し、金属汚染検査やパーティクル検査を高精度で実施・評価するとともに、試験用に製作した微細パターンを用いて超臨界乾燥の効果を検証した。
開発した技術のポイント
・乾燥工程の処理時間を短縮する技術の開発
-幅900mm、高さ600mm、奥行1,140mmの小型のチャンバーとした。
-昇圧、置換、減圧の各工程の技術開発で処理時間の短縮を実現した。
-処理時間を4分未満/枚、120枚/時/ユニット(15枚×8容器)を達成した。
・コンタミを削減する技術の開発
-高純度CO2と高純度IPAの供給を実現した。
-チャンバー内のCO2流路等のコンタミ削減の技術開発を実施した。
-メタルコンタミとして、各種金属元素濃度5×10の10乗以下(atoms/平方センチメートル)を確認した。
-パーティクルのさらなる削減に向けて追加研究を実施中。
・処理結果を評価する技術の開発
-メタルコンタミとして、TXRF(リガク・310Fab・スイープ)での金属元素は、検出なし。
-微細構造ウエハ(5mmノード)のダメージが無いことを確認した。
具体的な成果
・乾燥工程の処理時間を短縮する技術の開発
-処理時間を4分未満/枚、120枚/時/ユニット(15枚×8容器)を達成した。
・コンタミを削減する技術の開発
-メタルコンタミとして、各種金属元素濃度5×10の10乗以下(atoms/平方センチメートル)を確認した。
・処理結果を評価する技術の開発
-メタルコンタミとして、TXRF(リガク・310Fab・スイープ)での金属元素は、検出なし。
-微細構造ウエハ(5mmノード)のダメージが無いことを確認した。
知財出願や広報活動等の状況
先行試作機を用いて8件の国内特許を出願し、さらに本研究開発の成果を用いて2件の特許出願を準備している。出願済みの2件は早期審査請求を行い、特許登録済み。登録済みの特許は商品機に搭載している。6件の国内出願を2件にまとめ国際特許出願を行っている。
特開2021-093389,特許6959668、特開2021-125667、特開2021-163823,特開2021-163905、特許6953041、特開2021-118329,特開2022-007020
中小企業庁主催のサポイン展(東京ビッグサイト)への出展など広報・営業に努めている。
研究開発成果の利用シーン
・半導体装置企業に対して、表面張力の少ない乾燥技術を提供
・研究所や大学等へ本研究開発で開発した自動循環のIPA精製器と既存の小型の超臨界乾燥装置(ラボ機)をセット販売
・微細加工・MEMS製造企業への技術展開
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、超臨界乾燥装置は、半導体製造装置企業だけでなく、半導体製造企業からも引き合いがある。今後は、追加研究で装置の改良や環境の改善等を行い、川下ニーズに合致したコンタミの少ない装置を完成させ、事業化を進めていく。また、微細加工・MEMS用途での技術展開による事業化や、開発した自動循環のIPA精製器を商品化し、既存の超臨界乾燥装置(ラボ機)とのセット販売を予定している。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
微細化が進む次世代半導体プロセスにおいて、ウエハのへのダメージが無くパーティクルの少ない乾燥に適応できる超臨界乾燥技術を提供。
微細加工・MEMS用途にも適用可能。高純度CO2と高純度IPAの供給システムを提案。
今後の実用化・事業化の見通し
今後は、追加研究で装置の改良や環境の改善等を行ない、川下ニーズに合致したコンタミの少ない装置を完成させ、事業化を進めていく。また、微細加工・MEMS用途での技術展開による事業化や、開発した自動循環のIPA精製器を商品化し、既存の超臨界乾燥装置(ラボ機)とのセット販売を予定している。
実用化・事業化にあたっての課題
パーティクルの削減については、高度なクリーン環境内で洗浄装置と連動させて乾燥処理したウエハのパーティクル測定を実施する必要があり、追加研究の実施を調整する。
事業化に向けた提携や連携の希望
次世代半導体ウエハのプロセスに対応する超臨界乾燥技術の開発結果は、微細加工・MEMS用途での活用ができます。次世代の微細加工等に有用で、微細レジストのエッチング後や次世代MEMSの乾燥工程など、ダメージ無くパーティクルの少ない乾燥等に適応できます。
高純度CO2・高純度IPAの供給につきましては、必要な供給量に応じて対応しますので、ご要望をご教示ください。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社レクザム 株式会社レクザム 香川工場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 デバイス技術研究部門 先端CMOS集積技術研究グループ |
アドバイザー | 大陽日酸株式会社 国立大学法人大阪大学 独立行政法人国立高等専門学校機構香川高等専門学校 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社レクザム(法人番号:7120001092225) |
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事業内容 | エレクトロニクス応用製品(電子コントローラ、医療機器他)、半導体製造装置関連機器、自動車部品、精密機械加工品などの開発・設計・製造・販売 |
社員数 | 1270 名 |
生産拠点 | 香川県、愛媛県、中国、タイ、インド、チェコ |
本社所在地 | 〒541-0054 大阪府大阪市中央区南本町2丁目1番8号 |
ホームページ | https://www.rexxam.co.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社レクザム 経営企画部 山内 守 |
メールアドレス | yamauchi-mamoru@rexxam.co.jp |
電話番号 | 080-3996-4146 |
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