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立体造形

医療・機械・バイオミメティクスなどの応用に向けた、安価な3Dプリンターによる精細なハイドロゲル造形

東京都

サンアロー株式会社

2023年2月14日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 3Dゲルプリンティングシステムの製品化・事業化に向けた、高速・高精度・透明/白色化技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護、工作機械、印刷・情報記録、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化
キーワード 3Dプリンタ、柔軟素材、高分子ゲル、精度向上、工程短縮
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 令和1年度~令和3年度

プロジェクトの詳細

事業概要

柔軟で液体を多く含むゲル材料は、医療やロボットなどの分野での実用化が期待されている。申請者らは、NEDO-SIP事業でディスペンサー型3Dゲルプリンター、バスタブ・レーザー型3Dゲルプリンターを開発した。しかし、造形速度が遅い、造形精度が低いなどの課題で、装置販売に至っていない。これらの課題を解決し販売可能な装置を開発し、新規事業を創出する。

開発した技術のポイント

・新ディスペンサー3Dゲルプリンターの開発
‐ソフト材料と3Dプリンターを活用したPCポンプディスペンサーを開発し導入
‐造形の高速化のために複数のノズルを使った造形システムを開発
・新バスタブ3Dゲルプリンターの開発
‐造形の高速化のために、面ごとに造形するLCD造形システムを導入
-照射光量を調整することにより透明/白色を作り分けるシステムを開発

具体的な成果

・新ディスペンサー3Dゲルプリンターの開発
-新ディスペンサー3Dゲルプリンターにおいて、プログレッシブキャビティポンプ(PCポンプ)を安価に製造する技術、PCポンプで吐出しやすいゲル材料を新規開発した。
-複数のPCポンプによる同時造形を実現した。単一のノズルと比較して50%造形時間を削減し、造形精度はおよそ500μmであった。
-NEDO-SIP事業での検証機と比較して、装置全体として1/100程度、PCポンプとして1/500程度安価になった。
・新バスタブ3Dゲルプリンターの開発
-市販のLCD方式3Dプリンターを利用し、安定した造形を補助するワイパー機構、透明/白色の2色造形手法を新規開発した。
-従来の点光源による3Dゲルプリンターと比較して、面での光照射方法であるため、1層当たりの造形時間は、1/4倍程度、1層の造形精度は1/6程度を実現した。
-NEDO-SIP事業での検証機と比較して、装置全体として1/10程度安価になった。

知財出願や広報活動等の状況

ゲル材料による水生生物模型(人工クラゲ)の作製に関する特許を出願済み

研究開発成果の利用シーン

本研究で開発された3Dゲルプリンターを使用して、ゲル材料を使った人工クラゲ(クラゲロボットシステム)の生産が可能となる。
本事業で用いるゲル材料と類似した特性を持つ細胞培養用足場材を3Dプリントし、立体臓器を作成することに利用できる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

柔軟なクラゲロボットをNDソフトウェアが独占販売を継続して行っており、情勢は良好である。
3Dスキャフォールド販売として、当初ハイドロゲル(含水ゲル)を造形する予定だったが、ゲル類似材料を積層造形したい市場ニーズがあった。1社コンタクトがあり、協業を進めることになった。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

NEDO-SIP事業で技術実証した3Dゲルプリンターをベンチマークとして、低価格化・高速化・高精度化・などの技術課題を解決した。
新ディスペンサー、新バスタブ、という2種類の新規の3Dゲルプリンターを開発した。装置全体として1/100程度、PCポンプヘッドとして1/500程度安価な新ディスペンサータイプと、装置全体として1/10程度安価になった新バスタブタイプの開発に成功した。
これらを用いて、将来的には細胞培養足場材を使い立体臓器生成に活用されることを目指す。

今後の実用化・事業化の見通し

3Dプリンタ販売に関しては、川下企業の強いニーズをより具体的に把握することで造形精度や材料の強度のような仕様を、サポイン事業での装置開発取り入れる必要がある。
その後、早ければ2022年には一部事業化できる見通しである。

実用化・事業化にあたっての課題

購入ユーザーへのヒアリングを通して、ユーザー目線での付加価値具体化及びその実現が課題。
ゲル類似材料を用いた3Dプリント事業では、工業材料と比較して材料そのものの分解が懸念されるのでテスト状況によってはヘッド部分に水冷機構を設ける必要があると予想する。微細化の要求もあり、造形解像度の数値目標を変えるなど今後の検討課題とする。

事業化に向けた提携や連携の希望

ゲルクラゲ販売は一部事業化に成功しているが、3Dで高精細に成形された高分子ゲルは膨大な需要が発生していないため、販路拡大に向けて展示会に多く出展している状況である。ゴム材料と類似、もしくはそれ以下の弾性率で低摩擦表面を有する高分子ゲルについて興味をもっている企業との連携を希望する。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 サンアロー株式会社
事業管理機関 国立大学法人山形大学
研究等実施機関 国立大学法人山形大学

参考情報

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 サンアロー株式会社(法人番号:7010001045012)
事業内容 電子機器及びその備品製造、販売。合成ゴム、樹脂部品及び金型の製造、販売。医療機器用品の製造、販売。
社員数 80 名
生産拠点 新潟工場(新潟県)
本社所在地 〒104-0032 東京都中央区八丁堀4-10-4 ヒューリック八丁堀第二ビル
ホームページ https://www.sunarrow.co.jp/corporate-information/profile/
連絡先窓口 国立大学法人山形大学 米沢キャンパス研究支援課
メールアドレス yu-koukenkyu@jm.kj.yamagata-u.ac.jp
電話番号 0238-26-3004